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【期間限定・数量限定】 和歌山県近畿大学水産部から11月に入荷した稚魚(4~5cm)を、約2年間育てます。 瀬戸大橋のたもとで、潮流が速く、他の同業者もいない、きれいな海水の中で、 イカナゴ、アジ、サバ、を魚粉と練り合わせたものを食べさせて育てた、とらふぐ(えびすふぐ)です。 ◆お礼の品のお問合せ先◆岩中水産有限会社(TEL:(昼)0877-43-0937/(夜)0877-43-0424/(昼)090-4785-5643/090-5144-4097)
瀬戸内海にはたくさんの島々が浮かんでいますが、その中でも香川県と岡山県に挟まれた備讃瀬戸(びさんせと)と呼ばれる海域の西エリアに浮かぶ大小28の島々を、塩飽諸島といいます。この海域は、たくさんの島々によって形成される入り組んだ地形によって、世界有数の複雑で激しい潮流が生み出されることで有名です。塩飽諸島の人々は、そんな難解な潮の流れを乗りこなしながら、「塩飽海賊衆」として長い歴史を積み上げてきています。
岩中水産有限会社の代表である岩中高夫(いわなか・たかお)さんも、そのうちの一人。代々塩飽の海の衆として生きてきた祖先の血を継いで、この海が育む海の幸を広く世間に届けたいと思い立ち、瀬戸大橋が開通した1988年、拠点である岩黒島(いわくろじま)にて岩中水産を立ち上げました。 岩黒島は人口100人に満たない小さな島ですが、瀬戸大橋のおかげで、四国や本州から車で往来できます。「自分らで車で直接売りに行くんや、下関や京都大阪の方まで。ようけ常連さんがおる。うちのは他とは違う、うまいうまい、言うてくれるけん」と、岩中さん。 そんな、御年76歳でもバリバリ現役の岩中さんが誇らしげに語る、岩中水産の海の幸。果たして一体どんなこだわりが隠されているのでしょうか?
岩中水産は、ヒラメやトラフグの養殖への挑戦から始まりました。岩中さんが初めて買ったトラフグの稚魚1万匹のうち、出荷できるまで生き残ったのは、たったの2匹。いくつか原因はありますが、多くは島周辺の激しい潮流に負けて、生簀(いけす)の網に絡め取られて傷ついたからだそうです。 そこからは試行錯誤の日々でした。「トラフグはハマチみたいに病気のワクチンもない。出荷できるようになるまで2年もかかる。歯が鋭くて、お互い喧嘩して傷つけるけん、稚魚のうちに歯を全部手作業で取らないかん。育てるんが手間で難しいんや」と、岩中さん。それほどまでに手を焼くトラフグに、諦めることなく向き合って30余年。今では「企業秘密やけん詳しくは勘弁して」と言ってしまうくらいの養殖方法で、年間7万匹ほどの稚魚を仕入れ、そこから8割強を季節問わず出荷できるまでになっています。
さらに、最初は苦しめられた潮流の早さも、今では味方なのだそう。「おかげでフグがよう泳ぐけん、うちのは天然物みたいにしっかり身が締まって甘いんや」と、岩中さんは笑います。与えるエサにもこだわっており、普通の漁師であれば「え~、そんなん食べさっしょん!?」と驚くような隠し味を加えることで、より旨味の強いものに育てているのだとか。 そのおいしさが多くの方から高く評価された結果、岩中水産のトラフグは「えびすふぐ」というブランドを冠するに至り、トラフグ業界では人気ブランドのひとつとなっています。 ほとんどの「えびすふぐ」は生きたまま市場に卸されますが、ふるさと納税などで直接消費者に届けるものは、フグ調理師免許を持つ息子さんがてっさに加工して出荷しているのだそう。よくあるてっさはフグの身が透けるほど薄くスライスされていますが、息子さんがさばく「えびすふぐ」はわざと肉厚にカットされており、その旨味がしっかりと感じられるようになっています。
写真は、左から娘の真美(まゆみ)さん・息子の優次(ゆうじ)さん・孫の友太(ともた)さん。 岩中水産は代表の高夫さんから始まり、お子さんやお孫さんの代も跡継ぎとして加わって、今は親子3世代で運営しています。後継者不足や消費者の魚離れなどの理由で事業継続が厳しい漁業界を嘆いた上で、岩中さんは「うちは孫までおってくれるけん幸せ」と言います。岩中水産でしか生み出せない特別な塩飽の海の恵みを、多くの人に末永く届けたいという気持ちが、言葉尻に滲み出ています。 「4月から8月は息子が漁に出て、天然のトラフグやマナガツオも捕るんや。特に8月のマナガツオはめちゃくちゃうまいけん、今後はそれもふるさと納税に出そうか思っとる。あとは孫に嫁が来てくれたら完璧や!」と、勢いよく話す岩中さん。塩飽の海の衆の血はまだまだ絶えることなく、「えびすふぐ」をはじめとするおいしい海の幸となって、きっと私たちの次の世代の食卓にまで届くことでしょう。
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