新潟県南魚沼市

お米のプロが心惹かれる「絶景パノラマ」

2020.10.01

この記事では、日本各地のナビゲーターが、その土地に暮らす人たち(ふるさとLOVERS)からお聞きした「100年先に残したいもの」をご紹介します。
今回登場いただくのは、日本有数の米どころ「南魚沼市」で極上のコシヒカリを販売している「株式会社八色物産」です。

標高2000mの雄大な山々に囲まれた新潟県南魚沼市。霊峰・八海山から湧き出る清らかな水が河川となって市中を流れ、盆地には美しい田園風景が広がっています。豊かな自然に囲まれ、四季折々の変化を身近に感じられる日本の原風景が残るまちです。

地元企業の“お米のプロ”が心惹かれる絶景

南魚沼といえば日本有数の米どころ。この地で極上のコシヒカリを販売しているのが、株式会社八色物産です。通年5℃を保つ雪室貯蔵庫で保管することで、新米のおいしさをキープしたコシヒカリは鮮度抜群。その味わいにファンが多く、全国から注文が相次いでいます。

スタッフの宍戸正美さんは、農産物に携わりたいと10年以上前に神奈川県から移住。自然豊かな南魚沼市には、世界に誇る景観が数多くあるといいます。なかでも「100年後にも残したい景色」について教えてもらいました。「八海山ロープウェーの頂上からの眺めは、きっと誰もが圧倒されます。豊かな四季を感じられ、春夏の新緑、秋の紅葉、冬の雪景色とその季節ごとに美しさがあるのです。ぜひ行ってみてほしいです」

大自然を一望できる八海山ロープウェー

宍戸さんが絶賛する景色をぜひ見てみたいと、八海山のふもとにある八海山ロープウェーへ。こちらは登山道の2合目でもあり、観光客のほか登山者の交通手段としても利用されているそうです。 

大きな機体は通常81人乗り、毎秒7mの速度でぐんぐん登り、八海山の4合目付近(標高1147m)に7分で到着することができます。それでは、山麓駅から山頂駅へいざ出発!

この日はすっきりと晴れた清々しい天気。遮るもののない空と大地が広がり、まるで大自然に抱かれているような不思議な感覚が湧いてきます。さらに頂上に近付くにつれて変化する景色に心も弾みます。

さあ、山頂駅に到着です。季節は残暑が続く秋。田んぼの緑色はやや黄みがかり、まもなく迎える収穫の訪れを告げているよう。苗場山や妙高山などの山々が連なり、遠くには北アルプスを望めます。

さらに5分ほど歩いた先にある展望台では、360度のパノラマ景観を楽しめます。霊峰・八海山や越後の山々、快晴の日には遠く日本海や佐渡島まで見渡せる絶景ポイントです。

季節ごとに感動がある里山の風景

里山の風景は、春夏秋冬のどれもが美しく魅力的です。緑が芽吹く春は、淡い色合いの山や森がみずみずしく、生命の息吹を感じられます。そして夏になると緑はより一層深みを増し、青空と相まって鮮やかなコントラストを映し出します。

秋は紅葉。周囲の山々が赤や黄色に染まったグラデーションは、自然が織りなす芸術そのもので思わず息を呑む美しさです。さらに9月上旬からのごくわずかな期間に見られる、黄金色の田園風景も一見の価値があります。

冬は幻想的な銀世界。最も空気が澄む季節のため、真っ白な雪に覆われた山脈を遠くまで見渡せます。自然現象で発生するブナの霧氷(氷点下の環境で樹木に付着する結晶)と出合えるのもこの時期ならでは。

さらに運が良ければ、雲海も見られるそう。下界を覆う一面に広がる雲には、この世のものとは思えない神々しさがあります。

自然豊かな南魚沼市を山頂から見下ろすことで、心に響く景色を発見できました。雄大な山々の圧倒的なスケールを感じられるのは山頂ならでは。澄みきった空気の中で、日本の原風景ともいえる里山を眺めていると五感が研ぎ澄まされていくようです。 毎度表情を変える自然は一期一会。訪れるたびに感動の景色と出会えます。ぜひ何度でも足を運び、里山の四季を感じてみてください。

<今回の旅スポット>

八海山ロープウェー
〒949-7121 新潟県南魚沼市山口1610
8:30~16:00(天候により営業時間の変更あり)
定休日/11月中旬~12月中旬、3月下旬~4月中旬
025-775-3311

※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。

地域ナビゲーター

渡辺 まりこ

中部支部 地域密着フォトライター
渡辺 まりこ

秋田県出身、岩手県で大学生活を送り、現在は新潟県三条市在住。主人が“金物 のまち”を代表する職業の包丁職人ということから、地場産品に興味が芽生え、 ローカルのおもしろさを日々発信中。フリーライターとして活動しながら発酵教室も主宰しています。