ワークショップ参加者レポート

一番美味しいのは「手前みそ」!
老舗味噌屋が勧める「仕込み味噌」の魅力

明治23年創業の「木津糀屋」は数十年前から、お客さんの自宅でとれた米と大豆を預かって味噌を造り、それぞれの家の仕込樽の中に仕込んで熟成させる「仕込み味噌」を造っています。
以前はどこの家でも自家製だった味噌ですが、今ではスーパーで買うのが当たり前。味噌が何から出来ているかすら解らない様な時代になってしまいました。そんな中、今回お知らせする「仕込み味噌」は「自家製」の魅力を今に伝えています。


新潟県産の大豆、そして同じく新潟県産のお米から糀を造り、塩と混ぜ合わせて仕込み味噌を作り上げます。
お客様の所へ届きましたら風通しの良い、夏場30℃位の温度になる場所へ置いて熟成をさせ、秋になれば出来上がりです。
お味噌は熟成させる環境によって全く出来上がりが違ってきます。温度、湿度、またその場所特有の「住み着き酵母」の影響なども考えられます。出来上がったお味噌はまさに「手前みそ」。ご自宅で熟成させたお味噌が一番おいしく感じるのではないでしょうか?
また、ご自分の大豆やお米を使いたい方は別途ご相談下さいませ。


あわびより美味しい!?「山のあわび」
天恵菇の魅力を伝える老舗飲食店の挑戦

米の産地として有名な新潟県南魚沼市には、「山のあわび」と呼ばれるシイタケがあります。そのシイタケの名前は天恵菇(てんけいこ)。通常の3倍ある旨味を持つと言われていますが、その栽培の難しさからも稀少なシイタケです。大きさ・肉厚・旨味の三拍子揃っており、見た目やコリッとした食感などから「山のあわび」と呼ばれています。
JR浦佐駅前で創業93年の老舗飲食店「ファミリーダイニング小玉屋」は、店で提供してきた天恵菇の美味しさを家庭で味わえるようにと、「山のあわび」の名称で瓶詰めの商品開発に取り組んでいます。市や商工会の支援を受けて試行錯誤を繰り返し、特に旨味をダイレクトに味わえる「刺し身」の開発には3年を費やしました。現在は県内の百貨店でも販売されるなど、少しずつ人気が高まっています。「南魚沼の豊かな恵み、食材、生産者に思いを伝え、南魚沼に足を運んでほしい」と、小玉屋の四代目、小島さん夫婦は願いを込めています。


雪国ならではの山の恵「雪抱え猪肉」に込めた猟師の願い

私は15年間、南魚沼の山中で狩猟をしています。狩った猪の肉をより有効活用しようと、「雪抱え猪肉」の販売を始めました。命を無駄にしない方法でジビエの可能性を広め、若い人たちにも狩猟に関心を持ってもらいたいという願いも込めています。


雪抱え猪肉とは、雪深い山の中で、捕獲後すぐに内臓を取り出し腹に雪をつめた猪肉。腹に雪をつめる事により、臭みのない猪肉になります。以前は冷凍庫に入れて自分で消費していたのですが、食べきれる量ではないので、令和元年度から販売を始めました。ジビエの商品を販売するには保健所の許可が必要で、許可を取るのが大変でしたが、廃棄していた肉が販売できて命がムダにならない事が嬉しいです。
これからは、雪抱え猪肉などを通じてジビエの魅力を広め、若い人たちが入りやすい環境を作って猟友会の高齢化に歯止めをかけたいと願っています。「狩猟に携わる人を増やし、農業被害を減らしたい」と想いを込めた、「じび栄」の猪・鹿肉の商品です。


「雪に恋」する人々が集まる「雪乞い」イベント

南魚沼市は石打丸山スキー場や舞子スノーリゾートなど、10箇所ものスキー場が集まるスノーリゾート。その南魚沼市で2019年からはじまった冬に恋焦がれるイベントがある。
南魚沼市は全国でもトップレベルの積雪があることで有名だが、2019-2020年シーズンは過去に例がないほどの異常少雪となり、スキー場を含めた観光事業は大きな打撃を受けた。
そこで2020年から市内のスキー場で始まったのが、雪乞をしながら冬を楽しみにする「雪乞CAMP」だ。
2021年は10月23、24日に舞子スノーリゾートで開催された。イベントではスノーイベントらしく、スキーやスノーボードのブランドショップが出店した他、地元のキッチンカーや酒蔵のお店、子供向けのプログラミング教室のイベントなどもあり、スキー・スノボをしない人やファミリーでも楽しめる内容となった。
晴れた秋空の下でゆったり味わう時間は格別で、1日目の終わりには花火も打ち上げられた。南魚沼の秋と冬を繋げるイベントとして今後も定着しそうだ。


遊びを知り尽くした冒険者も満足させる大自然アクテビティ

南魚沼市は周囲を山に囲まれ、四季折々の大自然を感じられる。
この南魚沼の大自然を舞台に、世界で最も過酷なアウトドアスポーツといわれるアドベンチャーレースが開催され、全国各地からの挑戦者が冒険を繰り広げる。
アドベンチャーレースとは、3人一組で地図とコンパスを頼りにチェックポイントを通過し、ゴールを目指す競技だ。
山道を走ったり、マウンテンバイクに乗ったり、ラフティングボートで川を下ったりと、様々な力が試される。

エキスパート部門の24時間で総距離150キロ超を夜通しノンストップで進む本格的な競技の開催は日本でも数少ない。
南魚沼市でアドベンチャーレースが開催されるのは、自然との遊びを知り尽くした冒険者たちも満足させることができる大自然にあふれているからだ。
トレッキングや川あそび、スノースポーツなど四季を通じて様々なアクテビティを自分好みに楽しめる。
トレッキングに適した整備をされたコースも多く、百名山の巻機山や霊峰の八海山など標高1800mを超える本格的な登山から、市民にも愛される標高634mの坂戸山とバリエーションも豊富。春には数多くの花や新緑、秋は紅葉が一面に広がり、市街地に近い坂戸山は雪深い冬でも市民が通い、山頂からの日の出や雲海には訪れる人々を魅了する。


南魚沼市の中央には鮎釣りが盛んな魚野川が流れ、多くの支流が周囲の山から流れている。
河川敷の整備された公園では川遊びが手軽に楽しめ、隣接する広場ではキャンプやバーベキューも楽しめて、子供たちにも人気だ。
南魚沼コシヒカリや地酒を創り出す南魚沼の大自然を心と身体で体感し、食ではお腹も満たしてくれるこの地を訪れてもらいたい。

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