そこに暮らす人の「あたりまえ」が「特別」になる。
イベントレポート:南魚沼市ローカル
魅力発掘発信ワークショップ(第1回目)
2021年10月2日、南魚沼市主催、株式会社JTBの協力で、
南魚沼市住民が地域の魅力を発掘し、全国に発信する手法を学ぶ
「南魚沼市ローカル魅力発掘発信ワークショップ」の第1回が、
合同会社イーストタイムズ運営のもと開催されました。
このワークショップでは、これまでYahoo!トピックスやBBCにも取り上げられるローカルニュースを発信してきた合同会社イーストタイムズ代表の中野宏一さんを講師に迎え、全2回に渡り地域の魅力発掘と発信の手法を学びます。
今回は、地域に暮らす人にとって当たり前のことをニュースの手法を用いて特別な魅力として発掘・発信する方法を講義。講義を受けた参加者の皆様は、後半で特ダネを予感させる地域の魅力を次々紹介。より伝わる内容になるように中野さんのフィードバックを受けました。
ふるさとを想う人の心の中に、すでに地元の魅力が詰まっている
南魚沼市は言わずと知れた日本有数の米どころ。開催日の10月初めは新米が出始めるシーズンで、実った黄金色に輝く田んぼと、刈られたての稲と土の香りが気持ち良い中でのワークショップとなりました。その美しい日本の田園風景に、パシャリと写真を撮る参加者も。
今回のワークショップでは、そんな南魚沼の自然や、豊かな食、歴史や文化の魅力を知り尽くす会場参加者6名と、リモート参加者4名にご参加いただきました。
講義でまず共有したのは、今回のワークショップの目的や概要について。地元の人だから知り得る、また他のメディアやSNSでは出てこない南魚沼の魅力を発掘し、最終的にはJTBふるさと納税サイト「ふるぽ」で掲載される記事作成までを参加者全員で学び、実践していきます。
「『自分の地元には何もない』そんなことは絶対にありません。それぞれの方の心の中にある地元の姿は、全てその土地の魅力。そんなふるさとを想う人の輪を広げる活動がこのプロジェクトです」と中野さんが、核となるコンセプトを語ります。
住民自身の「驚き・発見・感動」こそローカルニュースのネタ
続いては、地域の魅力やローカルニュースについての講義です。全国一律で流れる、政治家の事件、ウィルスについてのニュース以上に、なぜ地域面が面白いのか事例を紹介しながら説明していきます。
「ローカルニュースは、①現場性(検索すれば出てくる情報ではない)、②個別性(自身の感動があること)、③物語性があることが重要です」と中野さん。だからこそ遠くに住む記者よりも現場に近い住民自身が自分の「驚き・発見・感動」を切り口にして、そこにある物語を発信することが大事なのだといいます。「ローカル×情報発信」の分野を実践する本プロジェクトの意義の高さに触れ、参加者の方々の表情が真剣さを増しました。
伝えたい思いは、自然と言葉に力を宿す
後半は講義を踏まえ、実際に伝えたい情報を発信する時の「見出し」を考えるワークショップです。見出しは写真とともに、その発信を読んでもらえるかどうかを決める最も重要な要素の一つ。ステップを踏みながら、それぞれの想いを言葉に落とし込み、見出しとともに地域の魅力を共有し合いました。
印象的だったのは、どの発表にもれもその方らしい「驚き・発見・感動」があるため、自然と見出しや説明に力が宿るということです。皆様の発表は講義を真剣に受けていただけあり、初めてと思えない魅力的な「見出し」ばかり。さらに、読まれる見出しにするために、講師の中野さんがその場でブラッシュアップをしていきます。
例えば、プレミアム椎茸「天恵菇(てんけいこ)」については【まるでアワビ!?魚沼のプレミアム椎茸・天恵菇「山のあわび」の魅力とは!?】という見出しが。これだけでも十分魅力が伝わる見出しですが、中野さんは発表したご本人が思う「アワビよりも美味しい」という感動をそのまま伝えることを提案。その上で、「高価なのに8個買って帰る人がいる」という、実際にあった事実を盛り込むと読み手をグッと引き寄せる見出しになるとアドバイス。現場にある事実を「驚き・発見・感動」とともに伝えることが、地域の魅力の発掘・発信においてポイントになることを参加者の皆さんに改めて伝えました。
このような非常に具体的なやりとりを経て、あっという間に第1回目の約2時間半が終了しました。
南魚沼市、初の「ハツレポ」をお楽しみに!
10月31日(日)に予定されている第2回では、実際に「ハツレポ」を作成します。参加者の皆様は、それまでに南魚沼の魅力を発掘・深堀りする課題に取り組みます。
どんな新しい魅力が再発見されるのか、どのように発信されていくのか、ぜひお楽しみに!