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【原材料名】
鯖、米(国産米)、昆布、米酢、砂糖、塩、鰹だし、【別添生姜】生姜(タイ産)、漬け原材料(食塩、梅酢)/調味料(アミノ酸等)、酸味料、甘味料(サッカリンNa)、保存料(ソルビン酸K)
いづう
天明元年(1781年)、初代いづみや卯兵衛により創業。
花街と京の町衆の皆様にご贔屓にしていただき、鯖姿寿司を名物にした京寿司専門店として暖簾を掲げてまいりました。
以来、「商ヒハ両手ノ内二納ムルコト」という言葉を相承しながら、家族総出で寿司づくりに専念しております。
これからも変わらずご贔屓にしていただける「いづう」でいられるよう、先達の智慧を宝し、時代の流れにも応じながら歩みを続けてまいります。
創業240年、鯖姿寿司の名店「いづう」
京都・祇園の風情ある街並みと白川にかかる巽橋(たつみばし)。鯖姿寿司の名店「いづう」があるのはそのすぐ近くです。白いのれんをくぐると、漂ってきたのは甘くやわらかな香り。お酢の香りだとは分かりますが、一般的にお酢と言われて思い浮かべるような、鼻にツンとくるようなものとは、全く違います。
「丸みのあるお酢を京都のお酢屋さんに作っていただいています」と話すのは、創業天明元(1781)年のいづうの当主 佐々木勝悟(ささきしょうご)さん。約240年前から鯖姿寿司をつくり続ける同店の8代目です。「ツンとした酸っぱさは『角がある』って私たちは言うんですが、そういった酸味が強くなく、柔らかな美味しさのあるお酢を使っています。お酢だけで飲んでも美味しいくらいですよ」
京都で愛される、ハレの日のご馳走・鯖寿司
海に面していない京の都では、交通手段や冷蔵技術が発達していない時代、魚はとても貴重な食材でした。若狭(福井県)でとれた鯖は塩をひと振りしてから、通称「鯖街道」を通って、京都まで歩いて運ばれてきます。一日かけて運んでくるうちに、ちょうどよい塩加減になると言われていました。その鯖を使って家庭でつくられたのが鯖寿司。京都では昔から祭りの日やお祝いの場などハレの日のご馳走として愛されてきた郷土料理です。
サバ、米、昆布の三位一体でつくる美味しさ
「家庭料理だった鯖寿司を、お客様からお代を頂戴しておつくりする。商売として始めたのがいづうだと言われています。お代を頂戴するからには、味も、見た目も素晴らしいものでなくてはなりません」と佐々木さん。いづうは、家庭料理だった鯖寿司を職人が作るご馳走に昇華させました。
鯖姿寿司に使用する素材は調味料のほか、鯖、米、昆布といたってシンプル。鯖は、日本近海産の脂がのった真鯖。すし飯には特徴がことなる米を独自に配合したいづう‘特選米’で、粒の大きさや甘みにこだわった2種類をブレンドしています。そして北海道産の真昆布。これら厳選した素材を使用してつくる鯖姿寿司の美味しさは、“三位一体”と表現されます。
それは京都の鯖寿司が、時間が経つことによって味を変化させていく「早熟(な)れ寿司」だからこそでもあります。
時間が育てる「早熟れ寿司」
「鯖姿寿司の周りに昆布を巻いていますので、時間の経過に従って昆布のだしが寿司に移っていきます。握りたては、ほんのり昆布の風味がして、魚も寿司飯もやわらかい。後味もあっさりしています。それがつくってから5時間ほど経つと昆布に粘り、つまりうまみ成分が出てきてこれが寿司飯に移り、早熟れ寿司の風味がでてきます。そして一日経てば魚がやせてやや硬くなり、寿司飯も少し硬くなって、程よい食感がでてくる上、昆布の風味がより強くなってきます。本来はこの一日たったものが、京都の鯖寿司なんですよ」と佐々木さん。
京都を旅行していづうのお店で食べるのは出来立て。持ち帰りや通信販売は熟成された早熟れ寿司。今回の返礼品では京都の人々に昔から愛されてきた、一日熟成した鯖寿司をお届けします。2センチ幅ほどに切って、その日のうちに食べきってください。
サバの美味さを引き上げる氷の冷蔵庫
