こだわりポイントをご紹介
五郎島金時の特徴は、金沢の方言で“コボコボ”と表現される食感。“ホクホク”という意味なのですが、感覚的にはもっとギュギュッと詰まったお芋です。
わたしたちが作っています
江戸時代から300年以上にわたって積み重ねてきた栽培技術も、大切に受け継がれています。「肥料が多いと味が落ちるし、水の管理も難しいですよ。今はスプリンクラーで水をやるから昔に比べて作業性は良くなったけど、その年によって天候も違うから、長年の経験が大切ですよね」。さつまいも部会では栽培技術を教え合ったり、独自に配合した肥料を共有したりするなど、生産者同士で協力しながら栽培を続けてきました。
こんなところで作っています
五郎島金時の産地である金沢市粟崎(あわがさき)地区。この一帯は日本海に面した砂丘地。近隣の地区もあわせて約40戸の生産者が栽培を行っています。
このあたりは砂地だから、米が作れないんです。不毛の地と思っていたこの場所に、江戸時代さつまいもがやって来ました。村の太郎右衛門っていう人が薩摩(現在の鹿児島県)から種いもを持ち帰って、それからさつまいも栽培がさかんになったと伝えられています。
この時期がおすすめ!
さつまいもといえば秋を思い浮かべますよね。実はさつまいもは採れたてよりも、しばらく貯蔵して時間を置いた冬から春にかけての方がおいしいです!
五郎島金時は「キュアリング」という貯蔵法が採用されており、収穫時に皮についた細かな傷は、傷みの原因になるが、これを治すことで長期保存ができ、しかも甘みが増すようになります。
わたしたちの想い
キュアリング施設で貯蔵した五郎島金時は、春頃まで順次出荷が行われ、全国に届けられます。厳しく選別されたなかでも最高規格の「秀品」。品質、形、色ともに申し分のない五郎島金時5kgをお届けします。
ふるさと納税でこんなすてきな変化が生まれています
甘い香りとともに焼き上がった五郎島金時は、コボコボの食感。優しい甘みと香ばしく豊かな風味が、口いっぱいに広がります。
天ぷら、豚汁、コロッケなど、五郎島金時の味わい方はいろいろですが、生産者の一番オススメの食べ方は「焼き芋!」
“コボコボ”食感が魅力の加賀野菜「五郎島金時」
全国には、その土地の気候や風土に適した伝統野菜があります。地域の食文化を支えてきた伝統野菜は、独特の味や香り、食感、形といった個性が魅力。
海、山、里の豊かな食材に恵まれた金沢にも「加賀野菜」とよばれる伝統野菜が受け継がれています。加賀野菜の定義は「昭和20年以前から栽培され、現在も主として金沢で栽培されている野菜」。今回紹介するさつまいも「五郎島(ごろうじま)金時」をはじめ、加賀れんこん、加賀太きゅうりなど15品目が認定されています。
五郎島金時の特徴は、金沢の方言で“コボコボ”と表現される食感。“ホクホク”という意味なのですが、感覚的にはもっとギュギュッと詰まった感じ。う~ん、説明するのが実に難しい!皆さんも一度味わえば、“コボコボ”としか表現できないことが分かるはずです。今回はこの五郎島金時の魅力をたっぷりとお届けします。
さつまいも栽培にぴったりの砂丘地
五郎島金時の産地である金沢市粟崎(あわがさき)地区にやって来ました。この一帯は日本海に面した砂丘地。近隣の地区もあわせて約40戸の生産者が栽培を行っています。
「このあたりは砂地だから、米が作れないんですよ。不毛の地と思っていたこの場所に、江戸時代さつまいもがやって来ました。村の太郎右衛門っていう人が薩摩(現在の鹿児島県)から種いもを持ち帰って、それからさつまいも栽培がさかんになったと伝えられています」と、JA金沢市・五郎島さつまいも部会長の忠村哲二(ただむら てつじ)さんが教えてくれました。
米作に適さない砂丘地は、さつまいも栽培には最適でした。「砂の粒がね、大きくもなく、小さくもない。通気性や保水性が五郎島金時の栽培に合ってるんですね。他の土地で五郎島金時を育てても、同じような“コボコボ”にならないんです」と忠村さん。
