網走市ローカル魅力発掘発信ワークショップ

網走市の「ローカル」の魅力を、あなたの手で発掘・発信しよう!

取材をしてみて湧き出てくる質問、まち歩きをしてみて伝えたくなる網走の魅力

昨年に引き続き2回目「網走市ローカル魅力発掘発信ワークショップ」第1回開催

今年は「まち歩き取材体験ワークショップ」として開催

 網走監獄や流氷などで観光地としても有名な網走ですが、地域の魅力に地域の住民が気づききれていないという課題が指摘されています。自分が住んでいる地域には魅力がたくさんあるはずなのに、なぜか地域の外の人に知られていない。そもそも地域の魅力ってなんだろう?そんな課題や疑問を解決するため、昨年に引き続き2回目の「網走市ローカル魅力発掘発信ワークショップ」の第1回が、2022年8月20日に開催されました。

 昨年はコロナウィルス感染症拡大の影響で完全オンライン開催となってしまいましたが、今回は一転して会場参加限定の「まち歩き取材体験ワークショップ」としての全3回の開催になります。

ローカルの魅力は住む人の心の中にこそある

 フィールドワークの前のウォーミングアップとして、まずは座学が行われました。講師を務めたのは合同会社イーストタイムズ代表社員CEOの中野宏一さん。「あなたは地元のどんなところが好きですか?」という問いから講義が始まりました。

 現代では、インターネットで検索しても出てこないものは「何もない」と判断されてしまいがちです。それに対し、「まだガイドブックにもネットにも載っていない『住んでいる人の心の中にある地元の姿』こそが『ローカルの魅力』です」と中野さんは強調しました。

まち歩きをしてみると網走の魅力を伝えたくなる不思議

 座学が終了し、いよいよ出発です。道中のガイドをつとめるのは、網走市教育委員会・社会教育課の瀬口智大(せぐち・ともひろ)さん。

 おおまかなルートとしては、往路は、会場のエコーセンターから網走川沿いの遊歩道を通り、網走橋を渡って、向こう岸の川沿いを最下流まで。復路は、網走中央商店街を通って、再び網走橋を渡って会場のエコーセンターまで。片道15分ほどの道のりを、見出しになりそうな素材を発掘しながら歩きました。

会場のエコーセンターの裏口を出てすぐの網走川沿いの遊歩道

2020年に開通したばかりの網走橋の下のトンネル

網走橋を渡って向こう岸へ

道の駅流氷街道網走とおーろら号

帰りは網走中央商店街を通って会場のエコーセンターまで

 フィールドワークを終えた受講生からは、網走川の最下流域の進化に驚き、「新しい景色の中に古き良き網走の姿が見えてくる」との感動のコメントが聞かれました。

取材してみると次々と質問が湧き出てくる不思議

有限会社大谷蒲鉾店・代表取締役の大谷朝彦さん

 今回のフィールドワークのメインイベントとも言えるのが網走の事業者様への取材です。1件目の取材に応じてくれたのは、網走で創業66年の老舗かまぼこ店を営む有限会社大谷蒲鉾店・代表取締役の大谷朝彦(おおたに・ともひこ)さん。

有限会社大谷蒲鉾店・代表取締役の大谷朝彦さん

 昨年のワークショップにも参加した山田丈司(やまだ・たけもり)さんは、課題の見出しづくりで、「『起源は不明』網走のソウルフード 長天」という短くもそそる見出しを披露。これには、講師も「数年間講師をしている中で稀にみる出来上がり」と太鼓判。また、初参加の平賀貴幸(ひらが・たかゆき)さんは、「『網走のソウルフード・「長天」を資材や原料高騰に負けずにつくり続けたい』老舗のかまぼこ店の挑戦」という、相手の話の「カギカッコ」を取った見出しを披露。2回目以降の課題の「リード」の作成にも挑戦し、「見出しとリードが出来上がると記事の8割ができるとは、まさにこのこと」と講師も興奮気味でした。

大谷代表の話を聞き逃すまいとメモをする受講生たち

 2件目の取材対象は、流氷硝子館・工場長の軍司昇(ぐんじ・のぼる)さんです。網走市で廃蛍光灯をリサイクルした硝子原料を使用した硝子アート作品の制作・展示・販売、制作体験の提供を行っています。