いづうの鯖姿寿司には、専門店ならではの工夫がまだまだあります。寿司にする前、鯖を一晩寝かせているのだそう。しかも使うのは一般的な冷蔵庫ではなく、氷で冷やす冷蔵庫です。「寿司にする前、鯖に塩をつけ、酢につけて、氷の冷蔵庫で一晩寝かせます。一般的な冷蔵庫は冷風が鯖にあたって、表面が乾燥してしまいますが、氷の冷蔵庫は冷気が循環することで冷やす上に保湿作用もあり、魚が傷まないんです」
氷の冷蔵庫では13~14度と通常の冷蔵庫よりも高めの温度で冷やすことも鯖姿寿司には欠かせない要素。「その温度だと、魚の脂が浮いてきて、塩や酢となじんで美味しくなる。握り寿司はいかに鮮度がよいものを早く口に届けるかが大事ですが、鯖寿司はその反対。鮮度を殺して美味しさを生むんです」
手仕事だからこそ備わる美しさがある
そして、いづうでは見た目の美意識も追求しています。青く、そして銀色に光る鯖が円筒状の寿司飯にきれいに巻かれているさまはまさに芸術品。そして断面は、初代いづみや卯兵衛の「卯」にちなみ、寿司の断面がうさぎに見えるようになっています。これをつくりだすのは職人の手仕事です。いづうでは、魚をおろす人、米を炊く人と、仕事は分業制で行われています。「京都の産業は分業制で行われてきました。それぞれのプロフェッショナルが仕事をするほうが、クオリティが上がるんです」。
また、プロの仕事の美しさは、手仕事にその源があると佐々木さんは言います。「例えば寿司を切るとき。26センチの鯖寿司を2センチ幅に切るのですが、全部2センチちょうどにはならない。2.1センチもあれば、1.99センチもある。ちょっとずつずれるから手仕事。全く同じに切ったら機械ですし、大きく違っていたら不細工。その少しのずれが人の手仕事の美しさなんです」。それぞれの仕事をきわめた熟練の職人の技が、美味しさに、人の手という美しさも加えています。
花街にふさわしい美意識で
鯖姿寿司の美味しさと美しさに魅了されたのは、祇園を訪れる旦那衆でした。お座敷で好まれたいづうの鯖姿寿司は、花街の宴席を華やかに彩りました。そしてその場にふさわしい器、盛り付けでお届けするようにと、いづうの美意識は磨かれていったのです。器から、一つ、二つ寿司を食べても、品のある美しさが器には保たれています。
また持ち帰り用でも、その美意識は同じこと。「うさぎ」「富士山」「三保の松原」を描いた包み紙は、日本一の寿司を目指すという心意気が込められたもの。さらに6種類ある掛け紙は、季節ごとの京都の移ろいを感じられるデザイン。最近ではオンライン注文用の掛け紙も登場しています。
思い出になることが財産でもある
鯖姿寿司を通して、京都の食文化の発信をしていきたいと佐々木さん。コロナ禍を機にオンライン販売を開始しましたが、それには鯖姿寿司が人の思い出になることを喜びと感じているからだと言います。
「お客様は京都に旅行に来て、数回あるうちの食事の1回でいづうのお寿司を食べてくださっている。『おいしかったね』だけではなくて、大切な思い出にしてもらえることはうちの財産でもあるんです。鯖姿寿司がご自宅に届いて、以前に京都に行ったときに誰々と食べたねって思い出してくれたり、会話が生まれて幸せな気持ちになったりしてもらえたら、そんなうれしいことはありません」。240年にわたって、継承されてきたいづうの鯖姿寿司。京都の職人の仕事に対する真摯な思いと、文化の香りに彩られた美意識、そして味へのあくなき探求心を実感できる逸品です。
近畿支部(京都府京都市担当) / 株式会社文と編集の杜(ぶんとへんしゅうのもり)
京都、平安神宮の近くに事務所を構える「文と編集の杜」。福岡県出身で、高知県、静岡県と全国を点々としてきたちくしともみが設立した編集・ライティング事務所です。関西を中心に、歴史、グルメ、インタビューと、幅広く取材・記事執筆を手掛け、地域のさまざまな魅力を発信中。また、表現を楽しむスペースとして、オフィス内に店舗を併設。読みものにまつわるイベントも開催しています。
歴史を大切にしつつ、独自の文化を磨き続ける京都。グルメや伝統産業など、特産品の中に京都のプライドを感じます!