栃木市ローカル魅力発掘発信ワークショップ

栃木市の「ローカル」の魅力を、あなたの手で発掘・発信しよう!

幅広い年齢層の市民が故郷への想いで一体感。

イベントレポート:栃木市ローカル
魅力発掘発信ワークショップ(第1回目)

2021年6月19日、栃木市主催、JTB共催で、
日頃からそこに暮らす人だけが知るような栃木市の魅力を発掘する
「栃木市ローカル魅力発掘発信ワークショップ」の第1回が開催されました。

栃木市や周辺市町村の、高校生から50代まで、会場で18名、オンラインで3名が参加。数多くのローカルニュースを発信してきた講師が、地域の魅力とはなにか、それをどうしたら効果的に発信できるかをレクチャーし、後半のワークでは、参加者それぞれがこれまでの観光情報にはないような地域の魅力を発表しました。

SNS時代の「伝わる」情報発信スキルをレクチャー

 全2回の第1回目となる今回の開催。イベント前半では、これまでYahoo!トピックスやBBCにも取り上げられるローカルニュースを発信してきた講師、合同会社イーストタイムズ代表の中野宏一さんが、ニュースの手法を用いて地域の魅力と向き合い、その魅力を「伝わるように伝える」情報発掘発信スキルを参加者にレクチャーしました。

 中野さんの発言に何度も大きくうなずく方や、配布された資料の端に自分なりの補足メモをびっしりと書いている方もおり、参加者のみなさんの講義に対してのモチベーションは高く、自分たちの住む地域の良さをなんとか発信したいという熱意をにじませていました。

オンラインでも実現した場の一体感

 コロナウイルス感染拡大防止のため、今回は講師と会場をオンライン会議アプリ「ZOOM」でつなぐオンライン開催となりました。イベントの開始直後には硬かった会場の雰囲気も、講義中、中野さんの声が熱を帯びてくるとほぐれ、オンラインであることの難しさは感じられなくなりました。

 音声や表情が直接伝わりづらいといった、オンライン開催ならではの難しさもありましたが、参加者のみなさんのモチベーションが高いこともあって、イベントは盛り上がりを見せつつ進行。イベント後半の、参加者が自分が一番好きな栃木市の魅力を発表し合うワークでは、それぞれの発表に皆でリアクションしあう様子も見られるなど、講師を含めた場の一体感が出来上がっていました。

住民目線だからこそ見えてくるまちの魅力を次々と発掘

 「誰かのお墨付きがなくても、そこに暮らす人の驚き・発見・感動こそが地域の魅力なのだ」と確信を持って語る中野講師の言葉は、外側にある「ものさし」で定義されてきた、これまでのローカルのアイデンティティを揺さぶる内容でした。

 そうした講師のメッセージを受けて、イベント後半のワークでは、自分が好きな栃木市のモノ・コト・体験を参加者のみなさんが発表。自分だけのものさしで地域の魅力を見つめ、それを新聞やニュースで用いる「見出し」で表現する練習を行いました。

 

地元に根ざした惣菜屋さんのインスタ映えスポット、関東平野の広がりを体感できる栃木市太平山の知られざるビューポイント、カレーにかけても美味しい七味唐辛子など、個々人のパーソナルな感動を切り口にした地域の魅力は、これまでの観光情報やガイドブックにはないリアルな魅力と多様性に溢れていました。

ふるさとへの想いを共有した横のつながり

 イベント終了後、会場では参加者同士が自然と名刺交換を行っていました。地域への想いを持つ者同士、共感する部分があったのでしょう。それぞれの普段の活動や地域への想いについて話し込む様子も見られました。

 こうしたつながりが今後も続くよう、参加者や栃木市役所のみなさん、中野講師含む運営事務局のメンバーなど、関係者を招待した非公開のフェイスブックグループ上で、参加者のみなさんのフォローアップを継続して行っています。それぞれの投稿に講師がコメントを加え、より良い発信のポイントをレクチャー。参加者同士でコメントを付けあう様子も見られ、今後の様々な地域活動へのつながりも感じさせます。

 イーストタイムズが運営するローカル魅力発信プラットフォーム「ローカリティ!」で、今後も栃木市のレポーターになりたいと表明してくださっている参加者の方もおり、これからの地域の魅力発信にもつながりそうです。

会場とオンラインでつながったワークショップ参加者のみなさん

「ふるさとの魅力を改めて知った」住民の意識にも変化

イベントレポート:栃木市ローカル
魅力発掘発信ワークショップ(第2回目)

