★ピザハウス★お食事券

沖縄県民から愛される「ピザハウス」

1958年に創業し、おいしいお肉やピザで沖縄県民から長年信頼を獲得してきた「ピザハウス」。米軍嘉手納（かでな）基地に隣接する旧コザ市からはじまり、道路工事の事情などで一度は閉店しましたが、2017年に浦添市で復活しました。

「沖縄の人たちにいろんな美味しさのお肉を食べてもらいたい」が創業者の口癖だったと話すのは、3代目オーナーの坂本昭司（さかもとしょうじ）さん。実は坂本さんは、“料理の鉄人”でおなじみのフレンチの巨匠・坂井宏行シェフの一番弟子。師から料理への姿勢を教わった坂本さんは、ピザハウスの再開を即決できなかった、ある思いがあったそう。

「先代である父は焼き方や質、接客にもかなりこだわり抜いていたので、その想いが通じたのかピザハウスは根強いファンが多い店でした。前店舗のスタッフやお客様、家族や親戚からも『一刻も早くオープンさせて』とずっと言われてきましたが、先代が築き上げたものが大きすぎたので、そのまま手をあげて自分がやるのはちょっと、と思っていたんです」

“熟成”と出合い、新たなピザハウスの誕生へ

継ぐならば先代が残してくれたものだけではなく、自分の力で生み出したものがひとつでもある状態でオープンさせたい。そう思っていた矢先に出会ったのがドライエイジングでした。ドライエイジングは、専用の熟成庫で温度や湿度、風、菌を厳密に管理し、30日以上もの長い時間をかけて、ゆっくりと肉を熟成させていく方法。難易度は高いものの、よりお肉のうま味を引き出せます。先代がこだわったお肉をさらに追求できることもあり、坂本さんは「これだ！」と思ったそうです。

その後、坂本さんは持ち前の行動力でアメリカにあるドライエイジング発祥の店に足しげく通い、食事やインタビューを通して技術習得に励みました。そして熟成だけにとどまらず、わけてもらった菌をもとに専門家と共同し、沖縄の肉に最適な菌の開発もスタート。というのも沖縄のお肉は温暖な気候により水分が多く、熟成時の水分調整がかなり難しいのだそう。菌の培養から自社で行うことによって、２年の歳月を経て県産肉のうま味や栄養素を活かした熟成肉作りに成功。そうしてお肉の加工品の製造販売からすべて担う店としてパワーアップし、ピザハウスは復活を遂げました。