酒蔵数は全国5位!酒どころ・福岡から日本酒をお届け
九州のお酒というと、焼酎のイメージが強いですが、実は日本酒も多く造られています。福岡県の酒蔵数はなんと全国5位!全国有数の酒どころなのです。今回ご紹介するのは、博多にある造り酒屋・石蔵酒造の2種類の純米酒。福岡限定酵母を使った「純米吟醸 百年蔵 F44」と、返礼品以外では、蔵併設の直売店と公式オンラインショップでしか手に入らない蔵限定酒「しぼりたて純米酒」です。
食都・福岡の飲食店を支える岩田酒販
今回の日本酒を提供するのが、岩田酒販株式会社です。人口1000人あたりのレストラン件数は、東京、パリ、ミラノについで世界4位(2015 総務省統計局調べ)と、その数は世界有数の食都・福岡の飲食店を支える業務用専門の酒販売店。外食産業向け専門の総合商社・株式会社岩田産業グループホールディングスのグループ会社で、飲食店の開業や店舗運営をトータルでサポートしています。
西日本トップクラスの大型ワインセラーを完備し、ワイン専門スタッフが万全のコンディションを維持。さらに、オリジナル焼酎「天守の雫」の開発・販売も行っています。まさに、お酒のプロといえる岩田酒販の広域営業部部長・三島啓助(みしまけいすけ)さんがおすすめする博多の地酒が今回の返礼品です。
「博多百年蔵」の名で親しまれる、石蔵酒造
三島さんの案内で、返礼品を造る石蔵酒造を訪ねました。石蔵酒造は、博多区に唯一残る造り酒屋です。そのルーツは古く、記録が残っているのは安土桃山時代。天下分け目の決戦・関ヶ原の戦いの功績で黒田官兵衛・長政親子が筑前福岡藩主の命を受けた際、現在の姫路からともに帯同して博多入りしたのが、御用商人「石蔵屋」でした。その後、石蔵家は海運業を営み栄えましたが、江戸時代後期には酒造業へ参入。1870(明治3)年に建造された当時の第2酒造場は、現在の酒蔵として残り、2011年には国の登録有形文化財に登録されています。
歴史的にも貴重な酒蔵は酒造だけでなく、食事や宴会ができるレストランやウエディング、イベントなどの会場としても活躍。2020年には築150年を迎えた歴史ある酒蔵をシンボルに持つことから、石蔵酒造は「博多百年蔵」の愛称で博多っ子に親しまれています。
常に新鮮なお酒が楽しめる「フレッシュローテーション」
石蔵酒造の酒造りの特徴は、「フレッシュローテーション」。1度の仕込みに使う酒米を800kg以内に限定する「小仕込」と「通年醸造」で、常にフレッシュなお酒を提供しています。
「私たちは小さな蔵なので、在庫を多く持つことができません。そこで一度に醸造するお酒の量を制限し、その分、醸造回数を増やすことにしたんです。お客さまには、常に鮮度が良いお酒を届けられるようになりました。新鮮なお酒は、香りが高く、フルーティーでフレッシュな味が楽しめます」と石蔵酒造の前田聡(まえださとし)さん。
フレッシュローテーションを実現するのに、欠かせないのは環境づくりです。繊細な温度管理で醸造するサーマルタンクを導入し、発酵したもろみを酒と酒粕に分ける”しぼり”を行う上槽室には冷房除湿機能を完備しています。
そんな文明の利器にたよる一方、続けているのは昔ながらの「槽(ふな)しぼり」です。発酵を終えたもろみをしぼる作業ですが、現在は「ヤブタ」と呼ばれる圧搾機械を導入する酒蔵が増加。しかし、一度の仕込み量が少ない石蔵酒造では、あえて人手と時間を使って行う「全量槽しぼり」を行っています。
福岡らしさ、石蔵酒造らしさを堪能する2銘柄
返礼品でお届けする2種類のお酒は、いずれも蔵を代表する銘柄です。まず一つ目は「純米吟醸 百年蔵 F44」。福岡県内で作るお酒にしか使うことができない限定酵母「44株」、そして福岡オリジナルの酒米「夢一献(ゆめいっこん)」で醸しています。酵母の酸味に、キリッとした締まりがある飲み口で、すっきりとした後味。「穏やかな香りで食中酒にぴったり。福岡の地酒らしく、玄界灘の海鮮との相性は抜群です」と前田さん。
二つ目の「しぼりたて純米酒」は、フレッシュローテーションを取り入れる石蔵酒蔵ならではの1本です。冷蔵タンクから直詰めした生酒で、フルーティーな味わい。軽やかな飲み口です。また、新たな日本酒の魅力を広く伝えることを目的に開催される「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」では、2020年に最高金賞、2021・2022年に金賞を受賞。ワイングラスで味わうと、より広がる香りが楽しめます。
博多っ子に愛され続ける日本酒を堪能あれ!
酒造りはもちろん、披露宴やコンサート会場、宴会場など、地域の人々の交流の場として開かれてきた”博多百年蔵”。決して大きな酒蔵ではないものの、博多で唯一残る造り酒屋として博多っ子に愛され続けてきました。お酒のスペシャリストがすすめる石蔵酒造の日本酒をぜひ、味わってみてはいかがでしょう。
九州支部(福岡県福岡市担当) / 戸田 千文(とだ ちふみ)
愛媛県出身、広島、東京での暮らしを経て、福岡で暮らすフリー編集ライターです。各地を転々としたおかげで、ローカルのおいしいモノ・楽しいコトに興味深々!食いしん坊代表として、特にご当地グルメと地酒は無限の可能性を秘めていると感じます(笑)。首都圏と地方を結ぶ架け橋となるような仕事をしたいと奮闘中です。
九州一の繁華街がありながら、海・山といった自然も近い福岡市。天神から電車で2駅の大濠公園散策はリフレッシュにぴったりで、毎週訪れるほどお気に入りです。
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