自然との距離が近い高知から誕生したアウトドアグッズ
東西に長く、周りを海と山と川に囲まれた高知県。高知市中心街からも、少し足を伸ばせば、自然と触れ合える場所がそこかしこにあります。高知と言えば坂本龍馬にカツオのタタキといった二大名物がありますが、ほかにも日照率の高い土地を活かした特産物や絶景スポットなど、たくさんの見所があります。中でも、人気なののが大自然の中で非日常を味わうアウトドアスポット。今回ご紹介するキャンプテーブルも、そんな高知の自然の中で誕生しました。
手掛けたのは、高知市内で広告会社を運営する「株式会社オプション」。月に一度はキャンプに行くほどアウトドア好きな山本社長と従業員の佐藤さんが、「こんなキャンプ用品があったらいいな」という想いからアイテム作りがスタートしました。
使用しているのはこだわり抜いた高知県産ヒノキ
木製のキャンプ用品は数あれど、そのほとんどが外国製の木材によるもの。ただグッズを作るのではなく、高知らしさを絡めて商品開発できたらと、高知県産の「土佐桧(ヒノキ)」に着目します。一般的に使われている樫などに比べて、軽く持ち運びに便利。見た目の美しさ、ヒーリング効果が高いといわれているヒノキ特有の香りと、素材の良さを最大限に生かしたキャンプテーブルが誕生しました。実際に、このテーブルに触れてみるとなだらかな手触りに加え、ほんのりとヒノキの香りが漂います。さらに、組み立てる際に使用する釘やネジが見えないように、施工した上からパテを埋め込み、さらに磨いて、ヒノキ本来の質感を大事にしている商品でもあります。
キャンプ好きが手がけるアウトドアガレージブランド
ブランド名の「196」は、山本さんと佐藤さんがよくキャンプに訪れる四万十川の長さ196kmに由来します。川の源流点から太平洋へとつながっていくその雄大な196kmに想いを馳せて名付けました。
元々ホームページ製作などを通じてお付き合いのあった、高知の夏の祭り・よさこいに欠かせない鳴子を製造している老舗店「鳴子工房こだかさ」からも、鳴子以外に何か土佐桧(ヒノキ)を使った商品ができればと依頼をされていたことも相まり、2人のキャンプ愛がさらに加速! キャンパーのニーズとそれをカタチにできる職人とのコラボレーションが実現したのです。
最初に完成したのは、ヒノキのハンガー。それから、炭火の上に設置する三本脚の器具・五徳と「196」の商品が登場しました。そして地面により近い場所に目線が来るようにテーブルなどをセッティングする、昨今のアウトドアのトレンド「ロースタイルキャンプ」にヒントを得、ロータイプのテーブルの製作に取り掛かりました。さらに、ネット記事やアウトドア雑誌に紹介されると一気に全国から注目されるようになり、「FIELD STYLE」といった、県外で開催されるアウトドアフェスにもブース出店するほど、「196」の人気と認知度が高くなっていきました。
納得のいく仕上がりになるまで試行錯誤を繰り返す
アイテム製作といっても、すぐに完成品が仕上がるわけではありません。アイデアを出し合った後、2人が訪れるのは工房ではなくホームセンター。まずは自分たちで試作に試作を重ねます。実際に使ってみたり、キャンプ仲間の声を反映させてみたりと納得のいくカタチにたどり着くまでの道のりは長いですが、その様子はとても楽しそう。
「実際に使うからこそ、僕らが思う、あったらいいな!っていうものを商品にできるがよ」と話してくれました。今では、フォークなどの小物から、スパイスラックといった実際に家でも使えるものまで、約40種類のアイテムを産み出しています。
ベテランの職人たちによる細やかな仕事
設計図が決まったら登場するのがベテランの職人さんたち。長年ものづくりに携わってきた彼らの手によって、想いがカタチになっていきます。ヒノキの製材から加工まで、一つひとつを手作業で行うため、大量生産の商品と違って時間がかかります。その分、仕上がりが細やかで、長持ちする製品を実現しています。すべてを手作業で行っているというその言葉の通り、ちょっとずつ違う商品の表情に愛着もひとしお。
使うごとになじんでいくヒノキの変化を楽しむ
こちらの商品でのもう一つの楽しみ方は、ものを育てていくというところです。木がなじむように、まずテーブルが届いたらやってほししいのがオイル塗り。自宅にあるオリーブオイルでも構わないので、布に染み込ませたオイルを塗ってみてください。使っていくうちに、色がどんどん味わい深くなっていき、ヤスリをかけてメンテナンスしてあげると、自分の手になじむものになっていきます。また、最近では野外での本格キャンプのほか、「べランピング」など“おうちキャンプ”のニーズも高まっています。たまにしか使うものではなく、キャンプ用品を日常に取り入れるのも、生活を豊かにするヒントになるのかもしれませんね!
キャンプテーブルから始まる高知の森林保全
196ブランドが土佐桧を使うのにはもう一つの理由があります。それは「高知の森を守りたい」という想い。高知県は森林面積の割合が83.4%と、全国1位の森林率で、昔は林業も盛んでした。現在は、その担い手の減少がたびたび問題視されるほど深刻化しています。質の良い森を維持し、高知の林業のニーズが少しでも増えてくれたら高知の活性化に一役買えるようになるーー。
そんな想いもこの196のブランドには込められているのです。キャンプ好きが高じて始まった土佐桧のアウトドア用品。まずは土佐桧をふんだんに使い、その質感や香りを一番感じることができるキャンプテーブルに触れてみてください。
▼ほかにもこちらの品もございます