流氷硝子館・工場長の軍司昇さん
流氷硝子館・工場長の軍司昇さん

 取材が進むにつれ、消極的だった受講生からも「材料としては100%廃蛍光灯を使っているのか?」「LEDに切り替わっていくにつれ、蛍光灯の廃材は少なくなっていくのでは?」「廃蛍光灯を材料として扱っている工房は他にあるのか?」「『幻氷(げんぴょう)』というグラスの流氷のように見える模様はどうやって付けたのか?」など、質問が湯水の如く湧き出てきました。

流氷硝子館の展示品に興味津々な受講生たち

2回目のワークショップに向け、魅力を発掘し取材へ

 まち歩きと取材のフィールドワークは第2回でも実施予定で、次回は、「川向エリア」にある事業者を取材します。
 第2回のワークショップまでに、今回学んだことをもとに、受講生それぞれが驚き・発見・感動に基づいた網走市の魅力を発掘してきます。そして、第2回目のワークショップでさらに見出しの取り方や取材の手法を学び、第3回では、内容をブラッシュアップして「魅力発掘発信レポート」略して「ハツレポ」として仕上げます。
 その一部はJTBふるさと納税サイト「ふるぽ」でも掲載予定です。これから、そこに住む人だから知っているとっておきの網走の魅力が「ふるぽ」で発信されるのをご期待ください。

いつもの街を歩いて再発見!行かずに知ることはできない網走がそこにはある。

8月に続き「網走市ローカル魅力発掘発信ワークショップ」第2回開催!

「まち歩き取材体験ワークショップ」を先月に引き続き開催!

 「網走」と聞いて思い浮かべるものはなんですか?網走監獄や流氷が来ることで有名ですが、地域の住民しか知らない隠れた魅力がもっとあるはず。でもそれを伝えるにはどうすれば良いのでしょうか?そんな課題を解決するため、8月に開催された「網走市ローカル魅力発掘発信ワークショップ」に引き続き、2022年9月10日に行われた第2回目も実際にまちを歩いて、網走の魅力を発見しにいきました。

 昨年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で完全オンライン開催となってしまいましたが、今回は一転して会場参加限定の「まち歩き取材体験ワークショップ」としての全3回の開催になります。

まずは前回のおさらいから!

 フィールドワークの前のウォーミングアップとして、まずは先月行われた1回目の振り返り座学が行われました。講師を務めたのは合同会社イーストタイムズ代表社員CEOの中野宏一さん。

 中野さんは「何もない」ではなく「発信されていない」だけだからこそ、今回も実際にまちを歩き、魅力を再発見し、それを発信できるようになろうと参加者へ伝えました。「見方を変えれば世界は変わる」とし、いつものまちを歩く前に視点を変えてみることをポイントとしました。

まち歩きをしてみると、知らなかったことを知ることができる!

 座学が終了し、雲が一つもないほど晴れ渡った空の下、まち歩きが始まりました。道中のガイドをつとめるのは前回同様、網走市教育委員会・社会教育課の瀬口智大(せぐち・ともひろ)さん。

 前回は中心市街地をルートとしたのに対して、今回は川向エリアを歩きました。会場のエコーセンターからモヨロ貝塚館へ向かい、遊歩道を探索し、その後牛渡水産へ向かうルートです。道中では「夏の新しい観光資源になるように」と網走青年団体連合会が取り組んでいる「網走サマーイルミネーション」について、同会にも所属している参加者自らがメガホンを持ち説明をしたり、グループに分かれ改めて自己紹介を行ったり、1回目からの期間に起こった驚きや発見を共有しあったりするような和気あいあいとした時間の中で目的地へ向かいました。

「網走サマーイルミネーション」は網走のまちづくりや地域活性化に取り組む団体「網走青年団体連合会」が運営している

グループに分かれて交流する参加者

エコーセンター横のトーテムポールも発見のひとつ

秋風が涼しく天候にも恵まれた

網走市における捕鯨船文化について説明をする瀬口さん

捕鯨船で実際に使われていた道具

なぜ?どうして?好奇心にかられて事業者様への質問がとまらない!

