京都の食文化の発信をしていきたいと佐々木さん。コロナ禍を機にオンライン販売を開始しましたが、それにはいづうの姿寿司が人の思い出になることを喜びと感じているからだと言います。
「お客様は京都に旅行に来て、数回あるうちの食事の1回でいづうのお寿司を食べてくださっている。『おいしかったね』だけではなくて、大切な思い出にしてもらえることはうちの財産でもあるんです。ご自宅でも、以前に京都に行ったときに誰々と食べたねって思い出してくれたり、会話が生まれて幸せな気持ちになったりしてもらえたら、そんなうれしいことはありません」。240年にわたって、継承されてきたいづうの姿寿司。京都の職人の仕事に対する真摯な思いと、文化の香りに彩られた美意識、そして味へのあくなき探求心を実感できる逸品です。