床寝(とこね)と製麹(せいきく)は、米麹をつくる工程です。
浸漬によって適度に吸水した米を蒸米機でほどよく蒸します。米の香りや味を確認し、指でひねり潰してやわらかさを確認したのち、適温まで冷やして麹菌の胞子を蒸米に接種します。これを種付(たねつけ)といいます。
種付を終えた蒸米を床寝室(とこねしつ)に移動し、麹菌が繁殖しやすい温度・湿度で管理しながら一晩寝かせます。
その後、製麹室(せいきくしつ)に移します。麹菌の繁殖が進むと麹の品温が高くなります。
しかし、麹菌は自分の出した熱でありながら、温度が高くなりすぎると一部が死滅してしまうのです。
そうならないよう、温度の上昇を防ぐための撹拌と送風による手入れ作業を実施して温度を調節しながら一晩管理します。
味噌づくりにおいて最も真面目さ、丁寧さが求められる二晩を乗り越えて、ようやく米麹が完成します。