海が広がり、山が連なる美しいまち
沖縄県南城市は、東側一体が太平洋に面した、海と緑と光にあふれる風光明媚なまち。起伏に富んだ地形には緑深い山々が連なり、自然豊かな美しい風景が広がります。
そんな南城市らしい景色を見渡す小高い丘の上に、木々に囲まれるようにひっそりと立つ隠れ家のようなスモールホテルが、今回ご紹介する「Riad Lamp(リヤド ランプ)」です。
モロッコの邸宅ホテル「リヤド」が南城市に
「リヤド」とはモロッコ特有の宿の形態で、古い邸宅をリノベーションしたホテルのことです。とはいえ、「リヤドランプ」はもともとあった邸宅から作られたわけではなく、新築のリヤドとして一から作られました。
部屋数はわずか5つと小規模ながら、設備から料理、インテリアまで、一つ一つに独自の美学が貫かれており、まさにスモールラグジュアリーと呼ぶにふさわしいホテルです。リピーターには旅慣れた大人が多く、なかには一人旅を楽しむために訪れるゲストも。リヤドランプの何が利用者をひきつけるのか、その魅力を一つ一つひも解いていきましょう。
吟味された品々が異国情緒を生み出す
リヤドランプの外壁は、カラリと晴れた南城の青空によく映えるサンドベージュ。淡い水色の窓枠やドアには細やかな意匠が施され、それだけでアート作品のよう。
さりげなく置かれた鉢植えやベンチ、玄関のじゅうたんも、この空間をつくり出すために吟味された品々なのでしょう。それぞれが調和し、「どの国のよう」と一言では形容しがたい、独特の異国情緒を演出しています。
一瞬で非日常へと誘われる空間
玄関をくぐり、レセプションのある吹き抜けのホールへ足を踏み入れた瞬間、きっと多くの宿泊者が息をのむことでしょう。それほど印象的な景色が広がっているのです。
異国というより、もはや別世界。大きく開かれた窓の先には、抜けるように青い海と空。潮風がフワッと吹き抜け、エキゾチックなインテリアと相まって、非日常へと一瞬で誘われます。
ホールからテラスへ出ると、インフィニティプールの向こうに山と里の緑、海と空の青が輝く南城市らしい景色が目を潤します。視線を遮る建物は一切なく、街灯さえありません。夜には星々や月が空を照らし、海は月明かりで輝くことでしょう。
プールサイドに並ぶチェアで、ゲストは読書をしたり食事をしたり。心地よく、思い思いの時間を過ごすのに、これほど最適な場所はないかもしれません。
モロッコの職人技が光るオーダーメイドインテリア
アーチが施されたテラスの天井高はなんと6.5mほどもあり、大ぶりのモロッコランプが良く似合います。館内に置かれた家具や調度品は全て、モロッコの職人によるオーダーメイド。「モロッカン=モロッコ風」ではなく、正真正銘の「モロッコ製」インテリアなのです。
実はホテルオーナーは、沖縄と東京を拠点に長年モロッコのインテリアを輸入販売している、モロッコに精通した方。南城市の静かな環境に心惹かれ、「いつかここでリヤドを作りたい」と8年前から構想を練り、家具から空間のデザインまで自身で手掛け、2年前に晴れてオープンに至りました。
ホテル名を「リヤドランプ」としたのは、モロッコのインテリアの中でも特にランプが好きだからとのこと。館内のいたるところに素敵なランプが飾られているのも、そのためです。
極上リラクゼーションはお気に入りの場所で
レセプションの隣には、自由に使えるリビングルーム。館内にはレストランなどの飲食専用のスペースはなく、こちらの部屋でもテラスでも、ゲストは好きな場所でプランの朝食やディナーを楽しめます。滞在中にお気に入りの場所を見つけてみてはいかがでしょう?
リラクゼーションのトリートメントは、天候や時間帯により、リビングやテラスで海を見ながらの施術も可能です。
トリートメントには、世界の王室や高級スパで愛用される、モロッコ・マラケシュのネクタローム社のオーガニックアルガンオイルを使用。豊かな香りが深いリラクゼーションへと導きます。
最上階の部屋で特製バスタブから海を一望
ホールのインテリアに見惚れ、テラスからの景色にうっとりして。その感動は、当然部屋でも続きます。今回のプランの「Top Floor Room」は、最上階にある41平方メートルの部屋です。
モロッコの職人による手作りの家具や手彫りの装飾品、統一感のある落ち着た色味。デザインもインテリアも決して華美ではなく、しかし一つ一つこだわって作られていることがうかがえます。
この部屋の最大の特徴が、中央に置かれた広めのバスタブ。モロッコの漆喰が塗られた肌触りの良いバスタブは、海と空を見渡す特等席です。
海をさらに近くに感じたいなら、バスタブの先のテラスへ。お風呂に浸かりながら、時にテラスのデッキチェアで風を受けながら。のんびりと景色を味わうのが、この部屋の正しい過ごし方かもしれません。
静かな夜をモロッコランプの灯りが照らす
日が暮れればあちこちでモロッコランプが灯り、まるでホテル全体が美しいランプのよう。人里離れた森の中のホテルに、ひたすら静かな夜が訪れます。モロッコ料理を取り入れたコース仕立てのディナーとともに、しっとりとした南国の夜を楽しんでくださいね。
新鮮野菜、ハーブ、スパイスで目覚める朝
目の前の海から日が昇り、リヤドランプに朝が訪れます。おいしい朝食で芯から体を目覚めさせましょう。楽しみに訪れるリピーターが多いという人気の朝食は、酵素ジュースから始まります。
ホテル近くの農家から毎日届けられる新鮮な無農薬野菜やハーブ、スパイスを使った、野菜がメインのヘルシーメニューは目にも鮮やかで、元気になること間違いなし。プールサイドで海を見ながらいただけば、また非日常な一日が幕を開けます。
どこにも行かず、美しい宿で過ごす2日間
リヤドランプの全ての部屋に、テレビは置かれていません。その代わり、波や風の音、木々の揺れ、小鳥のさえずりなど、たくさんの自然の音にあふれています。たっぷりの太陽の日差しが織りなす陰影があり、夜にはモロッコランプが作り出す温かい灯りがあります。
「朝夕2食付きの2連泊」のプランをご用意しているのは、そんな南城市の自然とオーナーが作り出した、贅沢で豊かな空間にたっぷり浸っていただきたい、という想いから。あちこち行く必要はありません。ただリヤドランプに滞在して、満ち足りた2日間を堪能してはいかがでしょう?
沖縄支部(沖縄県南城市担当) / 仲濱 淳(なかはま じゅん)
生まれも育ちも埼玉県。東京でテレビ制作会社、出版・イベント会社へ勤務するかたわら、海ナシ県で育ったせいか海への憧れが異常に強く沖縄病に罹患。沖縄の観光系企業への転職を機に13年前に移住し、Webマガジン、情報誌の編集を経て、フリーランスに。うちなーんちゅの夫と娘とともに、海がかろうじて見える那覇に住んでいます。
那覇から近いながらも豊かな自然が残り、リゾートシティ化されていない南城市は、沖縄らしい景色を味わえるベストな場所だと感じます。