「くだもの王国」の特製パフェ | 福島県福島市 の旅行レポート

西の吾妻連峰と東の阿武隈高地に囲まれた福島市は、
夏は高温多湿で冬は寒冷、年間の降水量が少ないという盆地特有の気候を生かして
さまざまなフルーツを栽培していることから「くだもの王国」とよばれています。
市内には、果樹園が集まる「フルーツライン」「ピーチライン」という道路もあります。
数ある果樹園のなかから、フルーツ狩りだけではない楽しみを併せ持つ2軒に注目しました。

「くだもの王国」の特製パフェ | 福島県福島市 の旅行レポート

西の吾妻連峰と東の阿武隈高地に囲まれた福島市は、 夏は高温多湿で冬は寒冷、年間の降水量が少ないという盆地特有の気候を生かして さまざまなフルーツを栽培していることから「くだもの王国」とよばれています。 市内には、果樹園が集まる「フルーツライン」「ピーチライン」という道路もあります。 数ある果樹園のなかから、フルーツ狩りだけではない楽しみを併せ持つ2軒に注目しました。

東北の名湯を共同浴場で満喫する

東北の名湯を共同浴場で満喫する

 最初に訪れたのは、宮城県の鳴子・秋保とともに「奥州三名湯」に数えられる飯坂温泉。温泉はフルーツとともに福島市が誇る観光資源です。市の北部に位置する飯坂温泉のほかにも、吾妻山と安達太良山のふもとに高湯温泉と土湯温泉があり、いずれも泉質のよさで人気を集めています。
 飯坂温泉は、2世紀頃、東征の際に病にかかった日本武尊が立ち寄ったところ、たちまち快復したという伝説が残る古湯です。江戸時代には松尾芭蕉が訪れ、『おくのほそ道』にその名を記したことで、広く知られるようになったそうです。泉質は、アルカリ性単純温泉で美人の湯ともいわれます。
 温泉街には9つの共同浴場があり、その一つで芭蕉も浸かったといわれる「鯖湖湯」に入浴しました。明治時代の共同浴場を再現したという建物は、脱衣所と浴場の間に仕切りがない昔ながらの造り。御影石の浴槽には無色透明でかなり熱めの温泉が注がれており、湯あがり後の肌はすべすべに。名湯の効果を肌で感じることができました。

〈左〉源泉の湧出時の温度は51℃。かけ流しのため、浴槽の湯温もかなり高い 〈右上〉日本最古の木造建築共同浴場だった建物を平成5年(1993)に改築。ヒバ造りの風格ある姿となった 〈右下〉隣には鯖湖神社や「飯坂温泉発祥之地」碑、「芭蕉と曾良 入浴の地」碑などが立つ


SNSでも話題のフルーツパフェ

SNSでも話題のフルーツパフェ

 鯖湖湯から車で約10分。次に向かったのは、道の両側に桃畑が広がるピーチライン(国道13号線)沿いの「まるせい果樹園 農家カフェ 森のガーデン」です。
 「ようこそ、いらっしゃい!」と満面の笑顔で出迎えてくれたのは、果樹園の代表、佐藤清一さん。若者のフルーツ離れに危機感を覚えた佐藤さんは、「おいしいスイーツを食べることからフルーツに興味をもってもらいたい」と平成27年(2015)にこのカフェをオープンさせました。
 名物のフルーツパフェには、サクランボ、桃、梨、ブドウ、柿、リンゴ、ラ・フランスと、その時期に旬を迎えたフルーツがふんだんに使われます。この日いただいた桃パフェには、約1.5個分の桃が使われていました。しっかりとした甘みとほどよい酸味、なめらかな口当たりの果肉は、まさにジューシー。手が止まらずにあっという間に完食してしまいました。

〈上〉左からゴールデンピーチパフェ900円、巨峰パフェ700円、桃パフェ600円 〈左下〉桃のスムージー400円は、桃そのものを飲んでいるような濃厚な味わい 〈右下〉かつてはゴルフ練習場のクラブハウスだった建物を改装。桃のシーズンには行列ができる人気ぶり

 旬の桃を満喫した後は、佐藤さんに果樹園を案内してもらいました。「果樹園の広さは東京ドーム2つ分くらい。遠くの畑にフルーツ狩りのお客さんを案内するときはこれを使います」。そう言って指さした先には、ゴルフ場で使うカートが並んでいました。「これなら移動も楽しめるでしょう。楽しく笑顔になれる、そんな果樹園を目指しているんです」と、佐藤さん。
 東日本大震災の後には、売り上げが前年比の1割ほどに減った時期もあったそうです。しかし、佐藤さんはそこで諦めませんでした。食の安全や環境保全に取り組む農場に与えられる「GAP」という認証を果樹園としては初めて取得して、安全性をアピール。その甲斐もあって、数年後には震災前の売り上げを上回るまでになったそうです。
 直売所を後にするお客さんを、手を振って見送る佐藤さんが話してくれました。「安心で安全なフルーツを食べて笑顔になってほしいですね。楽しかった思い出こそが、福島にまた来てもらえる原動力になると私は信じています!」。

〈上〉収穫前の巨峰を手に取る佐藤さん。スタッフは全員、桃をイメージしたピンクの服装で統一 〈左下〉10月からはリンゴのシーズン。サンふじやシナノスウィートなど、多彩な品種を栽培している 〈右下〉試食コーナーや顔出し看板がある直売所


