静岡県三島市
感動の瞬間に行ってみた!夜のあじさい電車篇
2022.09.27
『箱根の初夏の風物詩、車窓から愛でる幻想的な風景』
そのとき、その瞬間でなければ決して出会えない日本の絶景を紹介する「感動の瞬間」シリーズ。この記事では、日常や普段の旅行ではなかなか見ることのできない感動スポットに、ふるさとLOVERSナビゲーターが旅人となって訪問。その土地に旅がしたくなる周辺情報と一緒に、みなさまをご案内します。今回の感動の瞬間は、神奈川県箱根町の「夜のあじさい電車」がテーマです。
おすすめモデルコース
1日目
- 16:00 芦ノ湖を一望!山のホテルでリゾート気分を満喫
2日目
- 11:00 箱根ならではの土産品「寄木細工」で伝統美に触れる
- 12:30 芦ノ湖の中心地、古民家カフェでランチ
- 15:00 400年前の旅人気分が味わえる「甘酒茶屋」
- 18:00 夜間の「あじさい電車」で妖艶な姿を鑑賞
「感動の瞬間×夜のあじさい電車」
全国屈指の観光地、箱根町は古くから東西交通の要所として発展。江戸時代には東海道五十三次の第一の難所として、「天下の剣」と呼ばれていました。その「剣」を駆け登るのが、本格的な山岳鉄道「箱根登山鉄道」。そして、登山鉄道が一年で最も華やぐのが初夏です。今回は、登山鉄道の初夏の風物詩「あじさい電車」に乗って車窓からあじさいを愛でつつ、箱根の歴史や文化に触れる旅をご紹介します。
1日目
16:00 芦ノ湖を一望!山のホテルでリゾート気分を満喫
観光スポット盛りだくさんの箱根町ですが、旅の1日目はリゾートステイを堪能しようと「山のホテル」へ。高台に建つホテルからは芦ノ湖の絶景を眼下に眺めることができます。
ホテルが建つのは、三菱財閥4代目社長、岩﨑小彌太(いわさきこやた)男爵の別邸があった場所。その影響もあってか、ホテル自体もクラシカルで、格調の高さを感じます。
本格的なリゾートステイが楽しめる山のホテルは、広い敷地内に自家源泉を持っており、今回、宿泊した客室も自家源泉のお風呂付き。芦ノ湖を眼下に眺めながら、温泉にゆったり浸かり、誰にも邪魔されない“何もしない贅沢”を心ゆくまで味わいます。
「伝統と歴史を体感していただきながら、のんびりとご滞在いただきたいですね」と副支配人の小山哲史(こやまさとし)さん。「スパ・モンターニュ」での全身トリートメントではとろけるような極上の時間を味わい、本格フランス料理の夕食に舌鼓を打ち、テラス席での朝食では芦ノ湖の眺めに歓声を上げ…。チェックアウトを終えてホテルを出発する時、芦ノ湖の涼やかな風が見送ってくれました。
施設情報はこちら
施設名
山のホテル
住所
神奈川県箱根町足柄下郡元箱根80
電話番号
0460-83-6321
※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。
2日目
11:00 箱根ならではの土産品「寄木細工」で伝統美に触れる
2日目、お土産探しに立ち寄ったのは、「寄木細工(よせぎざいく)うちはら」です。樹木の持つ自然の色を生かし、それを集めて精緻な模様を作る寄木細工。日本屈指の樹種を誇る自然豊かな箱根だからこそ生まれた伝統工芸です。
一見すると、おしゃれなカフェ風のお店。大小さまざまな寄木細工は、土産というより芸術品と呼ぶにふさわしい品々ばかりです。同店では、小田原や箱根の若手職人の作品をそろえているとのこと。緻密で美しい模様からは、作り手の瑞々しい感性や職人としてのこだわり、情熱が伝わってきます。
「自分が使いたいと思うものを集めています」と、店長の内原丸仁(うちはらまるひと)さん。ストラップやアクセサリー、箸置きやコースターなど日常使いできる品が多く、トレイはタペストリー風に壁に飾っても素敵。大切な人へのお土産に、そして自分へのプレゼントにぜひ、立ち寄って欲しいお店です。
施設情報はこちら
施設名
箱根寄木細工うちはら
住所
神奈川県箱根町箱根165
電話番号
0460-83-6222
営業時間
11:00〜16:00(季節によって変動あり)
休業日
水曜(連休の場合あり)
※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。
12:30 芦ノ湖の中心地、古民家カフェでランチ
時間が経つのを忘れて寄木細工を眺めていたら、ちょうどお昼の時間。芦ノ湖の中心地、箱根神社第一鳥居のすぐ隣にある古民家カフェ「箱根百薬」でランチをいただくことにしました。
