できたての生そうめん | 香川県小豆島町 の旅行レポート

瀬戸内海に浮かぶ小豆島の南東部に位置し、古くから海の交通の要衝として発展した小豆島町。
町にはオリーブや醤油など多くの特産品がありますが、今回は日本三大そうめんの一つに数えられる
「小豆島そうめん」に注目。できたての生そうめんをその場でいただくことができ、
箸分けとよばれる手延べそうめん作りの体験もできる人気スポットにお邪魔しました。

できたての生そうめん | 香川県小豆島町 の旅行レポート

瀬戸内海に浮かぶ小豆島の南東部に位置し、古くから海の交通の要衝として発展した小豆島町。町にはオリーブや醤油など多くの特産品がありますが、今回は日本三大そうめんの一つに数えられる「小豆島そうめん」に注目。できたての生そうめんをその場でいただくことができ、箸分けとよばれる手延べそうめん作りの体験もできる人気スポットにお邪魔しました。

穏やかな瀬戸内海気候に恵まれた リゾートアイランド

穏やかな瀬戸内海気候に恵まれた リゾートアイランド

 小豆島はみどころも多く、一日かけてゆっくり観光が楽しめる場所です。近年人気のスポットとしては、園内に約2000本のオリーブの木が植えられている「道の駅 小豆島オリーブ公園」。オリーブを使った製品の販売などを行うショップや、特産品を使った料理が楽しめるレストラン、クラフト体験ができる温室、映画「魔女の宅急便」のロケセット、花と香りのガーデンなどがあり、公園のシンボルでもあるギリシャ風車は写真映えするスポットとしても有名です。
 次に、オリーブ公園から車で10分程度走った海沿いに立つ「マルキン醤油記念館」を訪ねてみました。ここは昭和62年(1987)の丸金醤油創業80周年を記念してオープンした記念館で、小豆島の特産品の一つである醤油の歴史を語る上で欠かすことができない施設です。大正初期に建てられた合掌造りの工場の一つを改装した建物は、国の有形文化財にも指定されている立派なもの。展示室内では、醤油造りの歴史や工程がわかるさまざまな展示品や、麹を作るための「麹室」を再現した部屋など興味深いものが揃っています。

〈上〉青い空をバックに立つギリシャ風車は小豆島を代表する景色の一つ 〈左下〉園内のオリーブの木から収穫したオリーブはオリーブオイルなど多くの製品に加工され、ショップで販売されている 〈右下〉マルキン醤油記念館内の展示品。創業当時の醤油造りの様子を再現したものも


小豆島そうめんを買う・味わう・体験する

小豆島そうめんを買う・味わう・体験する

 マルキン醤油記念館から車で10分足らずの場所にあるのが、今回の目的地である「なかぶ庵」。小豆島そうめんの製造・販売だけでなく食事処を運営、さらに製造工程の体験までできる人気のスポットです。
 小豆島そうめんは兵庫県の「揖保乃糸」、奈良県の「三輪そうめん」と並んで日本三大そうめんの一つに数えられています。その歴史は古く、今から約420年前の1590年代にまで遡ります。降水量が少なく温暖な気候がそうめん作りに欠かせない天日干しに適していることもあって、最盛期には島内に650軒ものそうめんの製麺所があったといわれています。
 なかぶ庵では、館内の食事処で、そうめん作りの現場でしか味わえないできたての生そうめんいただくことができます。乾麺に比べて、透明感があって喉越し滑らかなそうめんをシンプルにつゆと薬味で食べれば、噛んだ時の麺のモチモチした弾力と、かすかな小麦の香り、奥深い旨みが感じられます。夏場は冷やして、冬場は暖かいにゅうめんとして提供しているので、一年中楽しめるのも嬉しいポイント。土・日曜、祝日は予約するのがベターです。

〈上〉食事処でいただける生そうめん650円~ 〈左下〉工場横に設置された食事処の営業は10~14時でそうめんがなくなり次第終了 〈右下〉なかぶ庵で手延べされたオリジナルそうめんや手延べうどんも販売

