豊かな食文化が息づく城下町・金沢
加賀百万石の城下町・金沢を歩くと、あちらこちらで藩政時代の趣を残す町並みに出合います。あでやかな紅殻(べんがら)格子の町家が軒を連ねるひがし茶屋街もそのひとつ。今回ご紹介する手作りピザの通信販売専門店「森山ナポリ」は、このひがし茶屋街のすぐそばで2013年に開業しました。
新鮮な山海の幸に恵まれた金沢は、美食のまちとしても知られます。舌が肥えた人が多く、食に関してこだわりが強い土地柄。金沢の料理人たちは、味にうるさい地元の人々を満足させるべく、切磋琢磨しながら腕を磨いてきました。こうした美食文化の中で生き残るのは並大抵のことではありませんが、森山ナポリは開業から8年目に会員数が7万人を突破。その実力がうかがえます。
冷凍ピザとは思えない!本格的な窯焼きナポリピザ
ご紹介する返礼品は、もちもちの生地と、加賀野菜や白エビなど北陸ならではの具材が魅力の「森山ナポリ人気ピザ5枚セット」。キャッチフレーズでもある“冷凍ピザの概念を変える”本格的な味わいでファンを増やしてきた森山ナポリの自信作です。
セットの内容は、人気ナンバーワンの「ダブルチーズマルゲリータ」、新鮮なバジルとトマトをトッピングした「森山マルゲリータ」、イタリア産プロシュートをトッピングした「生ハムマルゲリータ」、富山湾特産の白エビを散りばめた「白海老のマリナーラ」、ヘルシーな「塩麹加賀野菜ピザ」の5枚。定番からご当地の味わいまで、多彩に楽しめる詰合せです。
開業以来、一貫して手作りにこだわる
多くのメディアやSNSで話題となり、一時期は最長で半年待ちだったという森山ナポリのピザ。増産のため2020年夏に工房を移転拡大し、現在は発送まで平均で2週間ほどになりました。新しい工房を訪ねると、常務取締役の板尾年廣(いたお としひろ)さんが笑顔で迎えてくれました。
「全て手作りというのが、開業時からのゆずれないこだわりなんです」と板尾さん。増産といっても機械化による大量生産に切り替えることはせず、これまで通り1枚1枚丁寧に手作りを続けています。「生地のもっちりとした食感は、熟練の職人にしか出せません。機械ではできないんですよ」。
サクッ、もちっとした食感の生地が生まれるまで
生地の開発にはさまざまな苦労がありました。特に研究を重ねたのが冷凍を前提とした材料の配合と、食感の際立たせ方。「耳とよばれる縁の部分の食感に、特にこだわりました。耳に触れないように生地を伸ばすことで、耳が気泡を含んだ状態になります。これを焼くともちっとした食感になるんですよ。機械で均一に伸ばしてしまうと、この食感は味わえません」。
秘伝の配合で作った生地を48時間じっくりと熟成させ、職人の手で伸ばし、550度の石窯で一気に焼くことで「耳がパンッと立ち上がる」。これが試行錯誤を重ねて生み出した、究極の生地です。
金沢らしい食材をたっぷりトッピング
返礼品のセットにも入っている「塩麹加賀野菜ピザ」と「森山マルゲリータ」を作っている様子を見せてもらいました。
トッピングの具材は、どれも選りすぐり。「塩麹加賀野菜ピザ」には金沢特産の加賀レンコン、五郎島金時などが使われます。一度グリルしてうま味を引き出すのがポイント。グリル後、ひがし茶屋街の老舗麹店から取り寄せた塩麹に漬け込んだものをトッピングします。手間がかかっていますね!というわたしの言葉に「おいしさには代えられませんから」と板尾さん。
「森山マルゲリータ」の工程には、つややかに輝く高糖度チェリートマト、みずみずしいバジルの葉が用意されていました。自家製バジルソースの香りも魅力のひとつ。鮮度の良いイタリア産モッツァレラチーズをたっぷりトッピングし、素材の良さをシンプルに味わえる一品に仕上げます。
瞬間冷凍で作りたての味わいを閉じ込める
トッピングを終えたピザは、マイナス30度で瞬間冷凍。生地の風味や食感、具材のおいしさをそのまま封じ込める重要な工程です。冷凍することを前提に、そして家庭で調理したときに最高の状態になるように手作りするのが森山ナポリのこだわり。
「工房では、生地の焼き加減を8割にしています。ご家庭で仕上げの2割を焼いていただいたときが、食感も味わいもベスト。具材も同じように、ご家庭で焼き上げたときに一番おいしい状態になるように作っています」と板尾さんが教えてくれました。
おいしさのためには、決して妥協をしない
工房を見学して、気付いたことがありました。それは職人の仕事がとても丁寧であること。生地を伸ばす職人は手早く形を整えると同時に、大きさや厚みを細かくチェック。トッピング工程でも、具材を見た目よく配置したり、全体のバランスをみて微修正したりと、1枚1枚のピザの完成度がとても高いのです。
味わいはもちろんのこと、食卓を彩るシーンにまで思いをはせた「手作り」であることが、森山ナポリの人気を押し上げている、そう感じました。
素材にこだわり、季節感も大切にしたい
トッピングに使うチーズは世界各国から取り寄せてメニューごとに使い分けており、北陸の食材との組み合わせも絶妙です。「定番のピザは14種類ですが、旬の食材を使った季節限定ピザもご用意しています。レパートリーは100種類ほどありますよ」。春はたけのこ、夏は唐辛子といった地元食材を生かし、趣向を凝らしたメニューでリピーターを飽きさせません。冬になると、雌のズワイガニ「香箱ガニ」をトッピングした贅沢なピザも登場します。
返礼品は、リピーターも多い人気の5枚をセットにしてお届けします。「こだわりぬいて作ったピザを、こうして全国の多くの皆さんにお届けできるのが本当にうれしいんですよ」と板尾さんはにっこり。一度味わったらとりこになる森山ナポリのピザを、ぜひご賞味あれ!
簡単調理で食卓が華やぐ、とっておきの冷凍ピザ
全国区の人気を博す金沢発のナポリピザ。わたしも「森山マルゲリータ」を味わいました。直径21cmのサイズは、家庭のオーブントースターやオーブンレンジで調理しやすい大きさ。魚焼きグリルも使えますよ。職人が手伸ばし、手焼きした生地はカリッと香ばしくて弾力があり、風味豊か。口の中で弾けるフレッシュなトマトの味わいは、とても冷凍とは思えません。爽やかに香るバジルソースもたまらない!
金沢からお届けする手作りの窯焼きナポリピザ。皆さんもご家庭で本格的な味わいを楽しんでください。きっと一口でファンになりますよ!
中部支部(石川県金沢市担当) / 森井 真規子(もりい まきこ)
海外生活を経て故郷にUターン。金沢のライター事務所で修業を積み、2005年からフリーランスで活動しています。出会う人やモノ、コトのストーリーを丁寧にすくいあげ、分かりやすい言葉で伝えることを心がけています。
城下町金沢には加賀百万石の歴史を伝える遺構がそこかしこに。旬の食材に恵まれ、寿司などの海鮮グルメが評判です。