京都府京都市

感動の瞬間に行ってみた!貴船神社 篇

2022.10.26

『短冊が幻想的にたなびく貴船神社の七夕飾り』

そのとき、その瞬間でなければ決して出会えない日本の絶景を紹介する「感動の瞬間」シリーズ。この記事では、日常や普段の旅行ではなかなか見ることのできない感動スポットに、ふるさとLOVERSナビゲーターが旅人となって訪問。その土地に旅がしたくなる周辺情報と一緒に、みなさまをご案内します。今回の感動の瞬間は、京都府京都市にある貴船神社の七夕飾りライトアップがテーマです。

おすすめモデルコース

「感動の瞬間×貴船神社の七夕飾りライトアップ」

感動の瞬間公式サイトより
感動の瞬間公式サイトより

京都の夏に涼を与えてくれるライトアップイベント。なかでも貴船神社の七夕飾りライトアップは、すぐそばを流れる貴船川のせせらぎと山間の風情も相まって、幻想的かつとても涼しげ。そんな貴船神社の景色にふるさとLOVERSナビゲーターの文と編集の杜スタッフが出会ってきました。貴船神社のほか、京都の夏の暑さを忘れさせてくれるスポットとともにご紹介します!

  16:30 鷹峯のふもとでアートに触れるラグジュアリーホテルへ

写真提供/ROKU KYOTO
写真提供/ROKU KYOTO

京都駅からタクシーで30分ほど。金閣寺の少し北、鷹峯三山(たかがみねさんざん)の麓に建つ「ROKU KYOTO, LXR Hotels & Resorts」(以下ROKU KYOTO)が今日の滞在先。2021年9月、ヒルトンのラグジュアリーブランド「LXRホテルズ&リゾーツ」系列として、アジア太平洋地域では初進出となったホテルです。

ROKU KYOTOでまず圧倒されるのは、「鷹峯三山」(鷹ヶ峰・鷲ヶ峰・天ヶ峰)を望むロケーション。客室の窓一面に広がる鷹ヶ峰はまるで絵のようでした。そして、江戸時代にこの鷹峯エリアにつくられた本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)の芸術村(光悦村とも)の歴史が感じられるのも特徴です。館内の客室や廊下、レストラン、スパには、漆、竹細工、唐紙などをテーマにしたアート作品がさりげなく飾られていて、滞在するだけでさまざまなアートを目にすることができました。

写真提供/ROKU KYOTO
写真提供/ROKU KYOTO

ディナーまでの時間は、天然温泉の屋外サーマルプールを楽しみます。泉質は弱アルカリ性。温泉の温度は季節によって調節されているので一年中楽しむことができます。一面鮮やかなブルーなのは、陶製のタイルによるもの。目の前には鷹峯の豊かな自然。ここでしか体験できない、まさに唯一無二のリゾートです。

写真提供/ROKU KYOTO
写真提供/ROKU KYOTO

ディナーはレストラン「TENJIN」で。和の伝統とフレンチを融合した料理はアートと言えるほどの美しさです。なかでも13席限定のカウンター席「シェフズテーブル」で味わえる「『琳派(りんぱ)リフレクション』~ここでしか巡り合えない革新的な食体験~」をテーマにした特別コースは目でも、舌でも感動がとまらないおいしさ。目の前でシェフが料理の仕上げをするところなどが見られる臨場感も、味を際立たせてくれます。

施設情報はこちら

施設名

ROKU KYOTO, LXR Hotels & Resorts

住所

京都府京都市北区衣笠鏡石町44-1

電話番号

075-320-0111(代表)

※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。

 

  11:00 飾って美しく、涼をもたらしてくれる京うちわ

京都の職人技と繊細な芸術性を感じる品をお土産にと、京都の中心部へ向かいました。目的地は「京うちわ阿以波(あいば)」。創業は1689(元禄2)年で、300年を超える老舗です。

