北海道小樽市『運河の宿 小樽ふる川』

古き良き時代を感じる、小樽運河を望む宿

2022.09.09

北海道小樽市 × 運河の宿 小樽ふる川

日本には旅の目的地になるホテルや、ふるさとに帰ったような気持ちになれる旅館があります。この記事では、人々の記憶に残る「とっておきの宿」をふるさとLOVERSナビゲーターが訪問し、その魅力をたっぷりとご紹介します。今回訪れたのは、明治からの歴史が息づく北海道小樽市で、タイムスリップしたような感覚とおもてなしが評判の「運河の宿 小樽ふる川」です。

港町として栄えた北海道小樽市

札幌市から車で約40分ほどで着く小樽市は、北海道の中でも歴史がある街。本州に向けてさまざまな物資や人を運ぶ重要な港街として栄えました。港湾から内陸に荷物を運搬するために作られた運河は、当時の繁栄を今に伝える文化遺産の一つ。石造りの蔵が連なる異国情緒あふれる光景を求めて、毎年たくさんの観光客が訪れています。本日はそんな小樽にある「運河の宿 小樽ふる川」に宿泊します。

古き良き時代の小樽にタイムスリップ

「運河の宿 小樽ふる川」は、古き良き時代の小樽がコンセプトです。客室に嗜好を凝らし、アンティークな調度品がクラシックな空間を演出。小樽近郊の食材を使った料理や天然温泉、スタッフのホスピタリティで旅人をもてなしてくれます。

観光客の喧騒をすり抜けてホテルに入ると、たちまち過去にタイムスリップ。アンティークな調度品が、今の元号が令和であることを忘れさせます。明治時代の商家を再現した帳場(フロント)には、レトロな古民具が盛りだくさん。土産物店を兼ねるエントランスでは「小樽の名産手作りの硝子」や陶器を販売。チェックインやチェックアウトを待つ人が時間を持て余さぬ工夫が取り入れられています。

客室から絵画のような光景を望む

写真提供/運河の宿 小樽ふる川
写真提供/運河の宿 小樽ふる川

本日宿泊するのは、「特別室A」。部屋に入ると大きな窓から小樽運河や日本海が飛び込んできました。その光景はまるで一枚の絵画のようです。部屋には檜の展望温泉もあり、小樽運河が一望。今日一日をこの部屋で過ごせる喜びにワクワクします。

窓辺には双眼鏡が備えられています。こうしたさりげない気遣いも、ふる川らしいおもてなしですね。遠くに焦点を合わせると、海の向こうの暑寒別(しょかんべつ)連峰まで見渡すことができました。

いつまでも浸かっていたい個性的な浴室

写真提供/運河の宿 小樽ふる川
写真提供/運河の宿 小樽ふる川

小樽ふる川の自慢の一つが天然温泉。大浴場は1階の「壱の湯」、2階の「弐の湯」。男女入れ替え制で、朝夕で別々の湯を楽しむことができます。小樽軟石を使用した「壱の湯」の内風呂は、まるで蔵の中にいるような雰囲気。ガラス窓の向こうに小さな庭が設けられており、鳥たちのさえずりが聴こえてきます。なめらかなお湯が心地よく、いつまでも浸かっていたい気分になりました。

このほか、貸切温泉もあり。家族や気の合う者同士だけで気兼ねなく温泉を楽しめます(予約制、1回 50分/2300円)。

新鮮な小樽の味覚を味わう

写真提供/運河の宿 小樽ふる川
写真提供/運河の宿 小樽ふる川

温泉で旅の疲れを癒したら、おまちかねのディナータイム!夕食の会席コースは、花(少量ミニ会席)、月(季節の美味会席)、雪(厳選美味会席)の3コースを用意。小樽産の帆立や北海道産のアスパラガスなど、小樽近郊を中心に、北海道の食材を使用した料理を味わうことができます。内容は季節や日々の仕入れによって変わるので、連泊やリピートしても飽きることはありません。

そのほかアラカルトの四季折々の「旬の一品料理」も好評で、1月~2月はシシャモ、4~6月は春シャコ、6~7月は北海シマエビ、6~8月はウニ、11月~12月は幻の鮭児(若鮭)などが、それぞれの旬に登場。四季折々の食材を通して小樽に来た喜びを感じさせてくれます。

写真提供/運河の宿 小樽ふる川
写真提供/運河の宿 小樽ふる川

朝食は北海道産の食材と手作りにこだわった約40種類のバイキングです。2022年7月現在、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、小皿や小鉢にひとり分ずつの料理を分けて用意。器ごと選ぶスタイルで、和食を中心に提供しています。小樽近郊の銀山産ななつぼしを釜で炊きあげたご飯と、大きなしじみ汁が自慢。隣町の仁木町で採れたトマトジュースや、赤井川村の山中牧場牛乳など、いずれもおいしそうなものばかり。食べすぎに注意してくださいね。

「光ラウンジ」で音楽と読書を楽しむ

写真提供/運河の宿 小樽ふる川
写真提供/運河の宿 小樽ふる川

夕食の後、立ち寄ったのが、一階に設けられた「光ラウンジ」。ランプとステンドグラスの灯りが美しい空間です。英国製のスピーカーから流れるクラシックに耳を傾けながら、約1000冊以上あるライブラリーから本を選ぶことができます。午前6時から午前0時まで、コーヒーや紅茶などが無料で利用可能。就寝前のひと時にぴったりです。

また、ふる川ではチェックアウトが正午までとゆっくりなので、朝食後にまったりとした時間を過ごすのにもおすすめの場所です。wi-fiフリーなので、落ち着いた環境でメールや観光情報をチェックしたいときにもぜひ。

「運河の宿 小樽ふる川」は、クラシカルな雰囲気が古き時代の小樽を感じさせてくれる素晴らしい宿でした。所々で出会うスタッフから声をかけられることも多く、おもてなしの心が伝わりました。リピーターや長期滞在する方が多いのも納得。次回から「小樽ふる川に宿泊することが目的」になりそうです。

施設情報はこちら

施設名
運河の宿 小樽ふる川

住所
北海道小樽市色内1-2-15

電話番号
0134-29-2345

休業日
なし

※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。

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地域ナビゲーター

吉田 匡和

北海道支部 地域ナビゲーター
吉田 匡和

札幌市出身、在住。社会福祉士の資格と経験を持つ異色の「おでかけ系ライター」。2016年にフリーライターに転向し、2017年に個人事業所「ブーレオルカ」を設立しました。「楽しさが伝わる」、「すべての人に有益である」、「記憶に残る」の3つを信条に執筆しています。