焼豚を作り続けて八十余年「株式会社尾島商店」
今から100年以上前の大正12年、尾島商店は横浜・野毛の街にて精肉店として創業しました。地域の方々を中心に、そしてデパ地下グルメとしても大人気商品となっている「濱吟焼豚(はまぎんやきぶた)」をはじめとし、コロッケやメンチカツ、焼売などの尾島商店を代表するお惣菜の数々は、2代目社長の時代に生まれたのだそうです。現在は横浜市金沢区にある本社兼工場にて、当時からのレシピを大切にしつつ、焼豚を焼き続けています。誕生から80余年たった今も人気商品であり続ける尾島商店の焼豚には、きっと作り手さんのこだわりがたくさん詰まっているのでしょう。今回は尾島商店本社兼工場にて、取締役・統括部長の坂本麻実さんと、惣菜製造部・部長の石川直人さんにお話しを伺いました。
代々受け継いできたレシピと、「手作りである」ことへのこだわり
尾島商店の焼豚に使われているのは、厳選した国産豚の肩ロース肉です。焼豚と言えば豚バラ肉を使うイメージがありますが、尾島商店ではあえて肩ロース肉を使っているとのこと。肩ロース肉で作る焼豚はしっとり感とやわらかさが絶妙であること、それに加え、店舗でご購入いただく際には脂がほとんど入っていない部位か、バラ肉のように脂のジューシーさを味わえる部位かをお客様のお好みで選べることが理由となっているそうです。
尾島商店の焼豚は、全ての工程をできる限り手作業で、丁寧に調理されています。秘伝のタレに漬け込んだ肩ロース肉は約6時間かけてじっくりと炭で吊るし焼きし、出来上がった焼豚をカットする際もスライサーを使わず、包丁にて1枚1枚スライスします。
工房にて焼き上げる前のお肉を撮影させていただいたのですが、このシズル感、たまりません。撮影をしつつ、「これは間違いなく美味しいやつ!」と、食欲を刺激されました。そして取材ということで特別に、スタッフさんでもあまり食べる機会がないという焼きたてほやほやの焼豚をいただいたのですが、一口食べた瞬間に思わず顔がほころんでしまうほどの美味しさでした。やわらかく焼きあがったお肉と甘めのタレが絶妙にマッチしています。代々受け継がれてきたレシピを大切にしつつも、時代に合わせて甘さの加減などを少しずつ調整しているというタレは、きっと老若男女誰もが好きな味。また、タレを絡めずにいただくとお肉の美味しさをしっかりと感じられ、ご自宅で食べる際にはお醤油をたらしてみたり、辛子をつけてみたりと、いろいろアレンジして味変を楽しめそうです。
「街のお肉屋さん」から「デパ地下の人気グルメ」になるまで
もともとは街の精肉店としてスタートした尾島商店ですが、今では直営店の他、レストラン「尾島ダイニング」、そして横浜高島屋などの百貨店にも店舗を拡大しています。百貨店への進出は、4代目・尾島隆一さん(写真)が家業を継ぐために戻ってきた際の目標だったそう。百貨店に店舗を構えるまでは多くの方に尾島商店を知っていただくため、催事や出店を重ねることに力をそそいでいましたが、現在はお客様や地域の方々とのコミュニケーションをより大切にし、美味しいものをお届けし続けることに重きを置いているそうです。尾島社長をはじめとし、スタッフのみなさんのそんな想いが伝わるからこそ、尾島商店の焼豚やお惣菜は長年地域で愛され続けているのだと感じました。本店や百貨店での対面販売では、お客様からの「どうやって食べるのがおすすめ?」というお声に応え、「ごはんのおかずとして」「お酒のおつまみに」など、いろいろな食べ方やアレンジ方法を提案していきたいと考えているとのこと。焼豚の新しい食べ方に加え、新商品の開発も日々行っているそうなので、乞うご期待を!
直営店「尾島本店」「尾島ダイニング」でいただける絶品お肉料理
本社兼工場は横浜市金沢区に場所を移した尾島商店ですが、もともとの創業地である横浜市中区野毛には現在も直営店「野毛本店」と、イートインのできる「尾島ダイニング」があります。野毛本店で販売されているのは新鮮な牛ハラミやタン、ホルモンの他、鶏肉「風味鶏」など、老舗精肉店ならではのラインナップ。お惣菜コーナーではもちろん「濱吟焼豚」もご購入いただけます。地域の方々から絶大な人気を誇るお惣菜やお肉を購入するため、連日たくさんのお客様が訪れる尾島商店。12月を除く毎月29日には上質なお肉をお得な価格で購入できる「肉の日」を開催しているそうですよ。また、本店の向かい側にある「尾島ダイニング」は、2024年3月にリニューアルオープンしたばかり。店内では人気メニューの「黒毛和牛プレミアムハンバーグ」や「尾島名物 とろとろ焼豚」をはじめ、牛100%のパティをはさんだ絶品ハンバーガーやステーキなど、お肉好きにはたまらないお料理の数々をいただけます。野毛と言えば飲み屋さんが多いイメージですが、尾島ダイニングはお昼の時間帯も営業していて、お孫さんを連れて3世代でご来店される昔からのお客様から、お一人様でふらりとランチ時にご来店されるお客様まで、幅広い方が気軽に利用できる雰囲気も魅力です。ちなみに「尾島名物 とろとろ焼豚」は「濱吟焼豚」とは異なり、豚バラ肉を使っているとのこと。しっとりやわらかな「濱吟焼豚」、とろけるような食感の「とろとろ焼豚」、どちらも一口食べたら虜になってしまう美味しさの焼豚を、贅沢に食べ比べしてみるのもおすすめです。
昭和の時代から地域の方々に愛されてきた味をご自宅で!
尾島商店がふるさと納税返礼品に出品しているのは、「濱吟焼豚(1本)」「濱吟焼豚・濱吟焼売詰合せ」「濱吟煮込セット〈シチュー・カレー・もつ〉各3 パック」の3点です。「濱吟焼豚」は実店舗で販売しているのと同じく、ひとつひとつ手作りで丁寧に焼き上げた逸品です。焼売、シチュー、カレー、もつ煮込みは、精肉店ならではの経験と技を活かし、それぞれのお肉の美味しさを余すことなく引き出した尾島商店の人気商品となっています。一口食べてみれば、地域の方々から長年愛され続けてきた理由がわかるはず。昭和の時代から横浜・野毛地方のご当地グルメとして根強い人気を誇る尾島商店のお惣菜の数々を、ぜひご自宅で味わってみてください。
こだわりのポイントを紹介
国産豚の肩ロース肉を使い、バラ肉では出すことの難しい絶妙なしっとり感とやわらかさで、他にはない美味しさの焼豚を焼いています。タレは、代々受け継がれてきたレシピを大切にしつつも甘さの加減などを調節し、時代に合った味を追求しています。
私たちが作っています
子どもの頃に先々代(2代目社長)からレシピを教わった4代目社長を中心とし、昭和の時代から長く愛されてきた焼豚をなくしたくない!という想いを持った社員が一丸となり作っています。
こんなところで作っています
横浜市金沢区にある本社兼工場にて、出来る限り「手作り」にこだわり、作っています。
私たちの想い
多くの方に尾島商店の商品を手に取っていただき、「尾島さんのお惣菜は何を食べても美味しいね」と言っていただけることを目標にしています。横浜へ来た際にはぜひ一度、尾島商店の焼豚をお召し上がりください。