静岡県三島市
瀬戸内の景色と味覚を楽しむ小豆島旅
2022.10.11
瀬戸内海に浮かぶ香川県の小豆島。そこには海と山に囲まれた穏やかな景色が広がります。さらに醤油、そうめん、オリーブなど、小豆島にはおいしいものが盛りだくさん。古いものと新しいものが混ざり合う、豊かな島の魅力をご紹介します。
おすすめモデルコース
1日目
- 12:00 自社農園産オリーブで作るもちもちオリーブ生そうめん
- 14:00 オリジナルのブレンドオリーブオイルを作ろう
- 16:30 400年続く醤の郷に佇む小さな宿
2日目
- 10:00 小豆島唯一の酒造の酒米や酒粕を使ったコッペパン専門店
- 11:30 潮の満ち引きで現れる神秘的なエンジェルロード
1日目
12:00 自社農園産オリーブで作るもちもちオリーブ生そうめん
島の田園景色を楽しみながらドライブし到着したのは、「なかぶ庵」。小豆島に旅に来たら味わってほしい特産品「そうめん」の人気店です(食事利用の際は、要事前予約)。
小豆島でそうめん作りがはじまったのは、400年以上前。冬の寒風が天日干しに最適だったことなどから、農家が農閑期の仕事としてそうめんを作るようになり、今では島の特産品として受け継がれています。
なかぶ庵でいただくのは「生そうめん」。そうめんのイメージを覆す、かなり弾力があるもっちりとした食感が特徴です。初めて食べた人は、これまでにない食感にびっくりするかもしれません。
生そうめんとは、そうめんの製造過程で天日干しをする際、完全に乾き切る前のタイミングで製品にしたもの。量産することができないため、非常に貴重なそうめんです。今回、いただいたオリーブ生そうめんは自社農園のオリーブを100%使用。果汁は麺に練り込み、エキストラバージンオリーブオイルを麺の表面に塗っています。なんと、このオリーブそうめんを作るために、2010年にオリーブ栽培まで始めたのだというから驚きです。
取材当日はオリーブそうめんの製造中でした。たなびくグリーンのそうめんがなんとも涼しげ。なかぶ庵では事前予約すれば、そうめんの箸分け体験も楽しめますよ。「箸分け」とは、そうめんを乾かす段階で、ひっつきあった麺を箸で離す工程のこと。そうめん作りで使われる珍しい機械を実際に見ながら、そうめん作りの工程の説明も聞けて、ディープなそうめんの世界に浸れます。
施設情報はこちら
施設名
なかぶ庵
住所
香川県小豆郡小豆島町安田甲1385
電話番号
0879-82-3669
営業時間
10:00~13:30頃まで(要事前予約)
休業日
水曜・木曜
※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。
14:00 オリジナルのブレンドオリーブオイルを作ろう
次に訪れたのが、オリーブと瀬戸内海の穏やかな風景が広がる「小豆島オリーブ園」。香川県にゆかりある彫刻家イサム・ノグチ設計の白と青のツートンカラーが空に映えるすべり台がシンボルです。
小豆島は日本で初めてオリーブ栽培に成功した土地。実は、その栽培がスタートしたのが、小豆島オリーブ園がある西村地区です。小豆島オリーブ園ではオリーブ園の散策や、オリーブ製品のショッピング、イサム・ノグチの遊具彫刻や照明器具、家具などをコレクションしたギャラリーを楽しむことができます。
今回はレストラン「オリーブパレス レストレア」内にある、体験スペース「ラボレア」でマイオリーブオイルブレンド体験をしました。世界各国のエキストラバージンオリーブオイルをテイスティングした後、好みの配合で調合してオリジナルブレンドのオリーブオイルをお土産にすることができます。
用意されたオイルは、イタリア産、ニュージーランド産、オーストラリア産など6種類。ピリリとした印象のもの、まろやかさの強いもの、産地や生産者によってそれぞれに風味が違い面白いです。さらに、ブレンドのバランスによって印象がさまざまに変わります。ブレンドしたオリーブオイルは好みのカラーのボトルを選び、ラベルも手描きで自分好みにアレンジできます。
まだ収穫高の少ない希少な小豆島産オリーブ。小豆島オリーブ園では毎年11月1日から、自社農園産のエキストラバージンオリーブオイルが販売されるので、こちらも注目です。
施設情報はこちら
施設名
小豆島オリーブ園
住所
香川県小豆郡小豆島町西村甲2171
電話番号
0879-82-4260
営業時間
8:30~17:00
休業日
無休
※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。
16:30 400年続く醤の郷に佇む小さな宿
