「旭高砂牛」の最大の魅力は、肉質の柔らかさとジューシーさ。麦が主原料の飼料に、高砂酒造ならではの甘くフルーティーな香りの酒粕を配合することにより、その肉質が実現。松浦さんの出身大学、青森県北里大学との共同研究も進み、毎年酒粕を配合する量に変化をつけるなど、調整を続けています。そして、通常の牛と異なる点は、出荷のタイミング。「うちでは『完熟方式』と呼んでいますが、高砂牛に関しては牛の月齢などを気にせずに『この牛よい状態だな』と思った時に出荷しています。非効率ではありますが、牛一頭一頭の歯並びや角の色合い、毛づやなどを見て判断するのは面白い。もっと感覚を養いたいです」と、松浦さんは語ってくれました。
「僕はいつも『何をもってブランド牛とするのか』を考えます。ブランドを一番作ってくださるのは「消費者」の方なので、買っていただくことはもちろん重要ですが、将来的には旭高砂牛を通してそこに関わる方たちの人生に少しでもよい影響を与えていくことができたらと思います」と、熱く語ってくれた松浦さん。発せられる言葉に何度も胸を打たれ、とても温かい気持ちになりました。