漁場が陸から比較的近いといった地理的環境もあって、漁れたマグロは、それほど時間をかけずに水揚げできることから、他府県のマグロに比べ鮮度が高いのが特徴の一つです。そのため、沖縄で水揚げされるマグロは生鮮マグロと言われ、一度も冷凍されることなく生のまま市場に陸に運ばれてきます。小さな島とはいえ、全国的にも生鮮マグロとしては全国有数の漁獲量を誇る沖縄のマグロです。まさに漁場の近さがなせる技と言えます
一般的にマグロ漁は9月~12月ごろとされていますが、四方を漁場に囲まれた沖縄では年間を通して幾つかの種類のマグロが水揚げされるのも特徴です。さまざまなマグロの旬の時期を逃さずに市場に提供できるのが沖縄マグロの大きな特徴です。 また、沖縄の本マグロの旬は産卵の時期の5月~6月ごろで。そのころは300kg級の天然マグロは数多く上がり、大いに賑わいを見せる。
「泊いゆまち」は、沖縄の海産物を一層広めるべく、2005年に沖縄県と沖縄鮮魚卸流通協同組合及び沖縄県漁連が中心となり、港町の県漁連市場隣に新設されたました。30社以上の海産物取り扱い業者が魚市場で仕入れた新鮮な海産物を一般家庭向けに直販、小売しています。 オープンして間もないにも関わらず、月間来場者は約10万人、その盛況ぶりは県内外問わず多くのメディアに取り上げられています。
新鮮な沖縄マグロを厳選!
《鮮魚仕入れ担当 友寄さん》
こんにちは、主に競りでの仕入れやマグロの解体を行っています。マグロを中心に沖縄で漁れる新鮮な魚をお届けできるよう、日々頑張っています。
全国的に行われている一本釣りの中でも、沖縄で一般的に行われているのはパヤオと呼ばれる方法で、人工漁礁に集まってくるマグロを釣り上げる一本釣りです。なぜ魚が集まるのか解明はされていませんが、一説にはパヤオに貝や海藻が付着し、それを食べにきた小魚をマグロが食べるといったような食物連鎖がパヤオ周りで起きているからだと言われています。また、マグロがパヤオのような海面に浮いているものに集まる習性があるからだという説もあります。パヤオは現在、県内に約200基設置されています。
幹縄(みきなわ)と呼ばれる縄に、針のついた枝縄(えだなわ)と呼ばれる縄をつけて魚をとります。幹縄の長さは約100km、針の数は2000本以上に及ぶこともありますが、一回の操業でマグロがかかるのは6本程度です。枝縄5~10本ごとに浮きが付けてあり、浮きから針までの距離で漁獲する水深を調節しています。
生と冷凍の違いが、甘みがだいぶ違ってきます。冷凍に比べ生のものはやはりおいしいというのが魅力の一つです。同じマグロではありますが、沖縄のマグロと他府県のマグロでは全然違うものだと言われています。沖縄では生鮮マグロがすぐ手に入るということは大きいと思います。
沖縄では、仲買人、生産者、卸売業者、行政関係者が一体となり、「沖縄美ら海マグロ」のブランド化を進めている。4つの基準に基づく品質管理はもとより、さらなる品質向上のために意欲的な施策を行っている。職人の感と経験だけに頼るのではなく、データの計測を通して、品質の見える化を行うなど、さまざまな実験、調査などが行われている。
マグロの身は大トロ、中トロ、赤身、ブツに大きく分けられます。 腹節からは主にトロがとられ、肉質をシモ、ナカ、カミといった形でランク付けされます。背節は背トロのほかは赤身で、ナカの赤身が最も高級で、カミ、シモの順になります。 詳しくいいますと、中心に骨があり、その 周辺がテンパ(天端)、そして皮ぎし、その外側が分かれ身で、中央に血合、その上下 に血合ぎし(図2)があります。テンパ、皮ぎし、分れ身、血合ぎしはいずれも赤身で、 分れ身はブツにされます。血合ぎしは赤身で一番おいしいところです。 マグロは捨てるところがほとんどない魚と言われ、漁れたマグロは生のまま、市場に運ばれ、新鮮な状態で小売や仲買、一般の消費者へと送られます。沖縄ではこうしたマグロを年間を通して消費できる数少ないマグロ産地でもあるのです。
資料提供:沖縄県 「沖縄美ら海マグロ」ブランディング事業部
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