奥能登の風土を感じる海辺の温泉宿

豊かな自然や伝統文化が息づく「能登の里山里海」

日本海にぐるりと囲まれた能登半島。海と山が織りなす風景や、受け継がれてきた伝統文化が高く評価され、2011年に「能登の里山里海（さとやまさとうみ）」が日本で初めて世界農業遺産に認定されました。能登の自然や文化の豊かさをとりわけ色濃く感じられるのが、能登半島の先端部に位置する輪島市です。

輪島市街から海沿いに3㎞ほど、小高い山を背に建つ「海游 能登の庄（かいゆう のとのしょう）」は、目の前に日本海のダイナミックな眺望が広がる絶景の宿。里山里海の恵みとともにある能登の風土を、料理やしつらい、もてなしで存分に堪能させてくれます。

「漆と和紙と畳の調和」がコンセプトの和モダン空間

スタッフの笑顔に迎えられて玄関をくぐると、そこはイグサの香りが漂う畳敷きのロビー。靴を脱いでほっとひと息つけば、懐かしい安心感に包まれます。つややかな輪島塗の衝立（ついたて）や、地元作家の和紙をあしらった照明は輪島情緒たっぷり。

案内された客室の窓の外には、どこまでも青く広い日本海が広がっています。全20室のうち19室がオーシャンビューで、源泉を引いた露天風呂付きの客室も。和紙のインテリアや輪島塗の座卓が、優美な趣を漂わせます。

日本海を眺めながら美肌の湯に浸かる

この宿の魅力は、裏山から湧き出る良質な自家源泉「ねぶた温泉」。PH10.5という強アルカリ性の単純泉で、海沿いではとても珍しい泉質です。「ねぶた」を漢字で書くと「寝豚」。ちょっとユニークな名前ですよね。その昔、傷を負った猪が水たまりの中に寝そべる様子を見た村人たちが、傷を癒す湯として利用したのが始まりだとか。

専務取締役の大向洋介（おおむかいようすけ）さんが、輪島ならではのエピソードを教えてくれました。「ここは輪島塗の産地。多くの職人さんが漆による肌荒れを癒すため、ねぶた温泉に通ったと聞いています」。湯はぬるぬるとした肌触りで、湯上りは肌がしっとり。「皆さん、化粧水に浸かったみたいだとおっしゃいます」という言葉にも納得です。

館内には大浴場と露天風呂のほかに日本海を望む展望風呂があり、絶景とともに堪能する美肌の湯が心と体を解きほぐしてくれます。のびやかな水平線に浮かぶのは、沖合約25㎞にある「七ツ島」。いつまでものんびりと眺めていたい、とっておきの海景です。

輪島塗の器に里山里海の恵みを盛り込んで

温泉でゆっくりと疲れを癒したら、お待ちかねの夕食！里山里海の幸に恵まれた輪島では、四季を通じて多彩な食材が食膳を賑わせます。新鮮魚介のみならず、春は山菜、秋は棚田でとれた新米、そして能登牛や輪島ふぐといったブランド食材まで、いつ訪れても美味の宝庫。

夕食は彩り豊かな創作懐石と、旬の魚介を炭火焼きでいただく囲炉裏懐石からお好みで選ぶことができます（予約時にプラン選択）。柚子を使った郷土料理「柚餅子（ゆべし）」をアレンジした創作料理や、ナマコを練り込んだうどんなど、洗練された中にも素朴な能登の風土を感じさせるのが“能登の庄流”の料理。器には輪島塗が使われ、さらに旅情をかきたてます。

朝食には米粉と天草で作る郷土料理「すいぜん」や自家製豆腐など、目覚めの体に優しい品々が並びます。朝食の後は、海が見えるラウンジでモーニングコーヒーを。モダンな輪島塗カップがとっても素敵！

能登の風土を、そのすべてで感じられる宿でありたい

人情のまちといわれる輪島。時に厳しさをみせる自然を受け入れ、恵みに感謝しながら暮らしてきた人々の“寄り添う優しさ”が旅人の心に響きます。

海游能登の庄には接客マニュアルがありません。「お客さまの気持ちに寄り添いたい。そうした心づくしのもてなしは、輪島に暮らす私たちにとってごく自然なことなんです」と大向さん。心と心の触れ合いを求め、まるでふるさとに帰ってきたかのように何度も訪れるリピーターも少なくないそうです。

「豊かな自然や食材、美しい輪島塗、素朴な人情。輪島の魅力を存分に味わっていただける宿でありたいと思っています」。料理やしつらいだけでなく、スタッフとの何気ない会話にもにじむ輪島らしさ。ゆったりと流れる時間に身を任せていると、優しさと温もりが心にじんわりとしみこんでくるのを感じます。

人や自然を慈しむ輪島の風土。チェックアウトする頃には誰かに優しさを分けてあげたくなる、そんな気持ちにさせてくれるねぶた温泉の一軒宿です。

ふるさと納税で

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