世界遺産・国宝にも指定琉球王国の陵墓 沖縄県那覇市

沖縄の県庁所在地であり、国際通りなどの多くの観光スポットを有する那覇市。
そんな市の北東部には、かつて琉球王国の都として栄えた首里地区が広がっています。
今回はユネスコ世界遺産に登録されており、2018年12月には国宝にも指定されたことで話題の
「玉陵(たまうどぅん)」を中心に、かつての王都を訪ねてみました。

世界遺産・国宝にも指定琉球王国の陵墓 沖縄県那覇市

沖縄の県庁所在地であり、国際通りなどの多くの観光スポットを有する那覇市。そんな市の北東部には、かつて琉球王国の都として栄えた首里地区が広がっています。今回はユネスコ世界遺産に登録されており、2018年12月には国宝にも指定されたことで話題の「玉陵(たまうどぅん)」を中心に、かつての王都を訪ねてみました。

絢爛豪華な琉球王国のシンボル、 首里城公園へ

絢爛豪華な琉球王国のシンボル、 首里城公園へ

 まずは首里エリアを代表する観光スポット、「首里城公園」を訪れました。首里城は、1429年の琉球王国成立から明治政府による廃藩置県までの約450年に渡って王国の中枢として機能した王城です。1945年、沖縄戦の際に焼失しましたが、1992年に正殿などが復元公開されました。正殿は政治や王家の祭祀が行われるなど首里城の中心。赤瓦屋根、朱色の漆に塗られた外壁など、南国らしい美しいたたずまいに目を奪われます。
 2019年2月には正殿の東側、御内原(おうちばら)エリアが新たに公開されました。御内原は国王や王族、女官の居住空間で、江戸城で例えると大奥のような場所。これまで見ることのできなかった、「奥」の世界をたっぷりと見学してみましょう。

〈上〉中国の紫禁城をモデルにしたとされる首里城正殿。正殿内には御差床(うさすか)とよばれる玉座の間などが復元されている 〈左下〉城内で最も標高が高い東(あがり)のアザナ。首里城全体や城下、東シナ海も一望できる絶景スポット 〈右下〉次期国王の即位儀式が行われた世誇殿(よほこりでん)


国王と王族が眠る、世界遺産の墓

国王と王族が眠る、世界遺産の墓

 首里城公園のすぐ近くに、今回の目的地「玉陵(たまうどぅん)」があります。ここは1501 年、尚真王が父である尚円王の改葬のために築いた墓で、以降は王家の陵墓になりました。沖縄戦で大きな被害を受けましたが、1974 年から3年余りかけて修復され今日に至っています。
 墓域は琉球石灰岩の石垣に囲まれた2 つの庭と3 つの墓室からなり、その広さは2442㎡。沖縄伝統の墓様式である、破風墓としては最大かつ最古のものとされています。2000 年には「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の一つとしてユネスコの世界遺産に登録。2018 年12 月には、建造物としては沖縄初となる国宝に指定され、これまで以上に注目を集めています。

〈上〉重厚な石垣の向こうに国王や王族が葬られた墓室がある 〈左下〉フクギやガジュマルなど南国の植物に覆われた小径を通って墓域への石門へ 〈右下〉復元された東の御番所(あがりぬうばんじゅ)は参拝に来た国王の休憩所としても使用された

 国宝に指定されてから来訪客は増えているようですが、墓域内は静寂に包まれており、ここが聖域であることを改めて感じさせてくれます。陵墓を守る堅牢な石垣や、1501年に建てられ当時のまま現存する「玉陵碑」など、みどころはいくつもありますが、なんといっても琉球石灰岩で造られた重厚な墓室がここのメイン。
 墓室は向かって左から東室、中室、西室という3室に分かれており、東室は国王や王妃、西室は王族の遺骨が納められ、中室は琉球の伝統的な墓制である「洗骨」を行う前の遺骸が安置される部屋となっています。また、各墓室の上に目をやると、装飾された石獅子、石高欄に施されたコウモリなどの彫刻が見られます。墓室の圧倒的なスケールと、細部にまで趣向が凝らされた意匠に、時が過ぎるのを忘れて見とれてしまいました。

