森国商店のこだわり
(1)産地
海から直送!土佐湾は黒潮が流れ込む最高の産地。
(2)漁場
しらすはより浜の近くで採れたほうが品質がよいとされています。
森国商店の漁場は、高知県南国市浜改田の浜沿いにあります。浜改田は土佐湾のど真ん中、弓なりになっている高知県の中央部で、最も内陸までしらすを引き込んで浜のすぐそこで漁をします。また、しらすは脂があると黄色くなり、脂がない方が高品質。浜改田のしらすは常に動きまわっているため脂が少なく、身が引き締まっています。
(3)釜揚げ工場の立地
目の前が海という好立地に工場を建てています。海から釜までの距離、時間をいかに短縮するかが、鮮度アップのポイント。漁師さんと協力し、浜に直接こまめに何度も乗り上げてもらい都度その場でセリ落とし、即水洗い、釜へ投入します。目指すは海から釜まで1分以内。「世界最速釜出し」を目指しています!
(4)品質
「しらすの大きさや品質がそろい、不純物のより少ないもの」を目指して、仕入れ時、釜炊き時、乾燥時、パック時と製造工程中に何段階ものチェックを行い、品質を上げています。海塩以外の添加物フリーで無添加無着色、安心してお召し上がりいただけます。また工場内は、品質管理の国際基準に準拠した衛生管理・品質管理を徹底しています。
(5)魚種
しらすとはいわしの稚魚。日本でいわしは、真鰯、カタクチ鰯、ウルメ鰯があり、それぞれがそれぞれの良さ、特徴を持っています。土佐湾(高知県沖)はその3種類がまんべんなくとれる漁場として有名です。3種類の魚種が織りなす食感、味はしらすに深みをもたらします。
(6)製法
天日と機械乾燥を組み合わせて、その日の気象やしらすの状態などを見ながら最適の製法、塩加減を熟練の職人が判断します。乾燥中も干しムラが出ないようにこまめにひっくり返します。また、高温の大釜で炊くことで、炊きムラが出ないようにしています。
太平洋の恵みを味わう高知のしらす
東西に長い高知県はどこまでも続く海辺が特徴的な地域。その日に水揚げされる鮮魚が夕方には食卓で味わえるのが高知では当たり前の光景で、県内各地の漁港には毎日旬の魚が届きます。そんな高知県民にとって、身近な海の幸のひとつが「しらす」です。
美味しいしらすは鮮度が命!
見てください、このふわっふわなしらす!高知ではスーパーマーケットの鮮魚コーナーにズラリと並ぶしらすを見ることができるんですよ。
しらすは高知では「ちりめん」と呼ばれていて、朝ごはんの小鉢から、お昼や夜の丼など日々の食事の中に溶け込んだ存在です。昨今では「ちりめん丼専門店」も増え、改めてその美味しさが見直されている食材でもあります。
南国市で130年の歴史を誇る森国商店へ
今回訪れたのは南国市浜改田に加工場を構える森国商店。加工場に足を踏み入れるなり磯の香りが漂う場内に、ワクワクがとまりません。こちらでは1890年の創業以来、代々しらすの製造加工に加え、店内でも販売しています。森國雅人(もりくにまさひと)さんは5代目社長。森国商店のしらすは主に県内のスーパーマーケットで流通していて、私の家でも頻繁にお世話になっています。「この美味しいしらすをもっと多くの人に食べてもらいたい」と数年前からふるさと納税の返礼品にも出品しはじめました。
年間出荷量はなんと200~300t
森国商店のある南国市浜改田はすぐ目の前が海で、近隣の漁港では毎日数回水揚げがあります。しらすはイワシの稚魚の総称なので、ひとくちにしらすと言ってもマイワシ、カタクチイワシ、ウルメイワシと、季節によって獲れる種類や漁獲量が変わります。春先は最も水揚げ量が多く、工場と漁港を何往復もして仕入れることもあるとか。「1日に10、20kgだけ仕入れる日もあれば、多い時期になると5t、10tと仕入れてフル稼働で加工する日もあります」と森國さん。一年を通して200~300tのしらすを出荷しているそうです。
加工は鮮度とスピードが命!
漁港から到着した生しらすはまずたっぷりの水で洗われ、表面のぬめりと塩分などを取り除かれて、釜茹機械へと送られていきます。機械を通過する約70秒の間に茹で上がるしらすは、ベルトコンベアに乗って乾燥機の中へ。昔は天日干しに頼った乾燥作業を、限りあるスペースで1〜2時間ほどかけておこなっていましたが、現代では大量のちりめんを天候に左右されることなく数分で乾燥させることができるようになったので、機械と天日干しとの両方を取り入れているそうです。加工場にしらすが到着してから乾燥が終わるまでの時間はなんと10分という驚きの速さ。ちなみに高知では水分量100%の生しらすを「どろめ」、80%を「釜出し」、60~70%を「釜揚げ」、30~40%を「かちり」と呼び、乾燥の仕方で名称が変わります。
オススメはやっぱりちりめん丼!
ふんわり仕上がった出来立ての釜出ししらす。その美味しさをしっかり味わえる食べ方を伺いました。「やっぱりしらす丼ですね。シンプルに食べていただくのが一番オススメです。お好みで大葉や柑橘などの薬味を加えても美味しいですよ。しらすそのものの味を楽しんでみてください」と森國さん。あったかいご飯に思う存分しらすを乗せるだけで完成するしらす丼。お手軽さも相まって高知の家庭では一般的なメニューですが、新鮮で美味しいからこそシンプルに食べられるんだなと改めて思いました。ユズ、スダチ、ブシュカン(酢みかん)など季節の柑橘と一緒に醤油でいただくとそれぞれに違った味わいも楽しむことができます。
取材時はちょうどブシュカンの季節だったので、大葉を乗せて一絞り。私はご飯よりしらすが多いくらい乗せたものが大好きです。返礼品で届いた際に、一度に食べきれないものは小分けにして冷凍し、食べる分だけ解凍すると長く楽しめるそうです。
お客様の期待に応えられる商品を作りたい
森國さんが家業のしらす製造加工に携わるようになってから30年。毎日の作業は同じですが、少しでも美味しいしらすを届けるために、手抜きや妥協は一切しません。また、どんなに水揚げが多い日でも、キャパシティに応じた製造加工をすることで、量ではなく質の良さを追求した商品づくりをしています。
「当たり前の作業を当たり前と思わず受け継がれてきたことを守って、看板を汚すことなく、1人でも多くの人にしらすの美味しさを届けたいです」と森國さん。新鮮で柔らかくそのまま食べられる森国商店のしらすは、小さい子供から年配の人までみんなに愛される海の恵。小鉢でちょこっと、丼で主役にと、色んな食べ方を楽しんでみてください。