選んだのは、同店名物「麦とろ豆腐めし&きの子汁の定食」。ごはんの上にどんっと乗ったげんこつ大の豆腐は抜群の存在感!出汁の効いた豆腐とごはんが絡み、絶妙な味わいです。「きの子汁」は鶏肉とキノコの濃厚な出汁が味わえ、しかもボリューム満点。味、量ともに大満足のランチです。
食後のデザートには、箱根の湧水と和三盆を使った「龍神の玉」をチョイス。水まんじゅうのような食感、優しい甘さが特徴で黄金色に輝く「玉」はインパクト大。カフェタイムの提供もあるため、散策中、ひと休みをしたい時にもおすすめのお店です。
施設情報はこちら
施設名
箱根百薬
住所
神奈川県箱根町元箱根6-21
電話番号
0460-83-9172
営業時間
10:00〜16:00(土日・祝日は〜17:00)
休業日
無休
※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします
15:00 400年前の旅人気分が味わえる「甘酒茶屋」
おなかが満たされたあとは、旅人の気分を味わおうと江戸時代に造られた「箱根旧街道」へ。うっそうと繁る木々の中に、苔むした石畳が続いています。
この石畳から新設の遊歩道を約600m進むと、江戸初期創業の「箱根甘酒茶屋」が見えてきました。茅葺き屋根、土間、囲炉裏、年季の入った建具…タイムスリップしたかのような茶屋は、昔も今も変わらず、旅人を温かく迎えてくれます。
早速、当時から製法を変えていないという、麹と米だけで作った甘酒をいただきます。ほんのりとした甘さ、しっとりとした食感。まさに、「五臓六腑に染み渡る」感覚です。ほの暗い座敷でしばしの休息。400年前の旅人の気分を少しだけ味わうことができました。
施設情報はこちら
施設名
箱根甘酒茶屋
住所
神奈川県箱根町畑宿二子山395-28
電話番号
0460-83-6418
営業時間
7:00〜17:30
定休日
無休
※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。
18:00 夜間の「あじさい電車」で妖艶な姿を鑑賞
甘酒と店主のもてなしの滋味を堪能したあとは、今回の旅のクライマックス「夜間のあじさい電車」へ。箱根登山鉄道が運行するあじさい電車は今から50年ほど前、お客さんから「沿線にあじさいがあればいいのに」という声を受け、運転士や車掌の有志で植栽を始めたのがきっかけです。
現在は箱根湯本駅〜強羅駅に、6月中旬から7月中旬にかけて標高の低い場所から次々とあじさいが開花します。この時期走る登山電車は“あじさい電車”の愛称で親しまれており、多くの観光客でにぎわっています。
今回、乗車したのは、ライトアップされたあじさいが鑑賞できる「夜間のあじさい電車」。辺りが夕闇に包まれる午後6時台に箱根湯本駅から乗車します。駅を出ると、すぐにライトアップされたあじさいが迎えてくれます。しかも、電車とぶつかりそうな近距離。息つく暇もなく次々とあじさいが迫ってきて、目は車窓に釘付けです。
暗闇から突如、浮かび上がるあじさいは、太陽の下で見せる朗らかな表情とは打って変わって幻想的です。とくに大平台駅付近のあじさいは見事。下車して少し歩けばライトアップされたあじさいの集まりを間近に見ることができます。光に照らされたあじさいは、妖艶な美しさです。箱根湯本から強羅駅まで40分。“あじさい尽くし”の電車の旅は、あっという間に過ぎていきました。
施設情報はこちら
施設名
箱根登山鉄道
電話番号
0465-32-6823
箱根の旅では心震える出会いがありました。見渡す限りのツツジ群落、芦ノ湖の清涼な風、素朴な甘酒の味わい。そして、次から次へと迫ってくるあじさいの幻想的な風景…光に照らされたあじさいは、美しく、艶やか。まるで見知らぬ花を眺めているような気分でした。また、日中のあじさいと夜のあじさいを車窓から見比べるのも一興。時間や天候によって表情を変えるあじさいは、箱根の初夏の旅をより思い出深いものにしてくれるでしょう。
地域ナビゲーター
関東支部 ふるさとLOVERSナビゲーター
斎藤 里香
群馬県在住。北関東と埼玉を中心に取材・執筆活動をしています。いろいろな「コト」や「モノ」に携わっている人々の“代弁者”として、頑張っている姿や魅力、人々の思いなどを少しでも多くの人たちに伝えられたら嬉しいです。