藤岡酒造は明治三十五年十月に初代藤岡栄太郎により京都市東山区にて酒造業を始めました。
当時の醸造石数は千二百石余りだったようです。その後、滋賀県大津市に製造場を増 設するなどし、明治四十三年になりようやく伏見の地に製造場をもうけ、大正七年になりやっと現在の地で製造するようになりました。
最盛期には、八千石程のお酒を製造していたようです。当時は「万長」という銘柄を中心に展開し 地元の人々を中心に長年の間 親しまれ続けていました。
しかし、平成六年九月三代目藤岡義文の急死がきっかけとなり 平成七年に藤岡 酒造の歴史は一旦幕を閉じます。
「なんとかもう一度お酒を造りたい…」五代目蔵元・藤岡正章が各地の酒蔵で 勉強を重ね多くの人たちの協力のもと 平成十四年新しい酒蔵の建築から「藤岡酒造」の再生を試み その冬蔵元自ら杜氏となり新しいお酒を造り始めました。
その年出来たお酒はわずか二十八石(約5000リットル)
新しく造ったお酒は全て手作りの純米酒。そのお酒には「蒼空」と名付けました。まさに青空を思わせるような爽やかで優しい味わいは今 藤岡酒造の新しい歴史を作ろうとしています。
※1石=180リットル(一升瓶で100本)