静岡県三島市
感動の瞬間に行ってみた!そぶえイチョウ編
2022.03.07
『金色に染まる愛知県稲沢市祖父江町を楽しむイチョウツアー』
そのとき、その瞬間でなければ決して出会えない日本の絶景を紹介する「感動の瞬間」シリーズ。この記事では、日常や普段の旅行ではなかなか見ることのできない感動スポットに、ふるさとLOVERSナビゲーターが旅人となって訪問。その土地に旅がしたくなる周辺情報と一緒に、みなさまをご案内します。今回の感動の瞬間は、愛知県稲沢市の「そぶえイチョウ」です。
おすすめモデルコース
- 10:00 樹齢推定250~300年といわれるイチョウの大樹
- 12:00 旬のぎんなんをふんだんに味わう懐石を堪能
- 13:30 地元愛がつまったイチョウのお酒をお土産に購入
- 15:00 「祖父江砂丘」をモチーフにしたスイーツでまったり
「感動の瞬間 × そぶえイチョウ」
愛知県の西部に位置する稲沢市祖父江町(そぶえちょう)は、江戸時代から続くぎんなんの一大生産地。町内には樹齢100年を超える古木を含め、1万本以上のイチョウの木が四季折々の景色を見せてくれます。1997年にはじまった「そぶえイチョウ黄葉まつり」は毎年11月下旬に開催され、地元愛知県のみならず全国から多くの観光客がつめかける人気のイベントです。
今回ご紹介する祐専寺は、樹齢推定250~300年といわれるイチョウの大樹が観光客の目を楽しませてくれるイチョウ散策スポットの1つ。イチョウとぎんなんを堪能するとっておきの小旅行をふるさとLOVERSナビゲーターの小澤がご案内します。
10:00 樹齢推定250~300年といわれるイチョウの大樹
名鉄尾西線「山崎」駅から徒歩約5分、改札を出て赤い電車がイチョウのトンネルを通り抜ける風景を横目に歩いていくと、古い門構えの寺院と、それを覆い尽くすような大きなイチョウの大樹に遭遇しました。平日の午前中にもかかわらず、すでに観光客の姿がちらほら。カメラやスマホを片手に景色を楽しんでいます。ここが今回の旅のスタート視点となる真宗大谷派寺院「祐専寺(ゆうせんじ)」です。
境内に入ると、大きなイチョウの木が目に飛び込んできました。思わずシャッターを切ろうとカメラを取り出すも、空を覆い尽くすほどの鮮やかな黄葉と太い幹をおさめるには境内の端まで移動しなければいけないほど。こんなに立派なイチョウの木は見たことがありません。
「こちらは稲沢市指定天然記念物にも登録されている樹齢推定250〜300年のイチョウです。寺によれば、イチョウを材木として使うために切り取った跡から生えてきたと言われています」と、稲沢市観光協会事務局長の古川正美(ふるかわまさみ)さんが教えてくれました。
祐専寺の周辺にはイチョウ畑や古木など、フォトジェニックな景色が点在しています。というのも、祖父江町は大粒ぎんなん発祥の地で国内生産量の約30%を占める日本一の産地。町のあちこちで見かけるイチョウ並木の多くは農家さんの畑や庭先なのです。
散策をしていると地元のぎんなんや野菜などが手に入る直売所がそこかしこに。お土産に購入しようと思い、直売所の方に「ぎんなんはどうやって食べるのが一番美味しいですか」と質問したところ、「素揚げや天麩羅にして塩を少しふると、ぎんなんそのものの味を楽しめますよ」とのこと。地元の人とのちょっとした交流も旅の醍醐味です。
施設情報はこちら
施設名
祐専寺
住所
愛知県稲沢市祖父江町山崎柳野11
電話番号
0587-22-1414(稲沢市観光協会)
休業日
無休
※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします
12:00 旬のぎんなんをふんだんに味わう懐石を堪能
お昼時になったので、せっかくならぎんなん料理を食べてみたい!なんでも、祖父江町には地元で採れたぎんなんをたっぷり使った懐石料理を味わえるお店があるのだとか。これは未経験の料理を食べてみたい!祐専寺から車で5分ほどの場所にある「季節料理しろ石」に向かいます。
こちらが、しろ石の銀杏懐石、写真におさめるのに一苦労するほどテーブルいっぱいにぎんなん料理が並べられました!新鮮なお刺身はもちろん、ぎんなんがたっぷり入った釜飯、松茸とぎんなんの土瓶蒸し、ぎんなんの天ぷら、豆腐、しんじょう……。色とりどりの風味豊かなおいしいぎんなんぎんなん料理を楽しむことができました1998年の開店当初、愛知県飲食業生活衛生同業組合から地元ならではのメニューを開発してほしいと依頼があり、11月から1月の期間限定で出しているのだそうです。
地元名産のぎんなんを一番美味しい旬の状態で食べてもらおうと、冷凍は一切使わず、殻をむくところから1つ1つ手作業で調理しています。秋から冬にかけて観光客はもちろん、「この地域のものを食べてもらいたい」と、地元の方が遠方から来た親戚や知人を連れてこの銀杏懐石を食べに訪れるのだそうです。
季節の味覚を楽しませてくれるしろ石には地元の酒蔵が造っているイチョウを使ったお酒も取り揃えているとのこと。ぎんなんの焼酎、イチョウの花酵母を使った日本酒など地元名産のイチョウのお酒を購入しに向かいました。
施設情報はこちら
施設名
しろ石
住所
愛知県稲沢市祖父江町上牧69-3
電話番号
0587-97-8486
営業時間
11:30~14:00、17:00~21:00
