愛知県名古屋市『THE TOWER HOTEL NAGOYA』
大渓谷のホテルで温泉と大雪山の自然を満喫
2022.05.23
北海道上川町 × ホテル大雪 ONSEN&CANYON RESORT
日本には旅の目的地になるホテルや、ふるさとに帰ったような気持ちになれる旅館があります。この記事では、人々の記憶に残る「とっておきの宿」をふるさとLOVERSナビゲーターが訪問し、その魅力をたっぷりとご紹介します。今回訪れたのは、北海道の屋根と呼ばれる大雪山の麓で、温泉と渓谷の休日が楽しめる「ホテル大雪 ONSEN&CANYON RESORT」です。
大雪山の麓に広がる大渓谷
北海道上川町にある層雲峡は、大雪山(たいせつざん)の麓を流れる石狩川に沿って広がる日本屈指の大渓谷。断崖から並んで流れ落ちる銀河・流星の滝や、柱状節理の巨大な岩壁が屏風のように並ぶ大函(おおばこ)などの名所が圧巻の渓谷美を誇ります。
層雲峡周辺は日本で最も早く紅葉が始まる場所。8月下旬、大雪山の山頂付近で始まった紅葉は、徐々に麓へと降りてきて、10月に入ると層雲峡周辺の木々が色鮮やかに染まり始めます。紅葉の時期、層雲峡温泉と大雪山の黒岳五合目を結ぶ「黒岳ロープウェイ」に乗れば、眼下に広がる色鮮やかな紅葉のタペストリーが見られます。
新たな歩みを始めた、ホテル大雪
黒岳の麓にある層雲峡温泉は、北海道でも有数の規模を誇る温泉郷として、大雪山周辺の観光や登山やスキー、ラフティングなどのアウトドアアクティビティの拠点にもなっています。
2021年、層雲峡温泉は命名されてから100周年を迎えました。そんな記念すべき年に、層雲峡温泉の老舗ホテルというブランドイメージを一新する「ONSEN & CANYON RESORT」というキャッチコピーを掲げ、館内をリニューアル。新たな歩みを始めたのが「ホテル大雪(たいせつ)」です。
旅心をくすぐる、本棚のあるロビー
ホテルに入ると、すぐに目につくのがフロントの横にある落ち着いたムードのロビー。ゆったりと配置された座り心地の良い椅子やソファー、その奥には「旅のはじまりの本棚」が設置されています。本棚には写真集から洋書まで、選りすぐりに本が置かれ、手に取って読むことができます。部屋に行く前からくつろいだ気分にさせるロビーで「ホテル大雪」の特別な一夜が始まりました。
キャニオンビューと雪ほたるのお部屋
ホテル大雪にはさまざまなタイプのお部屋がありますが、特におすすめなのは「キャニオンビュー」です。広縁にある椅子にゆったりと座って、渓谷が望めるキャニオンビューのお部屋があるのは、層雲峡温泉の中でも高台に建つホテル大雪ならでは。新緑や紅葉、雪景色の山並みも窓から見える、10帖の和室とベッドが置かれた洋間がセットになった広々とした和洋室は、家族で泊っても贅沢な時間が過ごせます。
見晴らしの良い上層階にある和モダンなツインルーム「雪ほたる」は、ご夫婦やカップルでのご宿泊に最適。このお部屋にはCDプレーヤーとヒーリングCD、コーヒーメーカーもあって、癒しの空間の中でのコーヒータイムが楽しめます。
3つの大浴場と2つの露天風呂で、湯めぐりを
北海道では随一の3つの大浴場と2つの露天風呂のあるホテル大雪では、そのキャッチコピー通りに温泉と層雲峡の大自然が心ゆくまで楽しめます。
1階にある「欧風大浴場 チニタの湯」は、源泉に最も近い場所にあり、お湯の温度が高めなのが特徴。レンガとステンドグラスで装飾された浴室で、じっくりと温まり汗を流す温泉の醍醐味が味わえます。
3階にある「峡谷露天風呂 天華の湯」は、層雲峡の大自然との一体感を味わえる露天風呂です。
層雲峡温泉の中でも、最も高台に建つ「ホテル大雪」の最上階にあるのが「展望大浴場 大雪の湯」。温泉に入りながら眺める大雪の山々と渓谷のパノラマビューは、まさに絶景です。
3つも大浴場あると「どの温泉にしようか?」と迷ってしまいそうですが「明るいうちは最上階の『大雪の湯』で、層雲峡の絶景と温泉をお楽しみください。そして、お休みの前はお湯の温度が高い『チニタの湯』で体の芯から温まれば、心地よい眠りにつけるでしょう。朝風呂は『天華の湯』がおすすめです。渓谷には朝霧がかかることもあって、幻想的な露天風呂が楽しめますよ」と宿泊部長の田上孝彦(たのうえたかひこ)さんが楽しみ方を教えてくれました。
夕食はアイヌの食文化も体験できるビュッフェダイニング
のんびり温泉と層雲峡の風景を満喫した後は「HINNAの森」へ。リニューアルされたばかりのビュッフェダイニングは、テーブルの間隔が広く、余裕のある食の空間が保たれています。
「HINNAの森」には、大雪山の清らかな水と空気が育んだ上川町近郊の食材を使用した料理や、シェフが目の前で調理してくれるので出来立ての料理が味わえるライブキッチンのほかに、ポップコーンやワッフルなどのキッズメニューも豊富。料理のラインナップは約100品もあって、各種ドリンクメニューも充実しています。
数々の料理の中でも、記憶に残ったのはアイヌの食文化を伝承した「イモシト」と「オハウ」でした。イモシトは鮭のルイベ漬けがトッピングされた芋のお餅。甘辛い醤油漬けの鮭が芋餅の素朴な味をひきたてます。オハウは北海道を代表する郷土料理の石狩鍋のルーツともいわれ、鮭や野菜のうまみがでたスープに塩だけで味付けをした汁物。とてもシンプルな料理ですが、それぞれの素材のうまみが素直に感じられ、体の芯から温まる具だくさんの一品です。北海道ならではのアイヌの人々の食にもふれることのできた夕食には、お腹も心も大満足しました。
余裕のある空間で、くつろぎの一夜を
「リニューアルの際に『休憩室 やすらぎ文庫』もオープンしました。ハンモックやテントのある休憩室には、お子さま向けの絵本や図鑑も置いてありますから、読み聞かせなどをして、ご家族でゆっくりお過ごしください。当ホテルはチェックアウトの時間が午前11時ですから、20時間に渡ってホテルに滞在していただけます。ゆったりとした時間の中で、温泉と層雲峡の大自然をお楽しみください」と田上さん。
温泉やお部屋、ロビー、ビュッフェダイニングなど、館内の至るところに余裕のある贅沢な空間が設けられた「ホテル大雪」には、お客さまが心からくつろぐためのさりげない心配りがありました。一泊で帰ってしまうには惜しいと感じる「ホテル大雪」に滞在して、近郊にある旭山動物園や美瑛・富良野をのんびりと巡る旅に出るのもおすすめです。
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施設名
ホテル大雪 ONSEN & CANYON RESORT
住所
北海道上川郡上川町字層雲峡
電話番号
01658-5-3211
地域ナビゲーター
北海道支部 フリーライター・編集者
桑原 雅彦
フリーライター、エディター。大学生の時にバイクツーリングで訪れた北の大地に魅せられ、1994年、生まれ育った大阪市から北海道網走市に移住。道内各市町村の観光パンフレットや町勢要覧など、印刷物の制作を主に担当。生産者の方々の熱い想いや、商品の背景にあるストーリーの数々をお伝えしていきたいです。