前田さんのアニメーションが高い評価を受ける理由の一つが独創性。特に近年はストーリーを考えることにより重きを置くようになったそうです。そんな前田さんは現在、この返礼品の収益などを活用して、新たなアニメーションの制作を予定しているそう。その背景にはこんな思いがありました。
「コロナ禍以前、外国人がこの『見晴亭』を訪れ、僕の絵を見ながらあれこれ質問をするのです。そうすると一緒にいる日本人がなかなかいい加減なことを伝えている。その様子を見ているうちに、日本の伝説や文化、昔話や逸話が伝えようとする教訓をきちんと後世に伝えられる作品を作らなければと思うようになりました。そこでまず作ったのが絵本の『花咲か爺さん』。僕はこの絵本と今回の返礼品の収益とで、『花咲か爺さん』のアニメーションを製作したい。僕が一枚一枚手描きで作るからこそ、残すことのできるぬくもりや、日本的な感性があると思う。『まんが日本昔ばなし」のように、20年、30年先にも届く映像を制作したいと思っています」