愛知県名古屋市『THE TOWER HOTEL NAGOYA』
世界に通じる北海道料理と胸に響く絶景
2021.05.20
北海道上川町 × フラテッロ・ディ・ミクニ
日本には旅の目的地になるホテルや、ふるさとに帰ったような気持ちになる旅館があります。この記事では、人々の記憶に残る「とっておきの宿」をふるさとLOVERSナビゲーターが訪問し、その魅力をたっぷりとご紹介します。今回のとっておきは、「世界に通じる、北海道料理」。訪れたのは、フレンチの巨匠、三國 清三(みくに きよみ)氏がプロデュースした北海道上川町にあるオーベルジュ「フラテッロ・ディ・ミクニ」です。
北海道のほぼ中央に位置する、上川町。国内の旅がお好きな方なら、大雪山系黒岳のふもとに広がる温泉街「層雲峡(そううんきょう)温泉」がある地域としてご存知の方も少なくないのではないでしょうか。年間平均気温5℃と寒冷地ならではの大自然が広がる町には、魅力を感じられるスポットが数多く存在します。
なかでも「忙しない日々がひと段落し、大切な方との時間をゆっくりと過ごしたい」と感じている方にぜひ訪れてほしい場所。それが、大雪高原(だいせつこうげん)・旭ヶ丘エリアに佇む「フラテッロ・ディ・ミクニ」です。
日本を代表するフレンチの巨匠、三國 清三(みくに きよみ)氏がプロデュースした施設で、2013年のオープン時から支配人を務める安住 正弘(あずみ まさひろ)さんに、この地域の景観や施設の魅力についてお話を聞きました。
地元の一級品が生み出す、上質な空間
フラテッロ・ディ・ミクニはオーベルジュ(宿泊施設を備えたレストラン)となっており、食事は丘の上のレストラン、宿泊はふもとの4棟のヴィラで。季節によって表情を変える大雪高原の自然に抱かれながら、くつろぎの時間を過ごすことができます。
ゆったりと落ち着ける空間づくりにこだわった施設内は、世界的にも名高い「旭川家具」の製品でコーディネート。「ここでしか味わえない空間を、できる限り地元北海道の上質なもので演出したい」という想いが、いたる所に散りばめられています。
「世界に通じる、北海道料理」でおもてなし
そんな施設の最大の魅力は、なんといっても「世界に通じる、北海道料理」。その調理技術や味付けの完成度の高さは、2017年のミシュランガイドで1つ星を受賞するなど、世界共通の基準で評価を受けています。
レストランでは、食材がもつ本来のよさを引き立たせる目にも鮮やかな絶品の数々を、コース料理として楽しめるのが魅力。ランチとディナーそれぞれ2種類のコースを提供しており、食材一つひとつを生かした繊細な盛り付け、彩り、「大雪四季のコース」「母なる大地コース」など北海道の大自然を連想させるコース名が、私たちの想像力と食欲をかき立てます。
「世界に通じる」といわれる由縁には、オーベルジュオープンの背景も関係しています。10数年前、町の活性化のために始まった「旭ヶ丘プロジェクト」。この地特有の景観と農業を生かした事業を立ち上げるべく、まちからの熱い依頼により、三國氏が中心となってレストランをプロデュースすることになったのです。
その後、ふるさとである北海道を愛してやまない三國シェフと「北海道イタリアン」の第一人者、堀川秀樹(ほりかわ ひでき)氏が協力し、フレンチとイタリアンを融合させた「ここでしか味わえない料理」を追い求めました。その想いや技術を受け取った宮本 慶知(みやもと よしとも)氏がご家族とともに上川町へ移住し、オープンシェフとして陣頭指揮をとっています。
料理に使用する食材は、地元の野菜や魚はもちろん、北海道産のものがほとんど。「春は山菜やアスパラ、夏はトマト・なす・じゃがいも・上川町名産の大根など、その時に旬を迎える野菜のさまざまな組み合わせを楽しむことができます。なかでも一番人気があるのは『とうもろこし』ですね」と、安住さん。
とうもろこしは7月下旬から9月上旬までの1ヶ月半という短い期間にのみ味わえる貴重な旬の食材。朝採りしたものをすぐに茹で、茹で汁と実のみで作られたシンプルかつ贅沢な冷製スープは絶品。この一皿を目的に訪れる方もいるそうで、「ここでしか感じることのできない食の体験」への関心の高さがうかがえます。
宿泊者限定の朝食は季節によって異なりますが、季節の野菜を使った料理、スープ、ヨーグルト、コーヒーなどメニューも充実。ランチ・ディナー同様、旬の食材を生かした料理がお腹も心も満たしてくれます。
普段はなかなか味わうことのできない、その土地だからこその食材や組み合わせ。新鮮さや美しさに心動かされながら、その時期に採れるものを一番おいしく感じられる形でいただく。これほどまでに贅沢なことはありません。
絶景パノラマのなかで過ごす、優雅なひととき
こだわりのお食事をより一層引き立ててくれるのは、レストラン内から一望できる大雪高原のパノラマ。天候に恵まれた日にはくっきりとした山肌も見られ、その存在の大きさと美しさが見る者を圧倒します。春には山の残雪と高原の緑、秋に見られる初冠雪と紅葉、緑の美しいコントラストも魅力。訪れる度にその表情の変化を楽しむことができそうです。
「私たちの施設は、日常とは違った特別な時間を過ごしたい方々の利用が多いです。地元の素材を使った料理や空間で、大切な方との時間をゆっくりと過ごしてもらえたらうれしいですね」と、安住さんは語ってくれました。
人々の心を打つダイナミックな自然のなかに流れる空気感、この地でしか感じることのできない食の体験、生産者たちがかける想い。一つひとつをじっくり味わいながら、大切な方との有意義な時間をぜひ「フラテッロ・ディ・ミクニ」で過ごしてみてはいかがでしょうか。
施設情報はこちら
施設名
フラテッロ・ディ・ミクニ
住所
北海道上川郡上川町字菊水旭ヶ丘
電話番号
01658-2-3921
休業日
火曜定休日(要予約)
※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。
地域ナビゲーター
北海道支部 北海道ライター
山本 栞
北海道旭川市在住。ごはんと自然をこよなく愛し、「自分で自分を満たす」をテーマに心地よいと思える暮らし方や生き方を模索&実践中。ライティングで大切にしていることは、「正直さと率直さを失わず、読み手に伝わるように事業者さまの魅力を表現すること」です。