 早朝に開始するそうめん作りは、240kgの小麦粉の生地の固まりを、総延長約350㎞になるまでひたすら延ばしていく作業。その都度折り畳んで麺帯を鍛えながら直径約1㎜にまで細く延ばされた1本のそうめんを、干して切断すれば完成です。延ばした麺同士がくっついてしまうことを防ぐため表面に油を塗る必要があるのですが、小豆島そうめんはごま油を使用することが特徴です。ごま油は他の菜種油などの食用油に比べて酸化しにくいので、表面に塗ることで劣化を防ぐ役割も果たし、その品質向上にも一役買っているわけです。
 なかぶ庵では、予約すればこの手延べそうめん作りの一工程を体験できます。長い木箸を両手に持って隣り合う麺を分けていく、「箸分け」とよばれる作業です。糸のように細いそうめんが見事に分かれていく様は見た目にも美しく、まるで何かの美術工芸品を制作しているかのようにも見えます。実際に体験すると、その瞬間に「おおっ!」とつい声をあげてしまうような感動を覚えます。そうめん作りの一部の工程を実際に体験することで、体験後にいただくそうめんの味も一層おいしく感じられることでしょう。

〈上〉箸分け体験は材料費や食事代込みで1400円 〈左下〉そうめん作りの比較的初期段階の工程。直径約3.5㎝の丸い棒状の生地をグルグル巻いていく時に、生地の表面に手でごま油を塗り込んでいく 〈右下〉天日干しで乾燥させるそうめん作りの最終段階

 なかぶ庵では、小豆島そうめんの伝統的な製法を守りながらも、さまざまな新たな試みを行っています。その一つがショップでも販売しているオリーブそうめんです。なかぶ庵は島内に直営のオリーブ農園を持ち、試行錯誤しながらクオリティの高いオリーブを育てあげています。収穫は一粒一粒手摘みで行い「オリーブの新漬」や「エキストラバージンオイル」などの商品も作って販売していますが、中でもイチオシの一品がこのオリーブそうめんです。オリーブの果汁を生地に練り込み、ごま油の代わりにオリーブオイルを使って手延べした麺は、よりなめらかな食感と上品な香り、爽やかな色合いの絶品に仕上がりました。麺つゆはもちろん、ドレッシングなどと合わせて洋風にいただくこともでき、そうめんの食べ方に新境地を開いた画期的な商品です。

 「そうめん作りの工程には、いくつもの職人技が必要です。例えば、その日の温度や湿度、天日干しの場合は風向きによっても、麺が乾く速度や場所が変わってくるので、自然環境とそうめんの関係を熟知していないと、途中で麺が切れてしまったりしてうまくいかないんです」となかぶ庵の二代目当主の中武さん。もちろん、生地の塩加減やごま油の量などすべてが長い歴史の中で培われた経験によって裏付けられたデリケートな作業になります。
 実際に現場に行ってみないとわからない生そうめんの味や、そうめん作りの繊細な技などを体感しに、ぜひ小豆島町を訪れてみてはいかがでしょうか。
(2019年12月)

〈上〉小豆島の二大名物が見事にコラボしたオリーブそうめん 〈左下〉直営のオリーブ農園では収穫ができるようになるまで5年の月日を費やした 〈右下〉島情緒あふれる狭い坂道を上った場所に立つなかぶ庵

【ご自宅用】手延べ素麺(細口)4kg

【ご自宅用】手延べ素麺(細口)4kg

小豆島の池田港近くにある丸善製麺が手延べする絶品そうめん。こちらのそうめんは、生地を一晩寝かせてから手延べしているので、強いコシと喉越しの滑らかさ、豊かな風味などが特徴です。冬場に作った寒造りそうめんを、約半年、倉庫で熟成して夏以降に出荷、各家庭に届く時には最高においしい状態になっているよう工夫されています。冷やしていただくのはもちろん、コシの強さが生きるアツアツのにゅうめんで楽しむのもおすすめです。
※掲載の「お礼の品」は品切れや季節の都合で受付を終了・中止していることがあります。

細口のそうめんを手延べするには、細く延ばしても切れないコシの強さが必要 ※写真の商品は2kg

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SPOT LIST

道の駅 小豆島オリーブ公園(みちのえき しょうどしまおりーぶこうえん)

【電】0879-82-2200【住】香川県小豆島町西村甲1941-1【交】小豆島草壁港から車で5分【料】入園無料【時】8時30分~17時(施設により異なる)【休】無休(施設により異なる)【P】200台

マルキン醤油記念館(まるきんしょうゆきねんかん)

【電】0879-82-0047【住】香川県小豆島町苗羽甲1850【交】小豆島草壁港から車で5分【料】入館無料【時】9~16時【休】不定休【P】25台

なかぶ庵(なかぶあん)

【電】0879-82-3669【住】香川県小豆島町安田甲1385【交】小豆島草壁港から車で5分【時】食事処、売店は10~14時頃、体験は要予約【休】水・木曜(祝日の場合は翌日)【P】12台

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