「京うちわ」は、細い竹を放射状に並べたうちわ面に、柄(え)の部分を取り付ける「差し柄」という形。その技術もさることながら、うちわ面にあしらわれた美しい絵柄も魅力です。あおぐだけではなく、飾っても楽しめる芸術性を持ちあわせています。

扉を開けると、昔ながらの京町家のたたずまいのなか、朝顔や金魚、祇園祭の鉾(ほこ)など、夏らしいモチーフの京うちわが並んでいて、その美しさに目を奪われました。

切り絵のような装飾は、“彫り”と呼ばれるもの。ご当主の10代目の饗庭長兵衛(あいばちょうべい)さんがデザインし、和紙を切り込んでいます。そのデザインは、うちわの全面に図柄がある大胆なものや、風情ある京の景色を取り込んだものなどさまざまです。

阿以波の京うちわの特徴は、竹の骨が見える“透かし”。両面から竹を見せる「両透かし」と、うちわの片面には和紙をはって、片面からだけ見せる「片透かし」があります。美しい竹の骨を見られるようにと、先代が考案。今では阿以波の京うちわの代表商品です。両透かしは飾って、片透かしならあおいで使うこともできます。軽くてしなやかで、心地よいやわらかな風が涼を届けてくれます。

施設情報はこちら

施設名

京うちわ阿以波

住所

京都市中京区柳馬場通六角下ル

電話番号

075-221-1460

営業時間

10:00~18:00

休業日

日曜日・祝日(4月~7月は18:00まで無休営業)

※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。

 

  12:30 職人こだわりのクラフトビールとフードのペアリングを堪能

写真提供/SPRING VALLEY BREWERY KYOTO
写真提供/SPRING VALLEY BREWERY KYOTO

お買い物を楽しんだら少し南下して錦市場方面へ。スプリングバレーブランドの直営店「SPRING VALLEY BREWERY KYOTO(スプリングバレーブルワリー京都)」で、クラフトビールとフードのペアリングを堪能しましょう。

写真提供/SPRING VALLEY BREWERY KYOTO
写真提供/SPRING VALLEY BREWERY KYOTO

京町家を改装した店内には、醸造中のビールタンクが見えて、ここでビールがつくられているんだ!と実感。こちらでは京都与謝野産の生ホップを使用した限定品などを醸造しています。
SPRING VALLEY BREWERY KYOTOのテーマは、“和クラフト”。日本の食材を使ったフードメニューは、カテゴリーや国籍にとらわれず大胆にアレンジした同店オリジナルの料理で、ビールとのペアリングが楽しめます。同店ブランドアンバサダーの金岡祐介さんにおすすめペアリングを教えてもらいました。

写真提供/SPRING VALLEY BREWERY KYOTO
写真提供/SPRING VALLEY BREWERY KYOTO

それが、限定ビールの「Kyoto 2021」と「鯖きずしのポテトサラダ 梅肉風味」の組み合わせ。「Kyoto 2021」は塩麴や山椒をアクセントに、スダチとカボスといった和柑橘を使ったビールで、すっきりとした味わいが特徴です。「酢でしめた鯖のきずしに加え、ミョウガ、梅肉も合わせてさっぱりといただけるポテトサラダとKyoto 2021は相性がよく、爽やかさが口の中に広がりますよ」と金岡さん。
定番メニューのほか、お得なランチセットもあり。料理とクラフトビールのペアリング、いろいろ試してみるのも楽しそうです。

施設情報はこちら

施設名

SPRING VALLEY BREWERY KYOTO

住所

京都市中京区富小路通錦小路上る高宮町587-2

電話番号

075-231-4960

営業時間

11:30〜22:00(L.O.21:00)

休業日

なし

NEWS

https://springvalleybrewery.jp/news/news_detail.html?id=vbpubbusinesshours

 

※ 新型コロナウィルス感染拡大等により、営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。最新情報は上記「NEWS」にて随時更新されているので、ご確認ください。

※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。

 

