「地元の人すら知らなかった」
気仙沼の隠れた魅力を発掘発信
イベントレポート:気仙沼ローカル
魅力発掘発信ワークショップ(第2回目)
10月11日(日)、午後1時半、気仙沼まち・ひと・しごと交流プラザ(PIER7)
2階の「スクエアシップ」に、続々と気仙沼の住民が集まってきました。
この日は、気仙沼ローカル魅力発掘発信ワークショップの2回目。
9月5日の第1回に続いての開催です。
あなたの「驚き・発見・感動」こそがローカルの魅力
ローカル魅力発掘発信プロジェクトは、JTBふるさと開発事業部が、各地の自治体と開催する地域の住民だけが知る魅力を発掘・発信することで、「その土地を、ふるさとと想う人をつくる」プロジェクトです。1回目に続いて、地域の魅力を全国各地の住民とともに発掘・発信してきた合同会社イーストタイムズ代表の中野宏一さん(36)を講師に迎え、気仙沼の魅力を発掘発信します。
第1回のワークショップでは、元Yahoo!ニュース記者だった中野さんが、どのまちにでもあるローカルニュースで全国・全世界に話題になった手法を元に、何がローカルの魅力か、そしてその魅力を伝わるように伝えるにはどのようにしたら良いのかを学びました。
第1回から、第2回までの約1ヶ月間、この気仙沼ローカル魅力発掘発信ワークショップの参加者は、「あなたの驚き・感動・発見こそがローカルの魅力だ」という考え方のもと、各自が魅力を「発掘」(取材)していただき、それを魅力発信レポート(ハツレポ)にまとめてきてもらいました。果たしてどんな魅力が発掘されたのでしょうか。
『感動』が先、『情報』があと。
検索して出てくる情報はリンクを貼れば良い
第2回のワークショップには、気仙沼市内や都内から、様々の職種の20代から60代まで15名方に参加していただきました。中野さんは、みなが1ヶ月間発掘したきた「魅力」を、レポートにまとめる方法をレクチャーしました。
「ステップ1として、自分が何に驚き・発見・感動したのかを意識します。そして、ステップ2として、自分が感動したことに対して、なぜ感動したのか考えます。その後、自分が何に感動したのかを書き出してみます。さらに、その感動がどのようにしたら伝わるのか考えます。最後にそれらの情報を組み合わせれば、簡単に記事(レポート)はできます」と中野さん。「あなたの驚き発見感動と情報は違います。感動が先、情報があとです。検索して出てくる情報は最後にリンクを貼っておけばいいのです」とハツレポを書くコツを教えます。
その後、各自が発掘(取材)してきた内容を、ハツレポ(記事)にまとめました。
あこがれの人に何度も取材して作った渾身のハツレポ
最初に発表したのは、市若手職員の高本翔太さん。高本さんは、市役所に入る前の学生時代から憧れていた人がいたそうです。
「気仙沼には主体性を引き出すプロがいる」。高本さんは、気仙沼市で震災ボランティアとして2011年の震災直後に東京から移住し、現在、NPO法人底上げの理事を務める成宮崇史さんを取材しました。
「震災から5カ月が経った2011年8月、『現地を自分の目で確かめたい』と当時働いていたカフェを辞め、テントと寝袋を持って気仙沼に飛び込んだ。テント泊をしながら支援活動に奔走し、たった2カ月で『この地に残ってまだできることがある』と移住を決意」
高本さんハツレポは、そんな書き出しで始まります。レポートでは、その後の成宮さんの活躍を追います。
会場にいた成宮さんは照れながら、「高本さんは、1回の取材が終わって、まだ聞き足らないことがあると言って、2度めの取材もされたんですよ」と裏話を明かします。
中野さんは、「ローカルの魅力は人の魅力、特に人のストーリーはローカルの大きな魅力です。成宮さんのストーリーは人を惹きつけるし、それを誰かに伝えたいと思った高本さんの気持ちも伝わってきて、とてもいいハツレポですね」と評価しました。
市長も登場「気仙沼の魅力は住民の力」
ワークショップの途中で、菅原茂気仙沼市長も会場に登場。「気仙沼は市民の力がすごい。行政だけではなく、市民に力でさまざまな課題を解決していっている」として、市民のちからによるPRに期待を込めました。菅原市長は最後に、「気仙沼市は、どんなモノにも『こ』を付けるんですよ」と、知られざる気仙沼の魅力を披露してくれました。
13件の魅力を住民が発信
他にも、参加者からは、駅前にある観光館内所の女性こそが気仙沼の魅力であるという「『ここは旅行の“目的地”』気仙沼駅前にある小さな観光案内所」というハツレポや、気仙沼唯一、種付けから行っているカキ養殖『「わたしは“唐桑生まれ、唐桑育ち‘’の牡蠣を作ってます」青森県出身のあきちゃんは気仙沼市唐桑町で牡蠣養殖に奮闘中』などの魅力13件が発表されました。
ワークショップ参加者レポート