感動の瞬間に行ってみた！美瑛の丘の冬景色編

自然が織りなす冬ならではのドラマを求めて

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「感動の瞬間 × 美瑛の丘」

北海道美瑛町の冬は幻想的な世界を見せてくれます。昼間は雪の丘に木立の影が伸び、夜は凍りついた「白金 青い池」を美しくライトアップ。時間や気候によって変わる光景を目の当たりにすると、まるで外国の絵本の中に迷い込んだような感覚に包まれます。そんな冬の美瑛町に、ふるさとLOVERSナビゲーターの吉田が出会ってきました。隣接する上川町のおすすめスポットとともにご紹介します！

1日目

　 16:00 大雪山の麓に広がる層雲峡温泉

まず訪れた北海道上川町にある層雲峡は、大雪山の麓を流れる石狩川に沿って広がる日本屈指の大渓谷。断崖から並んで流れ落ちる銀河・流星の滝や圧巻の渓谷美を誇る大函など、見どころがいっぱいです。そして、黒岳山麓にある層雲峡温泉は、北海道でも有数の規模を誇る温泉郷として、大雪山周辺の観光や登山、スキーの拠点にもなっています。

2021年、命名されてから100周年を迎えた層雲峡温泉。そんな記念すべき年に「ONSEN & CANYON RESORT」というキャッチコピーを掲げ、新たな歩みを始めたのが「ホテル大雪（たいせつ）」です。

北海道では随一の3つの大浴場と2つの露天風呂のある老舗ホテルでは、そのキャッチコピーの通りに温泉と層雲峡の大自然が心ゆくまで楽しめます。

「ホテル大雪」のさまざまなタイプのお部屋の中でも、特におすすめなのは広縁から渓谷が望める「キャニオンビュー」。10帖の和室とベッドが置かれた洋間がセットになった和洋室は広々としていて、ご家族で泊まってもゆったりとした贅沢な時間が過ごせます。

ビュッフェダイニング「HINNAの森」でバイキング形式の夕食を楽しんだ後は、凍てつく真冬の層雲峡の夜を熱く盛り上げるイベントの「氷瀑まつり」に出かけました。

　 19:45 真冬の夜を熱くする、氷瀑まつり

1月下旬から3月下旬まで開催される「氷瀑まつり」は「さっぽろ雪まつり」「旭川冬まつり」と並んで「北海道三大冬祭り」と称され、例年約15万人の観光客が訪れます。会場にはライトアップされた約30基の氷像が立ち並び、「日本夜景遺産」のひとつにも選定されたファンタジックな空間が広がっています。

2022年のメイン氷像は、上川町がパートナーシップを結び、互いに連携しながら「山岳リゾートタウン」を目指すアウトドアウエアメーカーの「コロンビア」本社があるアメリカ・オレゴン州の象徴でもあるフッド山をイメージして制作された「マウントフッド」。高さ約13mの巨大な氷像の内部にはトンネルが設けられ、歩けるようになっていました。

その他にも会場には人の動きに反応して形や色を変えるデジタルアートや、氷でできた「神玉」が鎮座する氷瀑神社など、お楽しみがいっぱいです。

会場内を散策していると、ライトアップされた氷像の向こうに冬の花火が上がりました。「空気が冷たくて澄み渡った冬の夜の花火には、夏とは趣のちがった輝きと美しさがありますよ。氷瀑まつりの名物でもある冬の花火をぜひ見てきてください」と層雲峡観光協会の中島慎一（なかじましんいち）事務局長。真冬の峡谷の夜空に打ち上げられた大輪の花火は、この冬の旅の中でも特に記憶に残るシーンになりました。

2日目

　 10:00 タバコのCMで注目された「マイルドセブンの丘」

北海道の中央に位置する美瑛町は、なだらかな丘陵と豊かな自然に囲まれ、いつしか「丘のまち」と呼ばれるようになりました。冬には銀世界のなか、幻想的な景色が広がります。

雪の丘をよく見ると雪面に「アニマルトラッキング」と呼ばれる野生動物の足跡が続いていることがわかります。規則的で単純ならキタキツネ、大きな足跡と小さな足跡が対になっているならウサギやリスなど。その形で誰が通ったのかわかります。極寒の中で生きる動物たちのたくましさを感じずにはいられません。