2021年7月17日、栃木市の主催、JTBの共催で、
日頃からそこに暮らす人だけが知るような栃木市の魅力を発掘・発信する
「栃木市ローカル魅力発掘発信ワークショップ」の第2回が開催されました。

栃木市や周辺の自治体に住む10代から50代までの参加者17人が、前回から1ヶ月の間を空けて再度集まり、この1ヶ月で掘り下げた地域の魅力を発表。それぞれ個人的な感動を切り口にして発掘された栃木市の魅力は、独自性に溢れたものばかりでした。

住民の情報発信が地域の未来を変える

 イベント序盤では、ニュースの手法を用いて地域の魅力と向き合い、その魅力を「伝わるように伝える」情報発掘発信スキルを参加者にレクチャーした前回の内容を振り返りました。

 これまでYahoo!ニュースのトップやBBCにも取り上げられるローカルニュースを発信してきた講師、合同会社イーストタイムズ代表の中野宏一さんは、SNS時代に情報の媒介となる「共感」を生み出すために最も大事なのは、情報を発信する人自身の「驚き・発見・感動」だと参加者の皆さんに改めて伝えました。

 また中野さんは、近年、単に「モノ」を買うだけのモノ消費から、そのモノの背景にある生産者の想いや物語といった「コト」にお金を払うコト消費の需要が高まっていることにも触れ、誰もが広く情報発信できるようになった現在、地域に想いを持つ住民自身がそこに住んでいるからこそ見えてくる「ディープ」な視点で情報発信をしていくことが、地域コンテンツの差別化やPRにもつながってくると指摘しました。

移住者の視点に、長年地域に住む人も驚きの声

 前回の振り返りの後、中野さんの講義を踏まえて参加者の皆さんが発掘した地域の魅力を、ニュース形式の見出しと短い文章と写真に凝縮したSNS投稿として発表していただきました。

 参加者の皆さんの投稿はどれも、そこに住んでいるからこそ分かる、情報の目が細かくディープなものばかり。地域おこし協力隊の隊員として、東京都から栃木市へ移住した国府谷純輝(こうや じゅんき)さんは、『激レア標識だらけの道!!“寺坂峠”「警笛鳴らせ」の標識16個』という見出しで、日常生活でなかなかお目にかかれない「警笛鳴らせ」の道路標識が16個もある峠の道を紹介。そのディープさに会場からは驚きの声があがり、講師の中野さんも興奮気味。外の視点を持った住民が地域を見直したとき、これまで地元の人でも気が付かなった驚きの魅力が発掘される、そんな可能性を示した発表になりました。

「ここには何もない」そんな場所なんてどこにもない

 栃木市観光交流館「蔵なび」に務める羽山理子(はやま のりこ)さんは、栃木市で行われるお祭りで引き回される「人形山車」の人形に運命を感じてしまったという若い女性に注目し、彼女の物語を通して人形山車をPRする地元若手グループと人形山車を紹介。人形山車はこれまでも様々な情報発信がされてきていますが、そこに関わる女性の物語を切り口にすることで、人形山車の新たな魅力を引き出していました。

 また、前回の参加者の皆さんの発表に刺激を受けて自らも飛び込みで投稿をしてくださった栃木市役所の島村ひとみさんは、日本最大の遊水地である渡良瀬遊水地(わたらせゆうすいち)に群生するヨシ原について、四季折々の「色」に注目し、その変化を紹介。遊水地の四季を近くで見つめてきた地元の人ならではの視点で語られる自然景観の移り変わりの様子には、数多くのローカルニュースを発掘・発信してきた講師の中野さんも感動のため息を漏らしていました。

ふるさとへの想いを共有することで住民の意識も変化

 参加者の皆さんそれぞれの個人的な「驚き・発見・感動」を切り口にして発掘された地域の魅力は、これまで知られているものであったとしても独自の視点で切り取られており、地元に住んでいる人にとっても新鮮な驚きがあるようでした。参加者のお一人は「自分たちが住んでいるふるさとに、こんなにも良いところがあったのかと改めて知りました」と振り返るなど、参加者の皆さん自身が、自分たちのふるさとの魅力に改めて気がつく機会となったようです。

 第1回と同様、イベント終了後には参加者の皆さんが会場に残って名刺交換をしたり、それぞれの活動や住んでいる地域について情報交換を行う様子が見られました。地域への想いという共通項で集まった方々は打ち解けるのも早く、すでにSNS上でもつながりができ始めています。このワークショップは、地域に想いを持った人たちがつながり、新たな取り組みの種となる関係性を築く場としても機能しています。

ワークショップ参加者レポート

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