さまざまな活動を通じて交流の場となった果樹園

さまざまな活動を通じて交流の場となった果樹園

 ピーチライン(国道13号線)からフルーツライン(県道5号線)に入り、車で約12分、次の目的地「あんざい果樹園」に到着しました。あんざい果樹園は約100年続く果樹園で、桃や梨、洋梨、リンゴを栽培しています。
 直売所では、園主の安斎一壽(かつじゅ)さんが、桃を箱詰めしている真っ最中。しばらく直売所のなかを見学して待たせてもらいました。梨の「あきづき」、桃の「さくら白桃」や「黄貴妃」、リンゴの「紅玉」、洋梨の「マルゲリット・マリーラ」など、安斎さんが丹精を込めて育てたフルーツが並んでいます。その一角にライブやマルシェのチラシが置かれています。チェックしてみると、あんざい果樹園で開催されたイベントでした。「うちの中庭で、年に2回ガーデンマルシェを開催しているし、野外ライブをやりたいというアーティストに場所を提供しているんだよ」と、作業を終えた安斎さんが教えてくれました。

〈上〉直売所からフルーツラインを挟んで反対側に広がるあんざい果樹園の畑 〈左下〉おみやげとしても人気のリンゴジュース860円。左は「さんさ」という品種のリンゴジュース750円 〈右下〉デッキタイプのツリーハウスがシンボルの中庭

 イベントの会場となる中庭を見て回っていると、直売所の脇に小道を見つけました。奥に進んでみると「utsuwa gallery あんざい」の看板を掲げた古民家が。
 古民家の中に入ると、安斎さんの奥様、久子さんが出迎えてくれました。ここは久子さんが26年前から営んでいる器のギャラリー。かつて安斎家の自宅だった建物を改装して利用しているそうです。店内に並んでいるのは、安斎さん一家が実際に使って「いいなぁ」と思った、全国各地の作家の作品たち。陶磁器だけでなく、ガラスの器もあれば、布雑貨や木の道具、革製品も揃います。久子さんに作家のことを伺いながら、気に入った品を探していると、ここが果樹園であることをすっかり忘れてしまいました。
 直売所に戻ると、安斎さんから「実は、今年から民泊も始めたんですよ」と教えていただき、器のギャラリーに隣接する古民家の部屋を見せてもらいました。すでにフランスやアメリカ、韓国などからの旅行者が訪れているそうで、「英語はできないけど、今はスマホの翻訳アプリがあれば大丈夫だからね」と安斎さん。古希を迎えた現在も新たなことにチャレンジするその姿勢に、頭が下がる思いでいっぱいになりました。

 「くだもの王国」と呼ばれる福島で食べた旬のフルーツは、絶品でした。しかも果樹園ではリーズナブルに購入できるうえ、フルーツ狩りも楽しめます。果樹園から車で30分も走れば名湯が湧く温泉地です。来年のフルーツのシーズンには、観光にピッタリな福島市に出かけてみませんか。 (2019年10月)

〈上〉高知県で作陶を続ける小野哲平氏の皿1万3200円(左下)など、日常の食卓で使える器が揃う 〈左下〉かつては玄関と和室だったスペースに器が並ぶ 〈右下〉和モダンにリノベーションされた民泊用の部屋

「ふくしまの温泉」宿泊補助券 10000点分×2枚

「ふくしまの温泉」宿泊補助券 10000点分×2枚

「福島の奥座敷」ともいわれる飯坂温泉、すべての宿が源泉かけ流しを守る泉質自慢の高湯温泉、10種類以上の泉質を有する土湯温泉。これら福島市内3つの温泉地すべてで使える宿泊券です。福島市観光コンベンション協会と提携している旅館・ホテルが対象で、同協会を通して予約できます。いずれも風情ある温泉地で、すぐれた泉質の湯が自慢。日常の疲れを癒しに出かけてはいかがでしょうか。
※掲載の「お礼の品」は品切れや季節の都合で受付を終了・中止していることがあります。

〈左〉かけ流しの白濁の湯が人気の高湯温泉「旅館 玉子湯」 〈右〉館内で温泉めぐりを楽しめる湯量豊富な土湯温泉の「ホテル山水荘」

SPOT LIST

鯖湖湯(さばこゆ)

【電】024-542-5223(飯坂温泉共同浴場問合せ)【住】福島県福島市飯坂町湯沢32【交】東北自動車道福島飯坂ICから車で12分【料】入浴200円【時】6~22時【休】月曜【P】20台(旧飯坂支所駐車場)

まるせい果樹園 農家カフェ 森のガーデン(まるせいかじゅえん のうかかふぇ もりのがーでん)

【電】024-541-4465(まるせい果樹園)【住】福島県福島市飯坂町平野字森前27-3【交】東北自動車道福島飯坂ICから車で5分【時】10~16時(土・日曜、祝日は10~17時。ラストオーダーは閉店15分前)【休】5~12月の営業、期間中無休【P】60台

まるせい果樹園(まるせいかじゅえん)

【電】024-541-4465【住】福島県福島市飯坂町平野字森前50-1【交】東北自動車道福島飯坂ICから車で5分【時】8~17時(フルーツ狩りは9~16時受付)【休】6月中旬~12月上旬の営業、期間中無休【P】60台

あんざい果樹園(あんざいかじゅえん)

【電】024-591-1064【住】福島県福島市町庭坂原ノ内14【交】東北自動車道福島飯坂ICから車で15分【時】9~17時(utsuwa gallery あんざいは11~17時)【休】不定休(utsuwa gallery あんざいは月~水曜)【P】20台

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