長い歴史とともに蓄積された栽培ノウハウ
江戸時代から300年以上にわたって積み重ねてきた栽培技術も、大切に受け継がれています。「肥料が多いと味が落ちるし、水の管理も難しいですよ。今はスプリンクラーで水をやるから昔に比べて作業性は良くなったけど、その年によって天候も違うから、長年の経験が大切ですよね」。さつまいも部会では栽培技術を教え合ったり、独自に配合した肥料を共有したりするなど、生産者同士で協力しながら栽培を続けてきました。
5月から6月にかけて植え付けた苗は、暑い夏を越していきいきと育ち、9月から11月にかけて収穫の時期を迎えます。
「雨が多かったり、日照りが続いたり、相手は自然やからね。結局、苗を植えた後は手を合わせて祈るしかないんですわ」と忠村さんは笑いますが、天候や生育状況に合わせた細やかな世話は、やはり蓄積されたノウハウがあってこそ。五郎島金時をブランド野菜に育て上げたのは、生産者が何代にもわたって紡いできた技術と思いなのです。
おいしさの秘密は、こだわりの貯蔵方法にあり
ところで皆さん、さつまいもといえば秋を思い浮かべますよね。実はさつまいもは採れたてよりも、しばらく貯蔵して時間を置いた冬から春にかけての方がおいしいって知ってました?
こちらは五郎島金時を貯蔵する施設。「キュアリング」という貯蔵法が採用されています。「さつまいもを“cure(キュア)”、つまり“治癒”させるってことです」と忠村さん。治癒させるとは、どういうことなのでしょうか。「収穫時に皮についた細かな傷は、傷みの原因になるんです。これを治すことで長期保存ができるようになる。しかも甘みが増すんですよ」。
キュアリングの手順は次の通り。収穫後の五郎島金時を室温34~35度、湿度100%の庫内に72時間置き、その後温度を13度に調整。この時、皮にコルク層とよばれるものができ、おいしさを閉じ込めるという仕組み…ちょっと難しいですね。「要するに、皮にかさぶたを作って仮死状態にするんです。保存もきくし、でんぷんが糖に変わるから、採れたてより断然甘い」と忠村さん。なるほど、分かりやすい!
キュアリング施設で貯蔵した五郎島金時は、春頃まで順次出荷が行われ、全国に届けられます。今回の返礼品は、厳しく選別されたなかでも最高規格の「秀品」。品質、形、色ともに申し分のない五郎島金時5kgをお届けします。
コッボコボで風味豊か。優しく懐かしい味わいの五郎島金時
天ぷら、豚汁、コロッケなど、五郎島金時の味わい方はいろいろですが、生産者の皆さんはどのように味わっているのでしょうか。忠村さんに尋ねると「焼きいもが一番!」と即答。というわけで、早速焼きいもにして味わうことにしました。
甘い香りとともに焼き上がった五郎島金時は、コボコボの食感。優しい甘みと香ばしく豊かな風味が、口いっぱいに広がります。ちなみにコボコボの最上級表現は“コッボコボ”。金沢の人々の「この五郎島金時、コッボコボやねぇ」という言葉は、生産者への最大の賛辞です。今回の五郎島金時ももちろん、コッボコボでしたよ!
食べる人をほっとさせる、昔ながらのさつまいも
近年、しっとり系やねっとり系のさつまいもが流行していますが、五郎島金時はそれらと一線を画す“昔ながらのさつまいも”です。忠村さんは「この場所で、この土でずっと作ってきたからね。他の産地と同じことをするわけにはいかんのですよ」と、伝統を守ってきたプライドをのぞかせます。古くから金沢で愛され、食卓で親しまれてきた五郎島金時。ぜひ、多彩な料理で召し上がれ!
中部支部(石川県金沢市担当) / 森井 真規子 (もりい まきこ)
石川県小松市在住のライター。航空自衛隊、海外生活を経て故郷にUターン。金沢のライター事務所で修業を積み、2005年からフリーランスで活動しています。出会う人やモノ、コトのストーリーを丁寧にすくいあげ、分かりやすい言葉で伝えることを心がけています。
金沢の食文化に欠かせない加賀野菜は、季節ごとに顔ぶれが変わり、四季の移ろいを知らせてくれる滋味深い食材です。