京都は古来都として長らく栄えた土地柄、最も早くから和傘が使われて来ました。都ならではの審査目の厳しい人々に使われる中で、過度な装飾を廃したシンプルさと最高級の素材と技術で仕上げられた上品さを持つ、京都独自の美意識を持つ和傘「京和傘」として発展して来ました。最盛期には日本全国で年間1千万本以上生産されていた和傘ですが、明治時代に洋傘が輸入され、西洋化が進んで普及すると共に急速に衰退し、京都においては和傘製作は弊店ただ1軒を残すのみとなり、和傘は、昔のように生活必需品として使われることは少なくなりました。しかし、現在では趣味の品としてや、踊りや芝居などの小道具として、伝統行事・儀式・茶道などの道具として、広告・ディスプレイ・展示用として、あるいは日本的な土産品として、その用途は多岐に渡っております。