行列のできる名古屋のひつまぶし店の味をご家庭で
うな丼やかば焼き、ひつまぶしなど、さまざまな食べ方で親しまれている日本伝統の食文化の一つ、うなぎ。特に、暑い夏の時期に体調を崩しやすいことから、精のつくものを食べようと土用の丑の日の「う」にちなんでうなぎを食べることは、すっかり私たちの日常に定着しています。
その中で、ひつまぶしは、うなぎをまぶして木のお櫃(ひつ)に入れられていることから、そう名前が付いたと言われる名古屋発祥の料理。炊き立てのご飯に、秘伝のタレがよくからみ、うなぎと一緒にひとくちほおばると口の中に甘辛いうま味があふれるひつまぶしは、「名古屋名物といえば」と真っ先に思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか。
今回、ご紹介するお礼の品は、名古屋の名店「まるや本店」の「ひつまぶし6人用セット」です。ひつまぶし用のうなぎとタレ、薬味のわさび・刻み海苔・粉山椒、ほうじ茶が香るさっぱりとした出汁がセットになっており、本場で行列のできるひつまぶし店の味をご家庭で気軽に楽しめます。
「まるや本店」は、2001(平成13)年、名古屋市天白区で創業しました。現在は、名古屋に4店舗、日進・中部国際空港セントレア・東京にそれぞれ1店舗と拡大中で、休日には1時間待ちは当たり前の人気店となっています。
愛知県長久手市に加工から発送まで一元化した工場を開設
まるや本店の自社工場があるのは、愛知県の北西部に位置する長久手市。2005年に開催された愛・地球博(2005年日本国際博覧会)の長久手会場としても有名です。遊園地や芝生広場など市民の憩いの地となっている「愛・地球博記念公園」(モリコロパーク)では、さまざまなイベントが開催され、休日は地域内外の多くの人でにぎわいます。
そんな長久手市に2012年、店舗で提供している味を全国の皆さんに知ってほしいという想いで、うなぎの仕入れから加工、発送を一元化した工場を開設しました。
全国から生きたうなぎを仕入れ、長久手の地下水で泥抜き
まるや本店で扱ううなぎは、全国から厳選したものを取り寄せています。季節によって変わるうなぎの脂が「一番おいしい」とされる状態のものを、生きたまま長久手市の工場へ直送。そして、長久手の冷たい地下水で打ち水にさらし、数日かけてしっかりと泥抜きをすることで、うなぎ本来のおいしさを保っています。打ち水にさらしたうなぎは、氷でしめた後に、熟練のうなぎ職人が1本1本素早く手さばきして、鮮度の良い状態で串を打って焼きに入ります。
取材では、実際にさばいているところを見せていただいたのですが、カメラのシャッターが追いつけないほど、あっという間に内臓や骨が丁寧に取り除かれていきました。速い人は、1時間に約30kgのうなぎをさばけるのだとか。これも、おいしいうなぎをたくさんの人に食べてもらうため、日々磨かれてゆく熟練の技なんですね。
熟練した職人が丁寧にさばいたうなぎを炭火で焼く
次は「焼き」の工程です。うなぎは時期によって脂の乗り方や身の引き締まり方が異なるため、それに合わせて焼きも調整していかなければなりません。うなぎの状態を把握した上で焼き加減を調整し、取り残された骨がないか細かくチェック。表面はカリッと、中はふわっと絶妙な焼き加減になるよう、見極めます。職人さんのうなぎに向かう目は、一瞬の気の緩みも感じないほど真剣な眼差しでした。
まるや本店では、統一した焼き加減のうなぎを提供するため、全店舗の焼き手が集まって毎月「焼き会議」でテスト。品質を保てるように徹底して訓練しています。現在、自社工場でうなぎの「焼き」を任されているのは、焼き一筋の一人の職人。多い日で1日270本ほどのうなぎを焼き、全国のファンに「おいしい」をお届けしています。
伝統製法「たまり」をベースにした秘伝のタレ
そして、うなぎ屋にとって、タレはその店の命といっても過言ではありません。まるや本店のタレは、愛知県の知多半島にある老舗のたまりをベースに、数種類の醤油とみりんを絶妙なバランスで調合されたもの。「これ以上は企業秘密」という極上のタレは奥深いコクのあるうま味で、ご飯にもよくからみます。
鮮度そのままの生きた状態でさばかれ、炭火でじっくりと焼き、秘伝のタレをまとったよい香りに、食欲がそそられます。焼かれたうなぎは、ひつまぶし用に包丁でカットされ、お店で食べるような状態のまま真空パックで冷凍状態に。全国のお客様のもとへと発送されていきます。
さまざまな食べ方で楽しめるひつまぶし
ひつまぶしといえば、そのまま食べてもよし、薬味や出汁をかけてさっぱりといただくのもよし。さまざまな食べ方があるのも魅力の1つです。今回の「ひつまぶし6人用セット」なら、自分のために購入した場合は6回分のいろいろな食べ方が試せます。
まるや本店のエリアマネージャー田中信聡(たなかのぶあき)さんにおすすめの食べ方を教えてもらいました。「最初はいつもの食べ方で、薬味やお茶漬けを楽しんだ後は、例えばすだちを搾って食べると風味が変わっておいしいですよ。また、パンにはさんでサンドイッチにしたり、卵やマヨネーズなどをつけてホットドッグにしたり、フライパンで焼きおにぎりにしてみたり、どれもおいしいです」。うなぎ屋の社員として、さまざまな食べ方を研究してきた田中さんならではのレパートリー!どれもなんともぜいたくな食べ方ですね。
大切な家族やお世話になった人に贈りたい品
「こんなに手間隙かかったひつまぶし、おいしいに決まっている」と実際に食べてみたところ、秘伝のタレの味わいと、しっかり焼き込んだ身の柔らかさに感動!取材した夜、家族と一緒にひつまぶしセットをいただきました。いかにまるや本店の加工過程がこだわり抜いているのかを伝えながら堪能すると、いつもより一段とおいしく感じました。
行列のできる名店の間違いのない味わいは、自分や家族へのごほうびにも、お世話になったあの方へのギフトにおすすめですよ。
中部支部(愛知県長久手市担当) / 小澤 志穂(おざわ しほ)
愛知県豊橋市生まれ・在住。趣味の旅行をきっかけにライターとして東海地域のおもしろさを発信しています。ガイドブックには載っていない、ローカルなグルメや絶景スポットを訪れるたびに「また行きたい」とその町の良さを再発見します。そんな地域の魅力をお伝えしていきたいです。
長久手は、学生時代に愛・地球博へ行った思い出の場所。次々とオープンする大型商業施設やおしゃれなカフェに、カップルや家族連れが楽しめるスポットが満載です。