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肉ひとすじ、町の要請で平取町に移住して開店

今回、お礼の品を届けるのは、北海道平取町のびらとり和牛専門店「くろべこ」です。店主・山口尚之さんは、スーパーの食肉部門から始まり、肉ひとすじ37年。肉は食べるのも調理するのも大好きだといいます。

平取町との縁は、札幌で姉と始めた焼肉屋で、びらとり和牛を扱ったことから生まれました。お肉の縁から来店するようになった平取町役場の職員さんたちから、あるとき、「町営の温泉施設で牛肉の直売店とレストランを運営しないか」との誘いがありました。都会の人混みではなく自然の中で暮らしたいと考えていたこともあり、思い切って平取町への移住を決めたそうです。その後、より市街地に近い現在の店舗をオープンしてから10年が経ち、今では地域の名店として町民にも旅行者にも愛されています。

気候穏やかな平取町でのびのび育った牛

北海道の太平洋岸に面した日高地方にある平取町は、降雪が少なく比較的穏やかな気候の町。札幌市中心部から車で1時間30分、新千歳空港から車で45分程度と、道内外からのアクセスも良好です。

肉牛の生産は、繁殖から生後1年までの「素牛」が主ですが、お肉として出荷されるまで育てる「肥育」を行う農家も5軒あります。平取町で肥育された肉牛が、北海道内では認知度の高い「びらとり和牛」のブランド名で、年間350頭程度と少数ですが流通しています。その上物率（格付けでA5・A4ランクが出る率）は90％以上と高く、安定した高品質。「うま味がしっかりしていて、脂がしつこくなくサラっと食べられるんです」と山口さんは胸を張ります。