 前回同様、今回もフィールドワークのメインイベントとも言えるのが網走の事業者様への取材です。1件目の取材に応じてくれたのは、「網走市立郷土博物館分館 モヨロ貝塚館」で解説員を務める佐久間 麻奈美(さくま・まなみ) さん。佐久間さんは、網走市立郷土博物館友の会会員であり、日本野鳥の会オホーツク支部会員でもあります。

モヨロ貝塚館で解説員を務める佐久間 麻奈美さん
モヨロ貝塚館で解説員を務める佐久間 麻奈美さん

 「網走に住んでいるが初来館した」という受講者もおり、「瓶に穴が開いているもの、開いていないものがあるのは、なんでですか?」「これはなんで折り曲げているんですか?」などの質問が飛び交い、それに対して佐久間さんは一つ一つ丁寧に返答していました。佐久間さんは「考古学はハッキリとわからないところに想像の余地があり面白い」と笑顔で話していました。

 またモヨロ貝塚館でのフィールドワークを終えた受講者に話を聞くと「佐久間さんが詳しく教えてくれるので、どんどん質問してしまった」と嬉しそうな表情を見せました。

丁寧に質問に返答をする佐久間さん

モヨロ貝塚館には当時の住宅が復元された展示もある

 モヨロ貝塚館の横の遊歩道には、実際に貝塚のあった史跡が残されており、復元ではあるものの当時の様子を想像しながら、驚きや発見、感動を見つけることができました。

モヨロ貝塚館

モヨロ貝塚史跡について説明する瀬口さん

史跡だけではなく、渡来時にできるアオサギの巣を見上げる受講者

 2件目の取材対象は、「有限会社牛渡水産」で代表取締役を務める牛渡 貴士(うしわたり・たかし)さん。牛渡さんは大学卒業後、建築業界で仕事をしていましたが、平成27年に家業の水産会社を引き継ぐため、ふるさとである網走にUターンしました。

牛渡水産で代表取締役を務める牛渡 貴士さん
牛渡水産で代表取締役を務める牛渡 貴士さん

 水揚げされたてのホタテの山を前に取材が始まりました。「ホタテはどこまでが食べることの出来る部位で、どういった加工をするのか?」「どこで獲っているか?」などの質問が出てきました。それに対して牛渡さんは、実際にホタテを剥きながら部位の紹介をしたり、「工場の目の前に広がる前浜で獲れるホタテにこだわっている」と産地について答えました。

 また「獲りたてのホタテの口を開けるために網走の海水を使ったシャワーを当てている」と言い、「海水の面を考えても、ここでする意味がある。網走のものが美味しいということが伝わり、網走の名前が広まっていけば、町全体が盛り上がっていく」と網走で事業をすることの意味を受講者へ伝えていました。

ホタテが自然に口を開けるように、海水シャワーを当てている

重要な部分を聞き逃さないように牛渡さんの話や様子を記録する受講者の姿

 受講者からの「出荷先は国内だけなのか?」という質問に対して、「牛渡水産では香港や台湾へ輸出している」と聞くと、受講者からは「海外でホタテを食べると網走産のホタテの可能性があるんだ!」と驚く声が上がりました。

水産加工場前の前浜で獲られているホタテ

3回目のワークショップでは、取材した魅力を記事にしよう!

 「川向エリア」のまち歩きと取材のフィールドワークを行った2回目。今回学んだことをもとに、受講生それぞれが驚き・発見・感動に基づいた網走市の魅力を記事にしていきます。最終回でもある3回目では、2回のまち歩きフィールドワークを元に記事として仕上げ、網走の「魅力発掘発信レポート」略して「ハツレポ」として完成させます。
 その一部はJTBふるさと納税サイト「ふるぽ」でも掲載予定です。そこに住む人だから知っているとっておきの網走の魅力が「ふるぽ」で発信されるのをご期待ください。

網走を想う気持ちを記事に。街を歩いて見つけた魅力から、読み手に伝わる記事を書く!

「網走市ローカル魅力発掘発信ワークショップ」の総まとめ、第3回が開催!

「まち歩き取材体験ワークショップ」の総まとめ。8月開催の第1回、前日に行われた第2回で見つけた魅力を記事に!

 全3回で構成された「網走市ローカル魅力発掘発信ワークショップ」では、初の試みとなる「まち歩き取材体験」が行われました。8月に開催された第1回、前日に行われた第2回では実際にまちを歩き、事業者様へ取材を行い、まちの魅力を再発見しました。総まとめとなる今回は2回のまち歩きを元にした記事の作成や、自分の好きな網走の魅力を執筆し、その記事を参加者全員でフィードバックする座学の講座でした。

 昨年度は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で完全オンライン開催となってしまいましたが、今回は一転して会場参加限定の「まち歩き取材体験ワークショップ」としての全3回の開催になります。

地域に住む人が知っている網走の魅力が伝われば、多くの人に広がっていく!

