昭和50年に、現会長が業界初となる「舞台裏を見せて売る方法」を導入し、わさび漬の製造工程を見学しながら土産物を購入できるようにしました。
これは、伊豆に観光で訪れる全国のお客さまに、商品に安心・納得してからお買上げいただきたいと思ってのことです。その後、多くのお客さまからご好評いただき、売上げも順調に伸びていきました。
しかし、平成に入り、伊豆群発地震や不況等の影響によって観光客数が減り、売上げが変動する時代となりました。
その頃から、“お客さまを待つ受身の商売”から、“わさびのプロフェッショナルとして新しい食べ方を提案する、働きかける商売”に姿勢を切りかえ、わさび漬以外のわさび関連商品を充実させ、「わさび屋がつくった」という名のもと全国に向けて発信していくようになりました。
一時期、同業者からは「わさび漬屋の異端児」と言われ、このままでいいのか……と悩むこともありましたが、今日では、百余年の歴史と伝統を守りつつ常に新しいわさびの食べ方を提案することに、面白さとやりがいを感じております。