箱根の地を守るパワースポット「箱根神社」

”箱根芸者の母”がお勧めするパワースポット

箱根湯本駅からバスで30分。箱根エリアの西端に位置し、大涌谷や桃源台など箱根の絶景スポットが集まる芦ノ湖からほど近い高台にあるのが「箱根神社」です。その歴史は1260年以上も前にさかのぼり、歴史に名を残す多くの武将も崇敬したといわれています。

そんな箱根神社は、箱根湯本芸能組合の理事であり、箱根湯本駅からほど近い箱根芸者の置屋「松芳（まつよし）」の母でもある竹澤政子さんが「100年先に残したい」とおすすめするスポット。竹澤さんが「箱根神社は特別なパワーがある場所。箱根で一番高い場所にあり、ほかとも空気が違う清らかさがあります」と、神社の持つ力をとても大切に語っていらっしゃる姿が印象的でした。今回は、箱根旅の目的地に必ず加えたいパワースポット、「箱根神社」の歴史と参拝コースをご紹介します。

1260年余の時代とともに鎮座する、箱根神社の歴史

箱根神社は、御祭神「箱根大神（ハコネノオオカミ）」を祀る神社です。天照大御神の孫にあたる「瓊瓊杵尊（ニニギノミコト）」、その妻の「木花咲耶姫命（コノハナサクヤヒメノミコト）」、そしてその子の「彦火火出見尊（ヒコホホデミノミコト）」、この三神を総じて箱根大神と称え、お祀りしています。

箱根神社は奈良朝の初期（757年）の創建で、鎌倉時代以降は源頼朝、徳川家康など、武家の名家にもあつく崇敬されていたそう。2019年度には、御鎮座1260年のお祝いに合わせて、境内建物などが美しく整えられました。

芦ノ湖のほとりを歩いて、箱根神社を目指す

箱根神社へ向かうには、箱根湯本駅から路線バスに乗り、芦ノ湖方面を目指します。箱根の山道を抜けて「元箱根」または「箱根神社入口」のバス停で降りれば、箱根の名スポットのひとつ芦ノ湖が目前に。雄大な山々や深緑の木々に囲まれた芦ノ湖の中をゆったりと遊覧船が進む景色は、訪れる人の心を穏やかにしてくれます。そんな豊かな自然を体感しながら、歩いて箱根神社を目指しましょう。

神社の御本殿までは、バス停から徒歩で約15分ほど。湖畔からは少し高い位置にあるため、坂道と階段を登って御本殿に向かいます。豊かな自然に映える鮮やかな朱赤のコントラストの美しさに、御本殿を目指す気持ちが高まります。杉並木が立ち並ぶ箱根ならではの参道歩きも、存分に満喫してくださいね。

まずは箱根神社の御本殿にお参り

階段を登りきると、箱根神社の御本殿が。箱根の山中にぽっかりと現れた空間は、まるで神様を守るような清らかな空気で満たされています。御本殿を取り囲むように天に向かって伸びゆく周囲の木々は、その1本1本が永い歴史を感じさせる大樹。豊かな自然を感じながら、箱根の歴史と繁栄を見守ってくださる神々に感謝して参拝しましょう。

御本殿の参拝後は、右手に抜けて「九頭龍神社新宮」へ二社詣。「九頭龍神社新宮」は、芦ノ湖のほとりに鎮まる「九頭龍神社本宮」の御分霊を祀った神社です。九頭龍神社は金運守護、商売繁盛、そして縁結びのご神徳で有名です。ぜひこちらの参拝も忘れずに。

九頭龍神社を抜けると、その名の通り9つの龍の口から流れる「龍神水」を手にすることができる「龍神水舎」があります。龍神水は、手にとって口をすすげば一切の不浄を洗い清めることができ、その水をくみ、家の神棚に供えれば、家内清浄、縁起の養生となるのだとか。お守りや絵馬をうけることができる御守所では、「龍神水」を持ち帰ることができるオリジナルのペットボトルも授与しています。

隅々まで楽しめる、見どころいっぱいの境内

箱根神社では、多くの歴史とご神徳が感じられるスポットが広い敷地の中に点在。源頼朝とその妻である北条政子が安産を祈願したといわれる「安産杉」や、「箱根七福神めぐり」の中の神社のひとつ「恵比寿社」など、庶民や武家など数多くの人々に愛され続けた神社の多くの姿を垣間見ることができます。

御本殿の階段を降り、芦ノ湖に向かってまっすぐ進んだ場所には、フォトスポットとしても人気の「平和の鳥居」があります。芦ノ湖上に浮かび建つ鳥居は、バックに芦ノ湖と箱根の雄大な山々を臨むことができ、記憶に残る一枚を撮影することができるかも。

千年以上の歴史を経て、今もなお地元の人々や観光で訪れた多くの人のパワースポットとして存在し続ける箱根神社。大自然の中で、箱根に訪れる人々が過ごす豊かな時間を静かに見守る存在を感じれば、その清らかな空気に心洗われるはず。箱根に訪れた際は、箱根の地を包み込み、その繁栄を見守る箱根神社にお参りしてみてはいかがでしょうか。