 全3回の講座で講師を務めたのは合同会社イーストタイムズ代表社員CEOの中野宏一さん。8月に開催された第1回、前日に行われた第2回でまちを歩き見つけた魅力を第3回では記事にまとめる座学中心のワークショップでした。

 中野さんは「自分が一番伝えたい内容の軸を決めること」そして「相手に伝わるように書くこと」が重要だと参加者へ伝えました。他の市町の事例を織り交ぜ、その土地の前情報が全く無い相手に、この土地のことが伝わっているのか実際に記事を読み、受講者と一緒に確かめながら講座を進めていきました。

 続けて、「みなさんが知っている網走の魅力が伝われば、多くの人に繋がっていく」と伝え、「その土地を、ふるさとと想う人の輪を広げていく。発掘してきた魅力を『魅力発信レポート』へ仕上げましょう」と会場の士気を高めていきました。

まち歩きをして見つけた魅力や、自分の好きな網走の魅力を伝えるために記事を執筆!

 執筆前の座学が終了し、受講者達はそれぞれ自分のパソコンや携帯、ワークショップ資料を使いながら、自分の伝えたい網走の魅力とは何かを洗い出し、記事を書き進めます。
講師の中野さんは、記事を書く受講者に対し、「記事を書く時に重要なことは10文字程度の見出しに『感動/伝えたいこと』を入れること。その後になぜそう思うのかを入れ、『主観と客観のコンビネーションを取ること』が大切だ」と言い、執筆しやすいように随時アドバイスを伝えました。

持参した機器で執筆する受講者

ワークシートを使いながら、伝えたい魅力について洗い出す

作成した記事は提出前に再度自分で読み込みをし、誤字や脱字がないか確認をする

書いた記事をみんなにシェアしてみよう!

記事を共有する山田さん

 前2回のまち歩きで見つけた魅力を記事にしたり、昨年オンラインで参加した受講者は、その時に書いた記事をアップデートしたり、と思い思いに執筆し、記事を共有します。昨年から2年連続でワークショップに参加した山田丈司(やまだ・たけもり)さんの記事から共有がはじまりました。講師の中野さんは「リードが上手すぎて鳥肌が立ってきた」と興奮している様子も見せていました。

記事を共有する山田さん

 またワークショップ初参加の平賀貴幸(ひらが・たかゆき)さんは、自身が2年間手伝いに行っているホタテ専業漁師での出来事を記事にし、身振り手振りを交えながら会場へ共有しました。

時に身振り手振りを交えながら、記事について説明をする平賀さん
時に身振り手振りを交えながら、記事について説明をする平賀さん

 ホタテの赤ちゃんが元気に激しく泳いでいる姿を初めて見た時に「まさに生命の神秘に触れた。これはもうやめられないなと思う」と、自分の感じた驚きや発見・感動を盛り込み、記事を作り上げました。それに対し講師の中野さんは「パーソナルな感動がしっかり描写されていることで、読み手にもっと読みたいな、気になるな、と思わせることができている。平賀さんが感動した作業について、もっと話すと伝わりやすくなる」と講評を行いました。

記事への講評を思い思いにメモを取る

記事の共有後は拍手が起き、終始温かい雰囲気の中ワークショップが行われた

「情報よりも自身の感動を!」地域を想う気持ちを記事に込めて伝えていこう!

 第1回、第2回のワークショップで見つけた魅力や、座学で学んだことを第3回では執筆・内容をブラッシュアップし「魅力発掘発信レポート」略して「ハツレポ」として仕上げました。
 講師の中野さんは「そこに驚きや発見・感動があるか、順番が合っているか、見出しが取れているか、構成がなっているか、それだけを守れば記事を書くことは難しいことではない。何よりも「情報よりも自身の感動を集めている」ことが重要」というポイントを強調し、網走を想う気持ちが詰まった記事への総評としました。

 JTBふるさと開発事業部営業第一課長の阿部貴昭(あべ・たかあき)さんは「市民のみなさんが網走を想う気持ちが、私たちのような市民以外の人にも伝わってくるということが素敵なことだなと思いました。私もすっかり網走のファンになっています」と、ローカル魅力発掘発信ワークショップで初の2年連続開催地となった網走への想いを馳せました。

 網走市観光商工部 商工労働課でふるさと納税担当を務める笹川直人(ささがわ・なおと)さんは「今回のワークショップは『始まりのきっかけづくり』でしかないので、この網走の、ローカルで新しい魅力をどんどん発信し続けて、網走市のふるさと納税にも新しい風を吹き込んでいただければと期待したい」とさらなる網走の魅力発信に期待をするコメントで幕を閉じました。

ワークショップ参加者レポート

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