長野県

心震わす黄金の夕陽「横手山ドライブイン」

2022.09.29

日本各地のナビゲーターが、その土地に暮らす人たち(ふるさとLOVERS)からお聞きした「100年先に残したいもの」をご紹介するコーナー。今回は、ふるさとLOVERS公式Instagram「旅写真コンテスト」にご応募くださったみひゃるーむさん(@fukukita_room)さんの100年先に残したいもの、長野県山ノ内町にある「志賀高原横手山ドライブイン サンセット」をご紹介します。

誰かに教えたい旅写真コンテストとは?

誰かに教えたい旅写真コンテストの詳細はこちら
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「大切な人に教えたい」「100年先にまで残したい」。地元や旅先で見つけたとっておきの写真を、Instagram・Twitterでハッシュタグ「#ふるさとLOVERS」をつけて投稿してみませんか。「ふるさとLOVERS」では、「誰かに教えたい旅写真コンテスト」を主宰しています。投稿写真の中から選考の上、「ふるさとLOVERS賞」受賞者には賞品をプレゼント!ぜひご応募ください。

雲の上に位置する絶景のドライブイン

長野県山ノ内町にある上信越国立公園・志賀高原は、年間200万人を超える人々が訪れる美しい自然を活用した観光レクリエーション地。1960年代以降にスキー場を中心とした開発が進められる一方で、地域の人々によって豊かな自然の保全と景観を守るための努力が続けられ、1980年には人と自然が共存しているエリアとして「ユネスコエコパーク」に登録されました。今なお、大自然の雄大さと美しさが訪れる人を魅了しています。

かつては有料道路だったという、日本一標高の高い国道292号。高原を走るそのルートの中で、ドライバーたちの癒しスポットとなっているのが「横手山ドライブイン」です。横手山ドライブインのあるエリアは「のぞき」地区といわれ、高原ルートの中でも一番の景勝地なのだそう。標高は2170m。晴れた日には流れる雲を眼下に、大自然のパノラマを目の前に望むことができます。

みひゃるーむさんが投稿してくれた画像より
みひゃるーむさんが投稿してくれた画像より

横手山ドライブインから楽しむことができる美しい光景の中でも、「100年先に残したい」と、ふるさとLOVERS公式Instagram「旅写真コンテスト」に届いたのが、サンセットを映した一枚の写真。撮影者のみひゃるーむさん(@fukukita_room)によると、カメラをセットして10分見られたかどうかの一瞬の夕景だったそう。「国立公園であり、冬季オリンピック開催地である志賀高原は100年先も守り続けてほしい。大地と人と生き物たちの大切なところです」とコメントしてくれました。

そんな志賀高原エリアと横手山ドライブインについて、ふるさとLOVERS地域ナビゲーター小栗が取材!今も昔も人々の心を惹きつけるそれぞれの魅力をお伝えします。

大自然のパノラマ。車を降りて、高原の風を全身で感じる

国道292号線沿いの「横手山ドライブイン」を目指し、カーブが続く長い道のりをぐんぐん登ると、ドライブインの大きな看板を発見。車を降りると、さわやかな高原の風と美しい緑の山々に迎えられました。

「志賀高原は、スキー場の開発から観光地としての歩みが始まった地域です。日本で一番はじめにスキーリフトができたエリアとしても知られています。横手山ドライブインの建設が始まったのは昭和41(1966)年。その頃から、スキーの爆発的なブームが始まり、日常生活の中にスキーや観光が組み込まれるようなタイミングでした。昭和45(1970)年に現在の国道292号である『志賀・草津高原道路』が有料道路として開通すると、志賀高原一帯は景勝地として知られるようになりました」

こう聞かせてくれるのは、横手山ドライブイン支配人の本山浩二さん。ドライブインの記録歴史やアルバムを見ながら、この地域のことについて詳しく説明してくれます。

有料道路の開通以降、連日バスが押し寄せるようになった横手山ドライブイン。昭和57(1982)年に規模を拡大するための改修を行うと、現在の山小屋のようなヨーロピアンスタイルの建物となりました。建物の1階にはお土産売り場などがあり、2階には喫茶や軽食を楽しめる展望レストランがあります。

