工場で気が付いたのは、カンナやノミなど、日本の大工道具が多く用いられていること。作り方も、使っている道具も「日本式」であることもこだわりの一つです。義教さんは「父も僕も、外国に行って修行したわけではありません。日本で作り方を覚えました。だから道具も日本のものを使っています。そういう意味で、うちの楽器は、本当に日本製(笑)。修理や調整もこの工場でできます。日本で使うのでしたら、日本で作ったものの方が木が収縮しにくいということもあるかもしれませんね」
「今まで通り、一つひとつの作業を真面目に、ちゃんとすること。いい仕事をするにはそれしかありません」と義教さん。木材から楽器を製作し、美しい音色を生み出すヒガシ絃楽器製作所。木と真摯に対峙する職人の姿勢が、素晴らしい音色に表れるのでしょう。