次に、醤油蔵が集まる「醤の郷(ひしおのさと)」へ向かいました。醤油の香り漂う醤油蔵通りを抜けると、「島宿真里」にたどり着きます。島宿真里は、醤油産業が栄えたまちならではの「ひしおでもてなす」ことをコンセプトにした宿です。
館内には宿主の家で使われていた建具や、醤油蔵で使われていた古材、島の浜辺に流れ着いた流木などが所々に活用されています。
今回、宿泊したのは「お」の間。真里で、もっとも広い面積を持つメゾネットタイプの特別室です。一階は掘りごたつ付きの和室居間、2階は寝室。テラスからは、古民家が並ぶ景色越しに、遠くの海まで眺望できます。地下には坪庭に面した洋間が。柔らかな光が差し込み、和室とはまた違った趣に浸れます。
夕飯は築90年以上の古民家を改装した母屋へ。個室に加え、料理人の手仕事がのぞけるカウンター席があります。ここでは醤油会席という名の通り、醤油が主役の会席が楽しめます。島の新鮮な野菜や旬の瀬戸内の魚の刺身を、4種の醤油でいただきます。
2日目
翌朝は鳥のさえずりとともに目を覚まし、部屋のテラスから見える朝の風景を楽しみ、母屋に朝食へ。竹かごにたくさん盛られた色とりどりの小鉢のお膳が運ばれてきました。たっぷりと島の恵みをいただいて、健やかな朝を迎えました。
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施設名
島宿真里
住所
香川県小豆郡小豆島町苗羽甲2011
電話番号
0879-82-0086
営業時間
チェックイン 14:00、チェックアウト10:00
※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。
10:00 小豆島唯一の酒造の酒米や酒粕を使ったコッペパン専門店
宿をチェックアウトして、向かったのは「MORIKUNI BAKERY」。小豆島唯一の酒蔵、小豆島酒造の酒粕や酒米を使ったコッペパン専門店です。機械倉庫をリノベーションしたという店舗は、建築家ユニットであるドット・アーキテクツの設計。
扉を開けて店内へ入ると、ショーケースには約10種類ほどのコッペパンがずらり。
MORIKUNI BAKERYイチオシのフィリングは酒粕と自家製あんこを練りあげた酒粕あん。酒粕の芳醇な香りがほんのり立ち込める餡が楽しめます。私のお気に入りはプレーンのコッペパン。パンそのものの素朴な甘みや米粉の風味は飽きがこないおいしさです。
施設情報はこちら
施設名
MORIKUNI BAKERY
住所
香川県小豆郡小豆島町馬木甲1010-1
電話番号
0879-62-9737
営業時間
9:00~17:00
休業日
火曜、水曜、木曜
※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。
11:30 潮の満ち引きで現れる神秘的なエンジェルロード
島旅の締めくくりに訪れたのは、1日2回の引き潮の時だけ現れる砂浜の道「エンジェルロード」。干潮時になると弁天島、中余島(なかよしま)、小余島(こよしま)、大余島(おおよしま)が砂浜でつながります。このような現象を“トンボロ現象”と呼び、海外ではフランスにある世界遺産のモン・サン・ミッシェルが有名。そんなトンボロ現象を間近にできる小さな島が、小豆島にもあるのです。
海に現れる砂浜の小道がロマンティックで、カップルにも人気。波打ち際で遊んだり、ポーズをとって写真撮影を楽しんだり、友達や家族で訪れても盛り上がれる場所です。向かう際は、事前に潮見表で干潮時間をチェックしておきましょう。
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施設名
エンジェルロード
住所
香川県小豆郡土庄町甲24-92
電話番号
0879-62-2801(エンジェルロード売店)
営業時間
なし(売店は9:00~17:00)
休業日
なし
※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。
小豆島ならではの体験がギュギュッと詰まった2日間。小豆島のおいしい味覚や、島の風景をあらためて味わえた旅でした。掘り下げれば、掘り下げるほど面白くなっていく小豆島には、まだまだ紹介したい場所がたくさんあります。何度でも訪れて、四季折々の島の魅力に触れてみませんか。
地域ナビゲーター
四国支部 ライター
坊野 美絵
大阪生まれ。旅で訪れたことをきっかけに、2013年に香川県小豆島に移住。現在は文と写真で魅力を伝えることを大切にライターとして活動しています。香川県を中心に観光・医療・事業承継・農業などテーマはさまざまにインタビュー記事を執筆。私生活では暮らしに根ざした手仕事を、少しずつ実践していくことを楽しんでいます。