雲海とサンセット、そして星空を満喫できる場所

横手山ドライブインの魅力はなんといってもその眺望。青い空と白い雲、連なる山脈を大パノラマで楽しむことができます。存在感を放つ三角形の山容は「笠ヶ岳」という山。この辺りの眺望のシンボルです。夏場の暑い時期でも気温は20度ほどと過ごしやすく、ツーリングを楽しみながら、立ち寄る人の姿が多く見られます。

山々を黄金色に染める、圧巻の夕日

写真提供/横手山ドライブイン
写真提供/横手山ドライブイン

レストランでドリンクを飲みながら景色を眺めたり、お土産売り場で志賀高原ならではのお土産を選んだりして時間を過ごしていると、いよいよ日が傾き出し、お待ちかねのサンセット。

雲海の向こうにオレンジ色の太陽が沈み行くその瞬間、目の前の山々が黄金色に染まります。それは本当にわずか一瞬の光景。スマホのカメラで撮影している人もたくさんいました。

サンセットは気候条件が揃わないとなかなか見られない光景ですので、ぜひ天気や雲の様子、日の入りの時間を調べながら挑戦してみてください。

写真提供/横手山ドライブイン
写真提供/横手山ドライブイン

街の明かりが届かないドライブイン付近のエリアは、星空の美しさでも有名。あたりが真っ暗になるため、その分星の輝きが際立ち、肉眼で天の川を確認することもできます。「空気が冷えるほど視界が良好になります。8月下旬からがおすすめです」と本山さん。施設は16時に閉まりますが、駐車場は24時間無料で開放。満天の星を求めてドライブに出かけてみるのもおすすめです。

レトロな雰囲気の展望レストランも

横手山ドライブインの2階には、笠ヶ岳を目の前に望む眺望抜群のレストランがあります。このレストランは、むき出しになった天井の梁や丸い照明が印象的な空間。「レトロで可愛いらしい」といった声も多く聞かれるのだそう。窓際にカウンター席が設けられていて、窓の外の絶景を眺めながら食事を楽しむことができます。

レストランの人気メニューは、信州そば。食事以外にもスナックやドリンク、ケーキなどの喫茶メニューもあるので、長いドライブの休息として、絶景の窓際の席でコーヒーとケーキを味わってみるのはいかがでしょう。

そして、ぜひ食べていただきたいのが名物の「熊笹ソフトクリーム」です。熊笹(くまざさ)の粉末を使用し、今も昔も変わらない製法で作り続けているという熊笹ソフトはここでしか味わうことのできないオリジナルソフトクリーム。抹茶にも似た、濃厚でさわやかな風味が口いっぱいに広がります。

一期一会の絶景を求めて、自然を愛でる旅を

豊かな自然が保全される志賀高原エリア。寒さが厳しくなる冬の間、ドライブインはクローズとなりますが、短い夏の間にも見られる景色は多彩。雲海に朝陽、そしてみひゃるーむさんの心を打ったサンセットに、本山さんがおすすめしてくれる圧倒的な星空。季節や時間帯ごとに見られる表情がさまざまなこのエリアは、何度訪れてもその時にしか味わえない感動をくれるでしょう。

長野県側から入るもよし、群馬県の草津温泉側から渋峠を越えてくるもよし。日本一標高の高い国道のドライブを楽しんだら、横手山ドライブインでほっと一息。美しい自然の風景を心ゆくまで味わってくださいね。

施設情報はこちら

施設名
横手山ドライブイン

住所
長野県下高井郡山ノ内町平穏 大字平穏7148

営業時間
9:00〜16:00(営業は4月下旬〜10月下旬)

公式サイト 
https://shigakogen.co.jp/facilities/yokotedrivein

※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。

地域ナビゲーター

小栗 詩織

中部支部 コピーライター
小栗 詩織

岐阜県出身、山梨県甲府市在住。フリーランスのコピーライターです。お酒と山登りと海と温泉が好き。フルマラソン完走4回(自己ベスト4時間16分)。一児の母。