正直私は、首都圏から三陸に移住して来るまでホヤは苦手でした。一度都内で食べたホヤは独特の苦みに、舌が慣れず、まだまだ子どもなのかなと思ったことを覚えています。そんなホヤのイメージが変わったのが、漁師さんに漁船に乗せていただき、船の上で新鮮なホヤを食べたとき。甘み、塩味、うま味のなかにほんのりと苦みがある味わいに感動したのです。
今回取材させていただいた村田水産さんのホヤをいただき、自宅で解凍し、試してみました。これまで食べたどんなホヤよりも肉厚なホヤからは、ふわっと磯の香りが漂います。ひと口頬張ると、臭みはなく、濃厚な甘み、うま味は新鮮なホヤそのもの。まさに船上で食べた、あの味を思い出したのです。家にいながら、気仙沼の港を旅して、採れたてのホヤを漁師さんにお裾分けしていただく。そんな気分を味わえる商品です。