2021年春、鈴木酒造店は「道の駅なみえ」に併設する酒蔵で、悲願だった故郷での酒造りを再開します。「浪江の漁師さんがとってきた魚と、浪江で造った酒で乾杯したいなって、震災後に、よく地元の人たちと話していたんです。ようやく、そのスタートラインに立てます」。日本酒作りは、その土地の「時間の積み重ね」だと話す鈴木さん。
10年前、途絶えてしまった浪江の時間。しかし浪江で生きた酵母によって長井で醸し続けた9年間。そしてこれからは、浪江と長井の二つの「故郷」で、お酒を介した物語を紡いでいきます。2020年は鈴木酒造店にとって節目の年。10年間の万感の想いが詰まっているのです。浪江と長井を想いながら、大切な人と杯を交わしてみませんか。