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魅力の発掘こそ自社のブランド・ストーリーになる
イベントレポート:名古屋市ローカル 魅力発掘発信ワークショップ(第2回目)
2022年9月21日(水)、名古屋市と株式会社JTBの共催講座「『ストーリー・ブランディング』&情報発信実践講座」の第2回が開催されました。
受講者の方には、前回の講義後「自社のストーリーの種になりそうなものを集めてくる」という宿題に取り組んでもらい、今回のワークショップではその宿題をもとにブランド・ストーリーを作成します。
講師を務めたのは前回に引き続き、合同会社イーストタイムズ代表の中野宏一さん。これまで数多くの企業のブランド・ストーリーを作ってきた中野さんの教えのもと、参加事業者の想いが徐々に言語化され、ブランド・ストーリーになっていきました。そんな、ワークショップ第2回の様子をレポートします!
スペックでは共感は得られない!?ブランド・ストーリーをつくって共感を生む
2日目となる講座の目的は、「価値」を伝えるブランドストーリーを作ること。
ブランド・ストーリーとは、「価値」を人が認識し、共感を生むための発信手法であると中さんは言います。
さらに授業では、ブランド・ストーリーづくりのため、伝わるように伝えるコツ、見出し・リードの作り方を事例も交えながら学んでいきました。
学んだあとは「見出し・リード」作りワークを実践。前回講座で実施したワークシートから「価値」を分析し、「見出し・リード」の作成を行いました。
ブランド・ストーリーをつくってみる
見出し・リードを作ったあとは、本文作成を行います。本文は、「だんだんカメラを引いていくように、具体描写から始まり、背景や大きな話を書くことが重要」だと、中野さんは話します。
本文の作り方、構成を学んだあとは、これまでのワークをもとにして、「ブランド・ハツレポ」づくりのワークショップを行いました。
「ブランド・ハツレポ」作成の後は、これまでの2日間のワークショップの集大成「受講者からの発表会」になります。
スペックだけではなく価値を伝えることこそが「ブランド・ストーリー」
老舗服地メーカー御幸毛織株式会社の西村さん。これまで服地製造を中心に行ってきましたが、コロナ渦でマーケット環境の変化を捉え、「オーダースーツ」に着目。御幸毛織社では、服地から採寸、縫製までを国内で一貫して生産し、信頼できるオーダースーツをつくっているそうです。
「オーダースーツ」という時代の流れを捉え、「服地からの一貫した国内生産」という、この会社にしかない価値を伝えることで、魅力的なストーリーが出来上がりました。
実際に会場からも「一着オーダーしてみようかな」というような声があがり、もうすでに共感が生まれはじめていました。
名鉄グランドホテルの永谷さんが制作したレポートは、「人生の節目に寄り添うホテル」という見出しで文章がはじまりした。
お客さまに寄り添うことを価値として、駅からの立地や設備だけでない、グランドホテルの価値をお話いただきました。
中野さんも「スペックだけではなく、価値があることが伝わる。まさしくホテルのブランド・ストーリー」と絶賛。会場からも感嘆の声があがりました。
フジタ製菓は、昭和13年創業の駄菓子工場。そこに勤務する毛利さんは、80代の社長から20代の孫に、事業継承したストーリーを紹介しました。
もう廃業しようと思っていた社長でしたが、菓子づくりを学ぶ社長の孫が引き継ぐことを決心し、今後も事業を続けていくことを決めたそうです。
「これからは孫と創業100年に向けて頑張って行きたいと思っている」というメッセージもあり、まさしく心が動かされるストーリーで胸が熱くなりました。
ストーリーを伝えることで、商品の魅力を届ける
イベント終了後は、和気藹々と参加者で会話する風景がみられました。2日間にわたるワークショップを通じて、参加頂いた企業間でのコミュニケーションの場になったのではと思います。
今回の共催者であるJTBの小林さんからは、「参加者からストーリーを聞くことで、商品の見方が変わった」とコメント頂きました。
スペックだけでは測れない商品の魅力を、ブランド・ストーリーを通じてみなさまへ届けていけたら幸いです。
参加者の皆様が執筆した記事は、現在ふるぼで掲載中です!
心惹かれる共感を覚えたら、ぜひ商品を手にとって、想いをはせてみてくださいね。