〈上〉葬られるべき人の名が刻まれている玉陵碑。「この記述に背くと祟る」と書かれてあることもあり緊張感が漂う 〈左下〉手前の東室は首里城正殿をモデルに建造されたという 〈右下〉墓室の上に3体の石獅子があり、向かって左側の獅子は子獅子を抱いている


沖縄らしさあふれる美しいサンゴ染

沖縄らしさあふれる美しいサンゴ染

 次に訪れたのは、玉陵の目と鼻の先にある「首里琉染(しゅりりゅうせん)」。500年以上の歴史をもつ沖縄の伝統染物「紅型(びんがた)」とオリジナルの「サンゴ染」の工房兼ショップです。京友禅の作家であり染色家の山岡古都(やまおかこと)氏が、沖縄の染色文化の発展を目的として1973年に設立したのが始まりです。
 山岡氏は紅型に使用する天然染料を研究しつつ、沖縄らしさを生かした染色技法を模索。1974年のある日、海岸で偶然見つけた、サンゴの化石からインスピレーションを受け、考案したのがサンゴ染です。現在、サンゴの化石の採取・収集は法律で禁止されていますが、首里琉染は染色に使えるサンゴを所有。ここだけの貴重な染物といっても過言ではありません。

〈上〉サンゴ染の制作風景を見学。沖縄の海をイメージさせるブルーが美しい 〈左下〉建物は3階建ての合掌作り。三角屋根ならではの空間を利用して紅型を制作している 〈右下〉2階でサンゴ染を体験。Tシャツやトートバッグなどに染め付けてみよう

 サンゴ染は、サンゴの化石を平らにカット。その断面に生地をのせ、染料が付いたタンポで擦ることでサンゴの模様が生地に写し出されます。「版画をイメージするとわかりやすいと思います。手仕事なので、1枚1枚、模様の色や形が異なるんですよ」とスタッフの仲間唱子さん。その模様や色合いはとても華やか。初めてサンゴ染を見た時は、思わずその美しさに見とれてしまいました。サンゴは子孫繁栄、長寿、家庭円満の願いが込められている縁起物。贈答品やおみやげにも喜ばれそうです。

 那覇市首里には今回巡った3か所以外にもみどころが点在しています。琉球王国時代の息吹を感じ取ることができる、古都散歩を楽しんでみてはいかがでしょうか? (2019年5月)

〈上〉「サンゴモチーフの新ブランド“KANA-SANGO”も展開しています」と仲間さん  〈左下〉オーガニックスカーフ1万2960円とサンゴ染がま口各2160円  〈右下〉1階はショップ兼休憩所。和と沖縄が折衷したユニークな造り

<限定>首里王朝蜂蜜2本入りギフトセット

<限定>首里王朝蜂蜜2本入りギフトセット

NPO法人 首里まちづくり研究会の「首里ミツバチ・花いっぱいプロジェクト」がプロデュースするハチミツです。首里は現存する沖縄最古の金石文によると「1427年に諸国の珍しい樹華を植えた」とする記述があるなど古くから花の都だったことがうかがえます。そんな首里で採集されたハチミツのうち、余分な水分を低温除去した通常タイプと、天然酵母がそのままの非加熱タイプの限定セットです。
※掲載の「お礼の品」は品切れや季節の都合で受付を終了・中止していることがあります。

限定セットはふるさと納税でしか手に入らない商品

SPOT LIST

首里城公園(しゅりじょうこうえん)

【電】098-886-2020(首里城公園管理センター)【住】那覇市首里金城町1-2【交】ゆいレール首里駅から徒歩15分【料】有料区域入場820円【時】8時30分~19時(7~9月は~20時、12~3月は~18時)入場券販売締切は閉園の30分前【休】7月第1水曜とその翌日【P】あり(有料)

玉陵(たまうどぅん)

【電】098-885-2861【住】那覇市首里金城町1-3【交】ゆいレール首里駅から徒歩16分【料】300円【時】9~18時(入場締切17時30分)【休】無休【P】なし

首里琉染(しゅりりゅうせん)

【電】098-886-1131【住】那覇市首里山川町1-54【交】ゆいレール首里駅から徒歩16分【料】入場無料(サンゴ染体験3240円)【時】9~18時(サンゴ染体験は9時30分~最終受付17時)【休】無休【P】5台

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