21年目を迎えた、浦安市舞浜の地ビール
千葉県浦安市舞浜にある「イクスピアリ」は、東京ディズニーリゾート®内の商業施設です。その誕生と共に舞浜の地ビール「ハーヴェスト・ムーン」は生まれました。「ハーヴェスト・ムーン」は直訳すると「収穫の月」「中秋の名月」。収穫をお祝いする気持ちと、ビールを飲む喜びを楽しんでもらいたいとの願いが込められています。
日本にわずかしかないビアテイスターの最高位資格「マスター・ビアジャッジ」の称号を持つビール職人が、ビール本来の味わいにこだわって造りました。21年たった今では、地元の人から「祝いの席や正月などのハレの日はハーヴェスト・ムーン」と親しまれる、浦安に欠かせないクラフトビールとなりました。今回の返礼品はビール職人が時間をかけて造りあげた、「ハーヴェスト・ムーン」を代表する5銘柄を詰め合わせた12本セットです。
イクスピアリは体験を意味するExperience(イクスペリエンス)とペルシャ神話に登場する優しく善なる妖精peri(ピアリ)の2つの言葉から作られた造語。独自の物語と歴史に基づいて形成された、他に類を見ない商業施設です。「ハーヴェスト・ムーン」はイクスピアリの4階にある醸造所で造られ、すぐ隣にはビアホール「ロティズ・ハウス」があり、シーズンビールを含め、全種類を飲むことができます。
ビール界に飛び込んだのは「面白そう!」という気持ち
ハーヴェスト・ムーンの醸造所を任されているのは、ビール醸造責任者(ブルーマスター)・園田智子さん。1996年、社内の掲示板でビール職人を募っていることを知り、「面白そう!」という好奇心から応募したのだとか。選ばれたメンバーは園田さんともう一人。どちらもビール造りは全くの素人でした。そんな2人から、今や人気のクラフトビールが生まれたとは驚きです。
2人は、開業準備のため、国内の地ビールメーカーに出向いたほか、ビールメニュー開発のために欧州へ3週間ほどクラフトビールの研修に出掛けたり、日本地ビール協会が主催する「ビアテイスター」の資格を取得したりとビール造りを一から学んでいきました。「周りにもビール醸造に詳しい人がいなかったので、すべて試行錯誤でした。でも苦労やプレッシャーよりもワクワクの方が強かったです」と園田さん。
園田さんが追い求めたビールの理想の味とは
海外の研修中に知った、ビールの多彩な味を日本の人にも知ってほしいと、種類を厳選し、試作を重ねて開発。そうして、シュバルツやペールエールなど定番5銘柄のクラフトビールが誕生しました。「ハーヴェスト・ムーンは“きれいな味”を心掛けています。酵母が働きやすい環境をいかに作るかでビールの味に大きな影響が出ます。なので、醸造所の温度管理など基本的なことに非常に気を使っています」
では、5銘柄それぞれの特徴を園田さんに教えてもらいましょう!
園田さん「『ピルスナー』(写真左)は一番親しまれているビール。少しでも雑味があれば気付かれてしまうので、気を使って味を調整しています。ハーヴェスト・ムーンの中で最もニーズのある一本です。黒ビールの『シュバルツ」(写真右)は独特の風味が特徴です。チェコで出会った黒ビールがすごくおいしくて。その時の感動を届けたいと思って仕上げました。ホップの苦味を抑えめにして、焦がした麦芽を使って色を出しています。甘味が弱いとコクがなくて、強いと甘ったるくなってしまう。風味もスモーキーになりすぎないようバランスが難しかったですね」
「ピルスナー」と「シュバルツ」が、スッキリした風味になる「ラガー酵母」を使用しているのに対し、次に紹介する3つのスタイルはフルーティなフレーバーを醸し出す「エール酵母」を使用したビールです。
園田さん「『ブラウンエール』はアメリカタイプのもの。ホップの特徴がよく出ていて、グレープフルーツのような香りをほのかに楽しんでいただけると思います」
一方、「ペールエール」(写真左)はイギリスタイプ。ホップを控えめにして麦芽のほんのりとした甘みを感じるように造られています。
園田さん「『ベルジャルスタイルウィート』(写真右)は多くのビールは大麦の麦芽を使う中、小麦も使っているのが他との大きな違いです。オレンジピール、コリアンダーを風味付けに使っていて、フルーティで爽やかなのでビールが苦手な人にもオススメ。ハーブスパイスの特徴を出しすぎない良い塩梅にするため、試作を重ねました」
2021年は「ペールエール」が世界五大ビール審査会の一つである「インターナショナル・ビアカップ 2021」クラシック・イングリッシュスタイル・ペールエール(ボトル/缶 部門)銅賞を受賞。世界で3位と十分すごいですが、「金賞を目指していたので、うれしさよりも悔しさがあります。審査会は提供の仕方やタイミングも問われるので、何がだめだったか分析してまたチャレンジします」と、園田さんはさらに高みを目指します。
「ハーヴェスト・ムーン」で広がる料理の世界
味わいも風味も異なる5銘柄それぞれの特徴をいかした、料理とのペアリングも園田さんに聞きました。
園田さん「『ピルスナー』との組み合わせで提案するのは、塩で食べる天ぷら。特に山菜などの苦味がある天ぷらとの相性がいいと思います。『シュバルツ」にはタレの焼き鳥が鉄板です。ほかにも、風味がコーヒーに近いので、カラメルを使ったケーキなどスイーツにも合い、中でもバニラアイスが一押しです。『ブラウンエール」のカラメルの香ばしさに合うのは肉料理全般。特にグリルを使った料理や、金目鯛の煮つけなど甘辛系の煮物と合います」
園田さん「『ペールエール』と一緒に食べたいのはクリーム系の料理。クリームソースを使った白身魚のソテーや、エビマヨやポテトサラダなどと相性が良いです。『ベルジャンスタイルウィートは5銘柄の中で最もアルコール度数が低く、口当たりもあっさり。サラダにもエスニック系の料理にも合います」。お話を聞いていると、ビールの味わいを楽しむために料理の幅も広がりそう!
家でも浦安・舞浜を感じながらビールを味わおう
お届けするビールのラベルにはイクスピアリの街並みが描かれています。浦安に来て、観光しながら「ハーヴェスト・ムーン」を楽しむだけでなく、ラベルからイクスピアリのワクワクする街並みを感じるのもステキですよね!
5銘柄を飲み比べしたら、ご自身の好みも見つかるはず。「きれいな味を目指したビールなので、クラフトビールへの入り口になってほしい」。そう語る園田さんの笑顔に、ビールへの愛をたっぷりと感じました。
関東支部(千葉県浦安市担当) / 『ちいき新聞』編集部(ちいきしんぶんへんしゅうぶ)
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浦安市は、一大テーマパークの存在で全国的な知名度を誇りますが、もともとは漁師町で、人情味あふれる雰囲気も残っています。