町の風景は、どこを見ても水彩画のように美しく、これまでにいくつものドラマやCMが撮影されています。カラマツの木々が並ぶ丘は、「マイルドセブンの丘」として多くのカメラファンが訪れる撮影スポットです。

この日の気温は氷点下10度。それが冬の美瑛の平均的な気温だというから驚きです。風に舞う雪が太陽に照らされて、ダイヤモンドのような輝きを放ちます。幻想的な光景にその場を離れることができず、しばらくじっと見つめていました。素晴らしい景色を前に、思わず近づいてみたくなりますが、美瑛の丘は畑や私有地です。見学する際は観光マナーと交通ルールに気をつけて撮影してくださいね。

　 10:45 ワクワクのアクティビティ天国「展望花畑　四季彩の丘」

風花が舞う中、冬の美瑛をもっと楽しみたいと「展望花畑　四季彩の丘」に立ち寄りました。ここは、広大な畑をはじめ、北海道らしい体験、ペンションがそろった美瑛を象徴するエンターテイメント・ガーデンです。

夏は広大な花畑に色とりどりの草花が咲き誇り、冬は雪化粧した丘が「スノーランド」に変わり、スノーラフティングやそりすべりなどが楽しめます。目の前に広がるのは真っ白な世界。視界を妨げるものはほとんどありません。

どこまでも広がる雪原を楽しみたいなら、「スノーモービル」（※運転は16歳以上から可能）にチャレンジしてみましょう。しっかりとレクチャーしてくれるので、自ら操って雪の丘を駆け抜けることもできます。

規定コースを一周してからコースに出発。あっという間にスノーモービルで来なければ見ることができない光景に誘われます。

敷地内の「アルパカ牧場」では30頭以上を飼育しており、餌をあげることができます。自然下ではアンデス高地に生息しており寒さは平気。雪の中でも元気な姿を見せてくれるアルパカたちに癒されてください。

　 13:30 農場直営レストランで味わう、びえい牛のビーフシチュー

おいしいランチを求めて「ファームレストラン千代田」にやってきました。その名の通り農場直営のレストランで、美瑛の食材を使った料理が評判です。

寒さで凍えた体を暖めたいなら、「びえい和牛と旬菜のビーフシチュー」で決まり。びえい和牛は、日本食肉格付協会によりA4またはA5の最高評価を受けたブランド黒毛和牛です。エサにこだわったりストレスの少ない飼育によって、肉質はもちろん脂も上質。あっさりした味わいで臭みがありません。

ビーフシチューは「びえい和牛のおいしさを手軽に味わってほしい」と提供されています。ジャージー牛の生乳で作った生クリームでアクセントが添えられ、地元産の野菜がゴロゴロと入るなど、美瑛の味覚が一皿に。

一口食べると口の中で柔らかく肉がほぐれ、じわっと旨味が広がりました。次々と口に運びたくなるおいしさで、あっという間に完食しました。

　 15:00 美瑛の美しい景色をお土産に持ち帰る

クラフトショップ「RUSTIC 貴妃花（らすていっく きひか）」は、素材感を活かした温もりのある木製品のお店です。オーナーで木工作家の脇坂拓摩（たくま）さんは、大学でデザインを学んだのちに、東京でデザイン会社に勤務後、旭川に帰郷、十勝岳連峰を望む美瑛の丘に魅せられて、ギャラリーショップをオープンしました。お店の名前の由来は妻・貴妃子（きひこ）さんに由来します。ものづくりに打ち込む拓摩さんに代わってギャラリーを案内してくれました。

小さなキーホルダーから大きなテーブルまで、すべての作品を拓摩さんが手がけています。ギャラリーのあちこちに美瑛の風景や、動植物をモチーフとした作品が展示されており、窓から見える雪の丘陵もさえも作品の一つに感じられます。

拓摩さんの代表作とも言える「木々の丘」は、自然の色合いと木目の流れを活かした組木技法で、美瑛町に実在する美しい風景を再現した額絵です。拓摩さんがクロスカントリー・スキーで周辺一帯を歩き尽くしてモチーフを見つけ出すこともあるそうです。さまざまな大きさがある作品のすべてが一点もの。美瑛で出会った感動的な光景をお土産にしました。

真冬の大自然を舞台した思い出が心に残る