  15:00 香木の専門店で、心安らぐ伝統文化「聞香」を体験

おなかを満たした後は、日本の伝統文化である香道に触れるべく、聞香(もんこう)体験へ。「山田松香木店(やまだまつこうぼくてん)」は1772(明和9)年から続く老舗で、今年で創業250年を迎えます。もともとは薬の原料となる薬種業を営んでいましたが、次第に薬種のなかでも香木が専門に。現在では香木をはじめとしたお線香や匂袋など、香りに関するさまざまな商品を取り扱っています。

写真提供/山田松香木店 京都本店
写真提供/山田松香木店 京都本店

聞香体験は、まず香木選びから。伽羅(きゃら)、羅国(らこく)、真南蛮(まなばん)、真那賀(まなか)、寸門陀羅(すもんだら)、佐曽羅(さそら)の全6種類が用意されていて、このなかから2つの香りを楽しむことができます。最上品の伽羅は参加者全員が体験でき、残りの1つは体験者が好みでセレクト。私は羅国を選びました。香炉の灰を整え、香木をセットします。上品さをたたえた伽羅と甘さのなかにスパイシーさもある羅国。こんなに香りに違いがあるなんて!

「香りといってもいろいろなアイテムがありますが、混じり気のない自然そのものの香りを味わえるのが香木の良さ。また同じ種類でも、採取した部位によって香りは異なるので、その違いを比べるのも面白いですよ」と営業部の三浦範子(みうらのりこ)さんは話してくれました。

施設情報はこちら

施設名

山田松香木店 京都本店

電話番号

075-441-1123

住所

〒602-8014 京都府京都市上京区勘解由小路町164

営業時間

10:30~17:00 ※体験各種は要事前予約

休業日

お盆・年末年始

 ※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。

 

  18:30 夜風に揺れる短冊が浮かび上がる幻想的なライトアップ

そして夕暮れの時間帯を目指して京都の奥座敷・貴船にたたずむ貴船神社へ。京都市中心部からは、電車とバスを乗り継いで30~40分ほどで到着しました。いつ創建されたのか、記録が残っていないため不詳とされていますが、天武天皇白鳳6年に社殿が造営されたと伝わっていて、すでに1300年以上の歴史を持つ神社です。

水の神様をまつっていることでも知られ、古くから雨乞い、雨止みの祈願がされてきました。今も貴船川の川音だけが響く静かな山間の風情が、厳かな雰囲気を一層引き立てています。

青モミジが美しい夏。山肌に沿うように立つ赤色の灯ろうに導かれて社殿への階段をあがると境内には笹飾りが設置されています。これは、7月上旬から8月中旬にかけて行われている七夕飾り。境内に設置された竹に、願い事が書かれたたくさんの短冊が吊るされ、サラサラと風に揺れています。

ライトアップされるのは、日没から20時頃まで。闇の中に浮かび上がる、緑の笹の葉と色とりどりの短冊が、幻想的な景色をつくり出しています。訪れる人たちもどこか神秘的な空気に浸りながら、しばし夏の暑さを忘れているよう。その場で願い事を短冊に書いて吊るすこともできます。日ごろの想いをしたためて叶いますように……と心静かに祈りたくなりますね。

施設情報はこちら

施設名

貴布禰総本宮 貴船神社

電話番号

075-741-2016

住所

京都市左京区鞍馬貴船町180

 ※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。

 

夕涼みをかねて貴船神社で七夕飾りのライトアップを訪れた夏の旅。風に揺れるカラフルな短冊を眺めていると、山間のひんやりした空気と川のせせらぎが涼を運んできて、暑さを忘れさせてくれました。日中は伝統的な古き良き日本の文化に触れ、京都の”今”を感じる旅。京都の魅力がぎゅっと詰まった二日間でした。

地域ナビゲーター

文と編集の杜

近畿支部 企画・編集・ライティング
文と編集の杜

京都、二条城の近くに事務所を構える「文と編集の杜」。福岡県出身で、高知県、静岡県と全国を点々としてきた瓜生朋美が設立した編集・ライティング事務所です。関西を中心に、歴史、グルメ、インタビューと、幅広く取材・記事執筆を手掛け、地域のさまざまな魅力を発信中。