休業日
月曜、第3火曜(祝日は営業)
※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします
13:30 地元愛がつまったイチョウのお酒をお土産に購入
季節料理しろ石から車で6分の場所に、内藤醸造株式会社はありました。愛知県稲沢市で1826年(文政9年)から続く内藤醸造は、「純米吟醸 木曽三川 虹のしらべ」をはじめ焼酎や清酒、みりんなどを製造しています。
趣のある古い建物のお目当てのイチョウのお酒を購入。今回、私が手に入れたのは「銀杏焼酎 藤九郎(とうくろう)」とイチョウの花酵母を使った日本酒「プリンセスギンコ」です。
「祖父江町商工会から“まちおこし”の一環として、日本でも有数のぎんなんの生産地として何か商品をつくれないかと打診されたのがきっかけです」と代表取締役の内藤勇さんがそぶえイチョウのお酒の誕生秘話を教えてくれました。そぶえイチョウのお酒造りとしてはじめに着手したのがそぶえイチョウのぎんなんを使った本格焼酎「銀杏焼酎藤九郎」。第二弾としてイチョウの花酵母を使った純米酒「プリンセスギンコ」が誕生したそうです。
イチョウから生まれたお酒の味わいはどんなものなんでしょうか?まずはプリンセスギンコをいただくと、ふんわりとフルーティーな風味が口いっぱいに広がります。アルコール濃度は10%と通常の清酒に比べて低く、味も甘口で、クエン酸の酸味も相まって、女性や日本酒ビギナーにも飲みやすいと評判なのだとか。
ちなみに、銀杏焼酎藤九郎の箱に使われているのはイチョウの落ち葉を配合した再生紙です。細部までなんとも粋なイチョウのお酒を、旅の手土産にしてはいかがでしょうか。お酒を飲みつつ、旅の思い出話に花が咲くこと間違いなしですよ。
施設情報はこちら
施設名
内藤醸造
住所
愛知県稲沢市祖父江町甲新田高須賀52-1
電話番号
(代表)0587-97-1171
営業時間
8:30〜17:30
休業日
土・日曜
※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします
15:00 「祖父江砂丘」をモチーフにしたスイーツでまったり
次に訪れたのは、地元で人気の「美甘珈琲(みかもコーヒー)」です。川の流れによって生まれた、国内でも珍しい「祖父江砂丘」をモチーフにしたスイーツが人気と聞き、やってきました。
レトロな外観と落ち着いた雰囲気の店内に入ってみると、若い女性や家族連れなどで賑わっています。メニューを眺めているとモーニングからデザート・軽食まで種類が豊富でどれも美味しそう!目移りしつつ、私もさっそく人気のスイーツ「砂丘のたまご」を注文してみました。
こちらが美甘珈琲で人気スイーツ「砂丘のたまご」です。白い湯気が立ち登る白玉が、たっぷり敷かれたきなこの上に並んだ姿がかわいらしい!「商品の材料や作り方にはすべてこだわっています。この白玉粉も九州から取り寄せているんですよ。より弾力感のあるもちもちの白玉にするため、一度茹でた白玉を氷で冷やして提供前に再度茹でて温かい状態でお出ししています」とオーナーの葛谷亮(くずたに りょう)さんが教えてくれました。見た目だけでなく作り方にもこだわった「砂丘のたまご」は、これまで食べた白玉の中で一番もちもちして食べ応え抜群でした。
「砂丘のたまご」のきなこには砂糖が混ぜてあるため十分な甘さですが、私は手作りあんこと黒蜜のトッピングを追加で注文。甘いもの好きにはなんともたまらない贅沢なひとときを堪能できました。ちなみに、こちらのお店では午後のアフタヌーンサービスの時間帯にコーヒーを注文すると、手作りのロールケーキがついてくるんです!これぞ愛知の喫茶クオリティ。「軽いお茶休憩」ではなくしっかりとお腹のスペースを空けて行くことをおすすめします。
施設情報はこちら
施設名
美甘珈琲
住所
愛知県稲沢市祖父江町本甲宮前30-3
電話番号
0587-97-8454
営業時間
月曜 7:30~13:00(L.O 12:30)※モーニングのみ営業 / 水・木・金曜 7:30〜16:00(L.O 15:30) / 土・日曜、祝日 7:30〜17:00(L.O 16:30) / ※モーニングサービス 7:30~13:00 、アフタヌーンサービス 12:00~close
休業日
毎週火曜(祝祭日の場合は営業)
※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。
金色に染まる愛知県稲沢市祖父江町を楽しむイチョウツアー、いかがでしたか。秋の紅葉といえば落葉樹の赤や黄色の濃淡を楽しむことが多いですが、祖父江町の秋は街全体がもふもふと黄色におおわれる幻想的な景観が特徴です。美しい景色を目で見て楽しむだけではなく、歩き、味わい、五感で楽しむ。そんな贅沢な時間の過ごし方がここにはありました。県内外から多くの人が訪れる愛知県観光の秋の名所・愛知県稲沢市祖父江町を、ぜひ訪れてみてください。
地域ナビゲーター
中部地方 地域ナビゲーター
小澤 志穂
愛知県豊橋市生まれ・在住。趣味の旅行をきっかけにライターとして東海地域のおもしろさを発信しています。ガイドブックには載っていない、ローカルなグルメや絶景スポットを訪れるたびに「また行きたい」とその町の良さを再発見します。そんな地域の魅力をお伝えしていきたいです。