大雪山の自然が育んだ旬の野菜果物をお届け
北海道最大の上川(かみかわ)盆地のほぼ中心に位置する旭川市は、道北エリアの中核都市です。最も暖かい8月の平均気温は21.1度、最も低い1月の平均気温が氷点下7.5度で、年較差は28.6度に達するなど寒暖差が大きく、四季の変化に富んでいます。
そんな旭川市からお届けするこちらの返礼品は、すべて市内または近郊で生産された農作物で、4カ月間にわたって旬のおいしさが届けられます。窓口となっているのは、市内でクラフトビールを製造・販売する大雪地ビール株式会社です。ビール会社が農作物を取り扱うことになった経緯や返礼品のおいしさについて、小野寺司さんに話を伺いました。
地域貢献できる企業として「大雪地ビール株式会社」を設立
大雪地ビール株式会社は、起業家の出資により1996年に「旭川に地域貢献ができる企業」として設立しました。明治から続いて倉庫として使われていた建物を利用して、クラフトビールの製造・販売のほか、隣接するレストランで北海道名物のジンギスカンをはじめ、地元の食材を活かした料理を提供しています。地場産の麦をビールの原料として使用するなど、地元の食材にこだわった商品づくりを行っています。
旭川特有の寒暖差が農作物をおいしくする
一般的に「寒暖差が激しい地域は農作物がおいしく育つ」と言われています。北海道の中でも旭川の夏は最高気温が高く、冬は日本一の寒さを記録するなど寒暖差が大きいのが特徴です。それによって同じ農作物でも、うまみの成分と言えるブドウ糖の蓄積量が最大になるため、おいしくなります。では、今回の返礼品の特徴とおすすめの食べ方を紹介します。
上品な甘みと食べ応えが嬉しい「赤肉メロン」
まず8月に届くのは、夏の果実を代表する赤肉メロン2玉。旭川では豊かな自然環境の中で良質な赤肉メロンが栽培されています。メロンの糖度は高いほど良いわけではなく、20度を超えてしまうと味がぼやけてしまい、おいしさが損なわれます。返礼品のメロンはバランスのよい糖度を保っているので、しっとりとした歯触りと、上品な甘みが楽しめます。大玉と呼ばれるサイズを発送しているので、食べ応えも十分です。
フルーツのようなジューシーな味わい「とうもろこし」
その翌月には、瑞々しさがつぶに詰まったとうもろこしが届きます。特に白いとうもろこしは、糖度が上がりすぎると粉っぽくなり、食味が下がってしまうため栽培が難しく、一時期は生産している農家がほとんどおらず、「幻のトウモロコシ」とも呼ばれていました。劣化が早いので、収穫後はスピーディに発送しています。甘みがあり鮮度も抜群。茹でたり焼いたりするほか、フルーツのように、そのまま召し上がっていただくこともできます。ジューシーな味わいに驚かれることでしょう。
北海道の大地の香りがする「じゃがいもと玉ねぎ」
10月に届くのは大雪の肥沃な土壌で育った男爵いもと玉ねぎの計10kg!男爵のデンプン価は14〜16%程と高く、加熱するとホクホクした食感が楽しめます。カレーやシチューでもおいしく召し上がっていただけますが、甘さや香りを楽しめる「蒸かしいも」や、「じゃがバター」もおすすめです。
北海道が第1位の収穫量を誇る玉ねぎも届きます。加熱すると辛み成分が飛ぶので、糖分が残り甘みを感じます。サラダや様々な料理にお使いください。
冷めてもおいしい人気品種「なつぼしのお米」
ラストのお届けは、CMが好評で道外での人気も上昇しているななつぼし5kgです。甘みと粘りバランスがよく、北海道では最も食べられている品種です。ほどよい甘みで、冷めてもおいしさが長持ちするため、お弁当にも最適。返礼品の「大雪山見て育ったの」は、旭川米生産流通協議会が認定した旭川地区でとれたお米だけを使用した市内4農協の統一ブランド商品です。
旭川の魅力を全国に伝えたい
大雪地ビールが地元の農作物を取り扱うのは、多くの方々に旭川に興味を持ってもらうためだと小野寺さんは言います。地域に貢献する企業として、自社製品以外のポータルの役割をも担うことで、旭川ブランドを広めていきたいと考えています。「近年では繰り返し利用する方も多くなり、生産者も手ごたえを感じているようです。地域の中でもより良いものを作ろうという流れが大きくなっていますね」。
旭川は自然の宝庫。大雪山系の山々には北海道の固有種「ナキウサギ」をはじめ、さまざまな野生動物が生息しています。山の源流から流れ出した清らかな水は、大地に潤いをもたらし、おいしい農作物を育てています。「返礼品で旭川の良さを知っていただき、その次は旅行で訪れてほしい」と小野寺さん。どこまでも広がる田畑をトラクターが耕している姿や、風に揺れる稲穂を実際に見ることで、返礼品をよりおいしく感じることができますよ。
北海道支部(北海道旭川市担当) / 吉田 匡和(よしだ まさかず)
札幌市出身、在住。社会福祉士の資格と経験を持つ異色の「おでかけ系ライター」。2016年にフリーライターに転向し、2017年に個人事業所「ブーレオルカ」を設立しました。「楽しさが伝わる」、「すべての人に有益である」、「記憶に残る」の3つを信条に執筆しています。
旭川駅から少し離れると、昭和の香りが漂う街並みが残っており、昔ながらの味を提供している飲食店もあります。取材の日は少し肌寒く、旭川ラーメンで体を温めて帰りました。この道何十年のご主人が作る一杯が染みわたりました。