沖縄県が誇るブランド牛「石垣牛」の希少部位
今回のふるさと納税品は、沖縄県が誇るブランド牛「石垣牛」の、さらに希少部位であるヒレ肉。松坂牛や近江牛など名だたるブランド牛の多くは、ルーツを辿ると石垣島の子牛から始まっています。それだけ石垣島が良質なお肉を育むのに適した環境だということ。2021(令和3)年には世界自然遺産にも登録された八重山諸島・石垣島の暖かい気候風土や豊富な草地、豊かな水など、さまざまな要因があいまって最高級の牛肉を生み出しています。
そんな石垣島の牛の中でも、さらに生後20カ月以上飼育された牛だけが認められる石垣牛。温暖な気候でストレスなく育った黒毛和種は、ほどよい霜降りと上質な赤身肉が絶妙なバランスをたもちます。中でも希少部位であるヒレ肉は、脂身が少なくさっぱりと食べられるのが特徴。仕入れの際に同じ等級でもサシがきめ細かいものを選定しているため、しっとりとろけるような食感と、ほのかに感じる甘みや風味を楽しむことができます。高級感があり、年齢問わず「おいしい!」と感じさせる味わいは、特別な日のディナーや大切な人への贈り物にぴったりです。
昭和28年に働き者夫婦が創業した上原ミート
極上の石垣牛ヒレ肉を目利きし、カットして提供するのは株式会社上原ミート。豊見城市に加工場を有し、県内3カ所で直営店、県内4カ所のファーマーズマーケットで直営コーナーを持つ老舗精肉店です。(写真は市場前本店)
上原ミートの創業は1953(昭和28)年。沖縄県民の台所と言われ、今なおノスタルジックな市場風景が人気の公設市場で、小さな肉屋としてスタートしました。
創業したのは働き者夫婦である現社長のおじいさまとおばあさま。ちなみに社長のお父さまは現在会長職に就かれており、会長・社長の兄弟姉妹もほぼ全員上原ミートで働くという、一家をあげてのお肉屋さんなのです。
「創業者であるおじいちゃんとおばあちゃんはとても働き者でした。口癖は『人が寝てる間に働きなさい』。その言葉通り、夜中の2時から仕込みをはじめ、夜20時には就寝していました。起きてる間はずっと働いていたみたいですね」
そう話すのは、創業者の孫にあたる山下さん(写真右)。その話に、広報担当の早川さん(写真左)は笑顔で大きくうなずきます。当時はスーパーやコンビニなどがなかったため、新鮮なお肉を求めて市場は買い物客でごった返していたそう。働けば働くほど稼ぐことができた時代でした。
そんな働き者のご夫婦は市場内でもかなり有名人だったそう。とくに金髪で真っ赤な口紅をほどこしたおばあさまは、見た目にも目立っていたと言います。おしゃれで働き者だったおばあさまを尊敬し、その力強さを受け継ぐべく、現在上原ミートの一部商品パッケージと農連(のうれん)店外壁には、おばあさまの仕事風景をあしらったイラストが描かれています。
「働き者」の魂とともに、今なお受け継がれるのは「安心安全を第一に」という基本への忠実さ。本社では品質管理の専門部署をかまえ、細かな管理を徹底しています。
また、創業時から大切にしてきたお客様へのおもてなしも、時代の変化に合わせながら大切に育んできました。たとえば公設市場店では、お客さまの要望に応じてその場で欲しい分量をカットしたり、お客さまが喜ぶ顔をイメージしたパッケージデザインを施したりなど、従来の方法に固執せず、常に変化しています。
写真はネット注文やふるさと納税品を送る際に梱包するパッケージ。上原ミート専属デザイナーに依頼して作ったオリジナルです。広報担当の早川さんにデザインのポイントを訊ねたところ「こだわったのは、お客さまがわっと喜んでくれるようなデザインであること。細かな要望はなく、とにかく喜んでもらいたいという一点だけ伝えて作ってもらいました」とのこと。
特に今回の返礼品・石垣牛ヒレ肉は高級部位であるため、贈りものとしての需要が高いそう。「贈る人と受けとる人が喜んでくれるような洗練されたデザインのパッケージであることと、商品を梱包する際にお客さまの顔をイメージしながら丁寧に包むことを大切にしています」と話してくれました。
おすすめはステーキ一択!味付けは塩胡椒でシンプルに
返礼品のおすすめの食べ方を伺ったところ、山下さんと早川さんは口を揃えて「ステーキ!」と即答。石垣牛のヒレ肉をステーキ以外で食べるのはもったいないと断言します。
ふるさと納税品は冷凍で届くため、まずは解凍から。前日から冷蔵庫に入れて、1日かけてじっくりと解凍するのが一番おいしい解凍方法です。解凍したお肉は、油をしかずにフライパンにIN(もっとこだわりたい方は、鉄のフライパンやオーブン、鉄板で焼くのがおすすめ)。
そして中火でお肉の表面から1.5~2cmほどを焼き(両面)、中間は1cmほど生の状態が残るよう焼きます。そうすることで肉本来のおいしさが引き立ち、風味ゆたかで柔らかいステーキが焼きあがるのだとか。味付けは素材が引き立つよう、塩と胡椒でシンプルに。
地域の人にも観光客にも愛される、信頼の味
写真は公設市場店。公設市場は長い年月をかけて地域に愛されてきたため、老朽化により建て替え工事が行われていました。写真は建て替え工事中につくられた仮設市場の上原ミート。取材に伺ったのは2023(令和5)年の3月4日で、ちょうど「明日、建て替え工事が完了し、もとの公設市場に移動するんですよ」というタイミングでした。
「公設市場店には観光客も訪れますが、昔使われていた1斤、2斤という単位で買う地元のお客さんもいるので、今もその売り方を続けているんです」と山下さん。売り方、選び方、味、品質管理にこだわり続け、上原ミートは今年で70年を迎えました。古き良きを受け継ぎながらも時代とともに成長してきた上原ミートには、常連さんから観光客まで、多くのファンが足しげく通います。長い年月とともに培ったおいしさをぜひ味わってみてください。
沖縄支部(沖縄県豊見城市担当) / 三好 優実(みよし ゆみ)
沖縄県那覇市在住。香川県で生まれ育ったのち、大阪や東京で仕事中心の生活を満喫していましたが、沖縄旅行で「人」の魅力にはまり、仕事をあっさり手放して移住。1年くらいで別の土地に行こうと思いきや、早6年が経過しました。ライター歴は5年。
豊見城市は大型のショッピングモールやビーチパーティーにぴったりな海があり、県民や移住者が休日によく足を運ぶ地域です。