緑の多い街道沿いに佇むオシャレな靴屋さん
東急田園都市線の藤が丘駅から徒歩約7分、街路樹が多く、お散歩をするのにも最適な雰囲気の街道沿いに、靴職人・斎藤融さんが営むショップ「CONTE」があります。神奈川県厚木市出身の斎藤さんは、「自身のお店を出すなら神奈川県内に」という思いがあったのだそう。横浜市の中でも「CONTE」のある青葉区は都心からのアクセスが良く、緑が多くのんびりとした雰囲気が魅力の街です。
街道に面した斎藤さんのショップは、靴づくりをしているところを道行く人々が眺められるよう、前面がガラス張りになっています。窓からの光がたくさん入ってくるおしゃれな店内にて、靴づくりに関することや今後の展開など、さまざまなお話を伺いました。
靴職人になるまで
斎藤さんの経歴を伺うと意外や意外、大学卒業後の就職先は、ヘアカラー商材を扱う商社の営業マンだったとのこと。見るからに職人然とした佇まいからは想像ができませんでしたが、取材を開始してその気さくでお話ししやすい雰囲気と人柄に触れてみて、きっと素敵な営業マンだったのだろうな、と感じました。
斎藤さんはもともとスニーカーが好きだったことに加え、営業職をする中で出会ったおしゃれな先輩方や取引先の方からの影響を受け、28歳の時に靴職人を志したそうです。浅草にある靴の専門学校にて二年間、靴づくりの基本を学び、その後はシェアスペースにてサンプル品や靴づくりをしつつ、麻布十番の靴修理店にて勤務。そして2014年に自身のブランド「TORU SAITO」 を立ち上げ、2017年に現在のショップ「CONTE」をオープンさせました。「好きなことを仕事にして、魅力的な人間になりたいと思った」とお話ししてくださった斎藤さん。取材中ずっと素敵なオーラを放っていて、まさに「こうなりたい」と思った理想像に真直ぐ進んでいるのだなと感じました。決して安いとは言えないオーダーシューズは、「人として信頼してもらった上で注文につながる」と、斎藤さんはおっしゃいます。シューズをオーダーしたいと考えて探した数あるショップの中で、斎藤さんのような職人さんと出会えたら、信頼して全てお任せしたいと感じるのではないでしょうか。
本場ヨーロッパの職人も認める日本人の靴づくり
日本人の職人技の素晴らしさは、工芸品や建築物など多岐にわたり世界中で認められています。靴職人の技術もその中のひとつで、本場ヨーロッパでも日本人がつくる靴に対する評価はとても高いのだそうです。今や日本には、イタリアやイギリスよりも靴職人が多く、斎藤さんのもとにはなんとイタリア人が靴づくりを学びに来たこともあるのだとか。なんだか逆輸入みたいで面白いですが、それだけ日本の職人がつくる靴のクオリティが高いという証ですよね。
今回、靴づくりの工程の一部を見学させていただきました。ひとつひとつの作業が丁寧なのは言うまでもないですが、革を削り、木型に革を張っていく作業などの手さばきがとても美しく、熟練の職人技に見惚れてしまいました。フルオーダーのシューズは、注文を受けてからお渡しまで約一年かかるとお聞きした時、「長っ!」と感じましたが、木型に革を張った後、型が付くまで一ヵ月かかることや、皺がよらないよう少しずつ革を伸ばしていく工程を見学させていただいた後は、なるほどそれだけの時間がかかるのにも納得。 丁寧にメンテナンスをしながら履けば、革のエイジングを楽しみつつ十年たっても使えるというオーダーシューズ、これから長年お付き合いする靴だと考えると、注文してから仕上がりまでの一年も楽しみに待てそうですね。
ふるさと返礼品でオーダーしたあとの流れは?
さて、ここで、ふるさと返礼品にてCONTE・TORU SAITO Bespokeshoemakerで靴を注文した後の流れをご案内します。CONTEでは、お客様の足のサイズを測り、専用の木型から靴を作成する「フルオーダー」と、既存のフィッティングシューズにてサイズを確認し作成する「パターンオーダー」の2パターンがあります。ふるさと返礼品でご注文をいただいた場合は後者のパターンオーダーとなります。
まずは注文後にオーダー用のチケットが郵送されてくるので、来店・採寸の予約を入れてください(遠方のお客様は郵送での採寸も可)。来店日が決まったら店舗にて採寸し、フィッティングシューズを履いてサイズを確認します。採寸時にプラス料金にて、小指や甲の当たり具合などの微調整も可能です。採寸終了後、素材(革)とデザインを選びます。採寸からデザイン選択まで最短で一時間程度とのことですが、「Be Spoken」 が語源の「ビスポークシューズ」は、作り手とお客様の対話によって生まれるオーダーシューズです。納得のいくまで斎藤さんとじっくりお話しをし、オンリーワンのシューズを手に入れてくださいね。
今後の展開あれこれ
最後に、斎藤さんにCONTEの今後について伺いました。現在、ビスポークシューズをオーダーされるお客様は40代以上の方が多いとのことですが、今後は20代、30代の方からもオーダーをいただけるように展開していきたいとのこと。若い世代が好むカジュアルなスーツにも合わせやすいデザインや、普段使いもできるようなシューズを考えているそうです。また、日本国内だけではなく海外にも目を向け、上海や香港、台湾、インド、シンガポールなど、日本のオーダーシューズの良さを世界にも広めていきたいと語ってくださいました。実際にアジア圏ではすでに日本製のオーダーシューズの需要が高まっているそうなので、今後の斎藤さんのご活躍にますます注目が集まりそうです。
こだわりのポイントを紹介
CONTEのビスポークシューズは、しっかりとメンテナンスをしていけば十年でも使えるつくりとなっています。ひとつの靴を長く履き、革のエイジングを楽しんでください。
私たちが作っています
靴職人歴15年以上の熟練、「CONTE」の店主・斎藤融が、素材選びからひとつひとつのパーツ作成までを管理し、完全オーダーメイドでつくっています。
※現在は製作が混み合っている為、一部の作業を仲間の職人に外注しております。
こんなところで作っています
横浜市青葉区の店舗兼工房にて、採寸から仕上げまで、お客様の注文通りに一足一足丁寧に手作業で制作しています。
私たちの想い
日本人がつくる靴のクオリティの高さやオーダーメイドシューズの良さを、もっと広くみなさまに知っていただきたいと考えています。