コク深いミルク感と「雪のような口どけ」
やわらかな“おぼろ月”を思わせる丸いフォルムに、サラサラの粉雪をまとったようなチーズケーキ。その形を見ただけで「ルタオのドゥーブルフロマージュ!」と、弾む声が返ってくるほど、小樽を代表する人気のスイーツです。
1999年の販売開始から、累計2000万個を売り上げ、小樽市のふるさと納税返礼品で“2年連続1位”に輝くなど、その人気の高さは折り紙付きです。
「奇跡の口どけ」と絶賛されるドゥーブルフロマージュは、濃厚なミルク感を味わえるベイクドチーズケーキに、繊細な口どけが楽しめるレアチーズケーキの2層仕立て。
厳選したオーストラリア産クリームチーズと、イタリア産マスカルポーネチーズを使用し、バランスよく調合しています。食べた瞬間、豊かな香りとコクが広がり、とろけるような食感が魅力です。
ルタオの命は「特製の生クリーム」
「ルタオの商品づくりの軸は生クリームです。1年近くかけてたどりついた独自の生クリームで、食べた瞬間、ミルクの濃厚な味わいが広がり、香りがふんわりと抜けていきますよ」と、ドゥーブルフロマージュの開発に携わり、現在も腕を振るうパティシエの伊藤浩三さん。
洋菓子の命ともいえる、生クリームのつんとした白いツノに、思わず見とれてしまいます。このオリジナル生クリームがルタオで作られる洋菓子のベース。また、ドゥーブルフロマージュは、1999年の発売当初から少しずつ改良を重ね、おいしさの進化を続けているそうです。
今回の返礼品は、このドゥーブルフロマージュとジャージーミルクロールの小樽限定セットです。早朝7時、小樽観光で外せない堺町通りにあるルタオ「パトス店」におじゃましてきました。通りからも、スイーツ工房の様子がよく見える人気のスポットです。
パティシエの笑顔が見える店
1998年に小樽の街で開業したルタオは、創業当初からドゥーブルフロマージュなどのスイーツで人気を博し、観光客はもちろん、地元民に愛されている洋菓子店。
「小樽の街に、新しい洋菓子の文化を創りたい」と掲げた、創業時の思いは大切に受け継がれ、この日も若手のパティシエたちが、まっすぐな眼差しの中、作業をしていました。
クラムで2層のおいしさを包み込む
ドゥーブルフロマージュの表面を包む工程を見せていただきました。できたてのチーズケーキはとてもやわらかく、手で持ち上げるだけでも至難の業。レアとベイクド2層のおいしさを、ここでふんわり整えます。
「こちらの粉状のものは、スポンジケーキなどを細かく粉砕したクラムという素材です。最後にまんべんなくつけて、仕上げていきます」と、立川佳祐パティシエ。まもなく完成…という段階で、愛おしそうに優しくクラムをつけていました。
冷凍技術の開発で全国区の人気に
発売から圧倒的な人気を誇るドゥーブルフロマージュでしたが、「どうにか宅配をしてほしい」という要望が増え続け、原料や製法を見直しながら冷凍技術の開発に着手。3年の歳月をかけて生まれた技術は、「解凍しても、おいしさそのまま」という難題をみごとにクリア。冷凍での発送を実現しました。
解凍時間で違う味わいを楽しんで
「冷凍で到着後は冷蔵庫で5~8時間、完全に解凍させてから、ふわふわでとろけるケーキも食べていただきたいですが、夏は3時間ほどで半解凍させ、アイスケーキのような食べ方もおすすめですよ」と、ルタオ営業部の佐々木絵里さん。好みのやわらかさで味わえるのも、冷凍発送の良さといえますね。
ここで佐々木さんに、小樽限定セットBのジャージーミルクロールについて、お話を伺いしました。
驚きのふわふわ感を実現!
「北海道産の良質な素材にこだわって完成したジャージーミルクロールを、ひとりでも多くのお客様に知っていただきたいと考え、人気のドゥーブルフロマージュと合わせて販売をはじめました」
どこまでもフォークが沈んでいくようなふわふわ感(伝わりますでしょうか…)!北海道産小麦粉「ゆきんこ」をはじめ、生クリームや全卵に至るまですべて北海道産の素材を使ったスポンジの中に、ジャージー牛乳にマスカルポーネチーズを合わせたクリームを巻き込んでいます。
希少で栄養価の高い十勝産ジャージー乳
ジャージーミルクロールで使用している牛乳は、北海道十勝地方の加藤牧場産。自家配合の飼料にこだわり、1頭1頭大切に育てられたジャージー牛は、ホルスタイン種の1/2ほどしか乳量がとれない希少なもので、たんぱく質やミネラルなどの栄養価が高く、濃厚で甘みのある味わいが特徴です。酪農王国・北海道でも、ジャージー牛を飼育している牧場は、ごくわずかなのです。
そのジャージー牛乳をミルクジャムにした後、特製生クリームに練り込んだことで、牛乳をそのまま使うより、しっかりとしたミルク感が味わえるようになりました。このひと手間で、極上のコクが生まれるのですね!
生クリームのお話を伺っただけで、かなりの幸福感に包まれていますが、ロールケーキは生地も命。きめ細かくしっとりと焼き上げられたスポンジに、たっぷりと巻いて完成です。
定期的に食べたくなるロールケーキ
ちなみに、日本でロールケーキが登場したのは1950年頃(諸説あり)。
ルタオのジャージーミルクロールは2016年生まれと、この世界では新参者かもしれませんが、すでに多くのリピーターの舌を虜にしています。驚くほどふわふわなため、到着後は、ほんの少し固めの解凍で、切り分けたほうがいいかもしれません。
ルタオの意外な店名の由来
小樽観光の中で、特に人気が高い「メルヘン交差点」にあるルタオ本店。店名の由来は、小樽(オタル)の地名を、単に逆さ読みにしたわけではなく、実はフランス語の「La Tour Amiti? Otaru(親愛なる小樽の塔)」の頭文字をアレンジしたそうです。
どこか遠い外国に来たような、レトロで趣のある街並みにとけ込む本店は、最高にフォトジェニック。この日も多くの観光客でにぎわい、ルタオの塔も誇らしげでした。
贈り物に迷った時、間違いなく喜ばれるスイーツ
数あるチーズケーキの中で、別格のおいしさを誇るルタオのドゥーブルフルマージュ。そこに、生クリームのおいしさを思いっきり堪能できるロールケーキをセットしたことで、ご褒美感がさらにアップします!冷凍保存ができるところも、今のご時世向きではないでしょうか。贈り物に迷った時、「間違いなく喜ばれるスイーツ」として、ルタオを定番のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。
北海道支部(北海道小樽市担当) / 上坂 由香(うえさか ゆか)
札幌市生まれ。中央競馬所属のトウショウシロッコに魅せられ、2007年から競馬を始める。馬に関する著述を各種媒体で行うほか、観光Webサイトのライターも手掛ける。2010年に引退したトウショウシロッコを引き取り、警視庁騎馬隊へ譲渡後、引退馬支援のボランティア活動を開始。第6回週刊Gallopエッセイ大賞受賞。
歴史的建造物や、風光明媚な小樽運河など、北海道の観光都市として、安定した人気を誇る小樽市。レトロな街並みを堪能するなら、徒歩がおすすめ。見どころやお食事処、買い物まで、すべて歩いて回れる丁度よい距離感が魅力です。車が入れないような裏路地に「こんな素敵なお店が!」というような、新しい発見もできて、春夏秋冬、何度行っても、飽きの来ない魅力的なまちです。