住民こそ知る隠れた地域の魅力の発掘が価値になる!
記者の手法を学び、持続可能な発信力を手に入れる

丹波篠山市ローカル魅力発掘発信
ワークショップ開催

丹波篠山市ローカル魅力発掘発信ワークショップ

【Day1】
住民視点で発掘する地域愛

イベントレポート:丹波篠山市ローカル 魅力発掘発信ワークショップ(第1回目)

2023年2月18日、兵庫県丹波篠山市と株式会社JTBの共催講座「丹波篠山市ローカル魅力発掘発信ワークショップ」の第1回目講座が合同会社イーストタイムズ運営のもと開催されました。

兵庫県初の開催となる本ワークショップは、篠山市民センターとオンラインの両方で同時に行われ、丹波篠山市にゆかりのある10名の地域住民が参加者として集まりました。

講師は、これまでYahoo!トピックスやBBCにも取り上げられるローカルニュースを発信してきた合同会社イーストタイムズ代表社員CEOの中野宏一さんです。

全2回のワークショップを通じて、参加者は地域の魅力発掘と発信の手法を学び、住民自身が感じる丹波篠山の良さを届ける地域レポーターへと変身。最後は「魅力発掘発信レポート(ハツレポ)」を成果物として書き上げます。

第1回である今回のテーマは「『ローカルの魅力』とは何か」です。
ローカルの魅力の発見方法や、誰かに伝わるように伝える方法を学びました。その中で、自身が魅力だと思うトピックを考え、発表しました。そこで丹波篠山市の自治体職員が思わず涙ぐむシーンも・・・!?

雨模様の寒い日とは思えないほど熱気に包まれた時間となった当日の様子を、早速紹介していきます!

ローカルの魅力は、すでにあなたの中にある

講義の冒頭、中野さんはこれまで様々なローカルニュースの取材や執筆経験から、どんな地域でも一夜で高いアクセスを稼ぐことや世界中を賑わすニュースになりうるだろうと言いました。

その際ポイントとなるのが「あなたの驚き・発見・感動」です。

例えば、ワークショップが開催される日の早朝、中野さんは丹波篠山八上(やかみ)城へ向かいました。そこから見える景色はとても美しく、心が動いたそうです。つまり、中野さんは丹波篠山というローカルの魅力の1つに出会ったのです。

地域はまるで魅力の宝箱。
観光ガイドには載っていないような、地域住民だからこそ知っているローカルの魅力が必ずあることを教えてくださいました。

「どんな地域であっても、『私の地元には何もない』ということは絶対にないのです」と中野さん。

だからこそ、「あなたの驚き・発見・感動」を中心に見出し(記事のタイトルに相当)をとることで、地域競争に負けない、丹波篠山にしかないローカルの魅力を発掘することができるのかもしれません。
魅力発見の思考を学んだあとは、指定ワークシートに沿って、参加者の考える丹波篠山の魅力についてアイデアを出し合いました。

ローカル愛に溢れた、たくさんの「魅力」

様々なアイデアが登場したワークショップ。
ここでは、参加者から出た丹波篠山の魅力をいくつかご紹介します!

森田さんが発掘した魅力は、猪肉で有名な丹波篠山にぴったりの「囲炉裏で食べるボタン鍋」です。冬の寒い時期に囲炉裏を囲みながら味噌で煮込むボタン鍋は、高カロリーだけど格別な体験なのだそうです。
中野さんは、「単なるボタン鍋ではなくご自宅の囲炉裏で食べるからこそ心に残っているのでしょうね」と話し、森田さんらしさがより伝わるような見出しの提案をアドバイスしました。

オンラインで参加してくださった國里さんは、2009年4月から10月に行われた「丹波篠山築城400年祭」を紹介してくれました。その中で「しあわせの日〜お城ドーナツ〜」という、お城周辺のお堀をみんなで手を繋ぎ囲むコンテンツに参加した際、「四辺を合わせる="しあわせ"と感じられる」という考え方に、当時小学生だった國里さんはとても感動したそうです。

これを聞いた自治体の方は、思わず涙!
なんと当時担当していたイベントだったそうです!
時を経てもなお誰かの胸の中で輝き続ける丹波篠山の魅力に会場一同うるっときた瞬間でした。

約3時間に及ぶワークショップを通じて、魅力の発見方法を学んだ参加者の皆さん。
1ヶ月後である2023年3月に行われる第2回目講座では、いよいよ各々がハツレポ作成に向けて走り始めます。当日までに街へ出て地域の魅力を発掘し、その魅力を知る方にインタビューをしてくることが課題として出されました。

次回は、発掘した魅力をストーリー化していく様子をお届けしていきます。
どうぞお楽しみに!

【Day2】

イベントレポート:丹波篠山市ローカル 魅力発掘発信ワークショップ(第2回目)

2023年3月18日、兵庫県丹波篠山市と株式会社JTBの共催講座「丹波篠山市ローカル魅力発掘発信ワークショップ」第2回が合同会社イーストタイムズ運営のもと開催されました。

地域の名物であるボタン鍋の季節がもうすぐ終わりを告げ、春の香りを感じ始めた3月18日(土)。
「丹波篠山市ローカル魅力発掘発信ワークショップ」の第2回目講座が、篠山市民センターの現地会場で開催され、4名の地域住民のみなさんが集まりました。

前回の講義でローカルの魅力の発見方法を習得した参加者は、実際に地域に繰り出して「驚き・発見・感動」を軸に取材を行ってきてくれました。今回はその素材をもとに、講師である合同会社イーストタイムズ代表社員CEOの中野宏一さんから、伝わるように伝える技術を学び、「魅力発信レポート」=「ハツレポ」を作ります!

さて、丹波篠山のどんなローカルストーリーが出てくるでしょうか?

伝わるように伝える、たった3つのコツ

せっかく発見した「あなたの驚き・発見・感動」を軸においた魅力は唯一無二ですが、だからこそ同じ文脈を共有していない相手には伝わりづらい時があります。

では、どうすれば多くの人に伝わるように伝えられるのでしょうか。
中野さん曰く、「内輪ノリをやめる」「見出しを取り、リードを作る」「カギカッコを取る」のたった3つを意識するだけでより伝わりやすくなるとのことでした。

「内輪ノリをやめる」であれば、前提となる情報を省略しないことが重要になります。
地域の中では当たり前に使っている固有名詞も、実は地域でしか通じない言葉かもしれないということです。なので、ハツレポを書くときには、沖縄にいる人や、ブラジルにいる日系人、また、スーダンにいる日本語学習者といった、環境の違う人たちが理解できるような情報にする必要があります。そうすれば、あなたの魅力に共感する人が世界中で生まれてくるかもしれません。

唯一無二!「わたし」だから見つけられたローカルストーリー

効果的な書き方を学んだあとは、いよいよハツレポ作成に挑戦です!
フォーマットに沿ってレポートを書き上げたあとは、中野さんのフィードバックタイムです。

丹波篠山でクラフトビール事業を営む井筒さんが作成したハツレポは、『できたてのクラフトビールを醸造所併設のビアパブで楽しもう!』という見出しです。

内容も、店舗で味わえる商品ラインナップや店舗の雰囲気を中心にした記事でしたが、「他の醸造所でも言えそうな言葉を見出しに入れるのはもったいない!」と中野さん。

そこで、中野さんが井筒さんにヒアリングしたところ、クラフトビールに出会って人生が変わったという話が飛び出しました。イギリスでビール作りを学んだ経緯から、井筒さんの店舗「丹波路ブルワリー」では、しっかりとビールの味があってゆっくりと楽しめるというイギリス式の特長を取り入れた商品を揃えていることや、地域産である「丹波栗」を原材料としたビールも展開しているということも判明。自身が体験した貴重なストーリーを入れ込むことで、より魅力的なハツレポになるのではないかとアドバイスしていました。

山下さんが書き上げたハツレポは、2023年3月11日に行われた「第28回OneUpミュージックラブ」のイベントレポートです。

文章に加え、レポートに掲載する画像からも当日の活気ある音楽祭の様子が目に浮かんでくる一方、イベントというものは、オーナーの魅力、イベントの魅力、奏者さんたちの魅力などといった複数要素で構成されているので、さまざまな魅力が一つの記事に混ざると、伝えたいことが混在してしまう可能性を指摘。なので、筆者が感じた「驚き・発見・感動」の軸をどこにするか定めることで、より魅力的なレポートを作ることが出来るそうです。

「何の話題にするか」の意思を決めることの大切さを学んだフィードバックでした。

あっという間に3時間が経過し、ワークショップは幕を閉じました!
このあとは、中野さんからのフィードバックをもとに、参加者自身でハツレポをブラッシュアップしていきます。参加者渾身のハツレポは「ふるぽ」と「ローカリティ!」にて掲載されます。

ワークショップは終了となりますが、この後も丹波篠山の地域レポーターとなって、あなただからこそ発見できるその土地の魅力をどんどん発信していってくださいね!

ワークショップ参加者レポート

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